冬場の内政
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秋の収穫をなんとか熟して冬に突入した。商人が大量に買い付けに来たんだが、それは仕方がない。在庫を吐き出せと言ったのは俺だからな。皆が生活できる分は残して売ってしまった。戦略的には間違っていないはずだが、どうなるのかは未知数だ。食料が足りているのかも解らない。どれだけの土地が不作になっているのかも余り知らないからな。代官である俺は、この町の事を解っていればいい。当主になった次兄殿には悪いが、俺は自分の領地を最優先に考えるからな。それ以外は知ったことではない。それはそっちで考えて貰う必要があるんだよ。
さて、内政である。農民が増えた影響で、村がどんどんと大きくなってしまっているが、それはこっちではどうしようもない。新しい村を作るにしても時間がかかってしまうからな。出来ない訳では無いが、いきなり住めと言われて住める場所はないんだ。その内見つけてやる必要があるのかもしれないが、今の村の規模を維持しつつ、町の発展を考えていっても良いのかもしれない。どちらにしても、今のままではいけないんだけどな。なんとかしてしまわないといけない。出来ることから進めていかないとな。
「内政はそんな所だろう。悪いとは言えない状態だ。だが、良いとも言えない。大開拓のお陰で農地の拡大は行えているが、収穫が悪い。まあ、今年も同じ内容だから問題無いと言えばそうなんだがな。これ以下になることは無いんだから、今のままを維持しておければ、なんとか乗り越えることは可能だろうと思う。これで例年通りに戻ってくれるのであれば、大幅な増収を見込める。良い事だとは思うが、意見を聞きたい。このままの内政で良いのかどうかだ」
「現状はこのままで良いかと思いますが、村人が増えた関係で町人も増えるでしょう。それの受け皿も用意しなければなりません。専業に出来る仕事が余りないので、土木作業員ばかりになるとは思いますが、どうしましょうか?」
「土木作業員が多い事に悪いことはない。寧ろ工事しないといけない場所が多いからな。どんどんと土木作業員は増やしていくべきだろう。出来る事と出来ない事を区別できていれば、土木作業員が増えることは悪い事ではない。そもそも、何もかもを整備しようと思えば、土木作業員は必須だ。これからも酷使していくつもりで居る。その代わり、給料は出すし、休暇も与えているんだ。現状の事を考えたら、これが一番の方法だと思う。主要な産業が欲しい所ではあるんだが、それはどうしても競合先が出てくるからな」
「では、食糧庫の増設はいかがでしょうか? 農民などの領民が増えたのですから、蓄えておく食料も多い方が良いのではないでしょうか? この前も改修しましたが、まだ大きくしておく方が良いかなと思います。今後も人口が増えていくのでしたら、先に増やしておいた方が良いでしょうね」
「それもあるな。食糧庫の増築の予定を入れておいてくれ。食料が無くなる事ほど恐ろしいことはない。貯め込めるのであれば、貯め込んでおきたいからな。3年の不作を念頭に置いて準備をしておく必要がある。……今回みたいに長いのは、異例中の異例だ。そこまで大規模な倉庫は必要ないのかもしれないが、無いと困るからな。あっても困らないが、無い事を前提に動いてくれ。それを蓄えられた分は農民に解放しに行く。他の領地に売りつける事も視野に入れておいてくれ」
「来年の村のユニークスキルやギフトの調査なのですが、時間を頂きたいと思っております。村人が一気に増えたので、把握するにも時間がかかります。住民票は村長が作っているとは思いますが、まだ浸透しきった訳ではありません。今回の事で機能停止している可能性もあります。それの確認をしてもらえればなとは思います」
「それについても春だな。ちゃんと期間は伸ばすから安心しておけ。流石に倍に増えたんだ。倍以上の時間がかかることは織り込み済みだ。心配する必要はない。その代わり、正確性を求めておくように。間違いでしたでは済まされない事もあるだろうからな。有用なユニークスキルやギフトは確保しておくべきだし、知らせておかないと損になる可能性もあるからな」
色々とやらなければいけないことを列挙していく。沢山やらないといけないことはある。それをやらないという選択肢もないんだ。やらなければならないことだから、いつかは手を付けていかなければならない。内政は優先順位を間違えただけでも後々面倒な事になるからな。出来ればどんどんと内政を回していきたいと思っているんだよ。急ぎでな。
しかし、文官たちも増えている所為で、仕事が増えているな。農民が増えたんだから、当たり前だが仕事は増える。人口の数だけ仕事が増えていくんだ。それは仕方がない事でもある。事務屋を増やしておいて本当に良かった。こんなに忙しくなるとは思ってもみなかったけどな。もっと暇をしていたかった。冬の内に予想を立てて、その予想をある程度なぞりつつ、上振れるのを待つというのが良いんだけどな。そんな優雅な内政はさせて貰えない。色々と時間も人手も必要なんだ。内政を簡単に見ていてたら駄目だぞ。内政が滞ると、それだけ停滞するんだから。停滞は悪だ。後退はもっと悪いが、止まっているという事は、相対的に後退するのと同じだからな。他の所はどんどんと進んでいる。停滞はいけない訳なんだよ。
全部放り投げて、遊び惚けている方が楽でいいのかもしれないが、それはそれで気になってくる。俺の人間性がそれを嫌うんだよ。関係している以上は関わらないと気分的に悪い。どんどんと出来ることが多くなっていく現状、全部の仕事をこっちで処理しないといけない訳では無いのが救いか。ある程度はデーデルに権限を持たせているからな。本気でどうしようもない時は俺が決めるしかない。そういった仕事の方が稀だけどな。大体はデーデルが決めてくれれば良いんだよ。
「さて、今年も議論が出尽くしたか。ここから不要なものを削っていくぞ。急ぎでは無い物を削る。時間も人手も無限ではないからな。来年にやらないといけないことを纏めていこう。まずは、住民票の作成。これは絶対に行わなければならない。重要性については、今更かもしれないが」
「そうですな。それだけはどうしてもやらないといけないでしょう。そうしなければ、各人に振り分ける仕事が変わってきます。幼いころからそれを知っているだけでも有利になりますからな。それと、食糧庫の改築は今回は見送りましょう。まだ必要にはならないはずです。将来的には必要でしょうが、今では無いでしょう。来年に冷夏が収まるのであれば、急がなければならないでしょうが、そういう訳でも無さそうですし」
「そうだな。冷夏が終わってからでも十分に間に合う。それは先延ばしでも構わないか。それよりも町の受け皿を用意させないと不味いだろう。全員が村に留まるとは限らん。ある程度は予備を作っておかなければ、スラムが出来る。……まあ、生き残れないとは思うけどな。そんな事で人口を消費するのも馬鹿らしい。なんとか住居だけでも用意してやらないとな」
取捨選択をしていく。こういう時はあえて全部やりたいことを出してから、優先順位をつける方が良いんだよ。来年にやることと、そうではない事。全部とりあえずテーブルに出すことをしなければならない。全部やらないにしても、将来的にはそこも考えないといけないんだぞという意思表示にもなるからな。俺だけだと、忘れてしまう事もある。なるべくは人を頼っていきたいんだよな。




