内乱終結
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「次兄殿が漸く領都を落としたか。予想よりも遅かったな。原因は解らないが、一部の暴走だけではこうなることはないだろう。……内部の反乱が遅かったのか? その辺りの詳しい事は何も書いていないからな。結果的にこれで減税もされる。余裕ある生活が戻ってくるだろう。余裕と言ってもそれ程大きなものではないが。農民にとっては苦しい事には違いがない。今は耐えて貰うしかないからな」
「でしょう。そもそも食料の生産が追いついていないのが問題ですな。こちらの余剰を吐き出しますか? 次兄様には恩を売っておく方が良いのではないでしょうか?」
「そうだな。こちらの余剰分は吐き出すつもりだ。次兄殿には頑張って貰わないといけないからな。商人たちを行かせるよりも、来てもらう方を優先するがな。まだ領内に盗賊連中が居ないとも限らないんだ。行かせるよりもリスクが低い方を取る方がいいだろう」
内乱は無事に次兄殿が勝利した。当然の結果ではあるんだが、それでもだな。予想よりも遅い勝利ではあったんだが。もっと早くに決着が付くと思っていたんだがな。想定よりも兵糧が多くあった可能性はある。次兄殿の指揮が悪かった可能性もあるんだが、寄せ集めの軍隊ではその位は考えてもいいだろうからな。何はともあれ、これで当主が変わったんだ。王都に挨拶にいかないといけないだろう。一応だが、形式は大切だからな。正式に当主として認められなければならない。
その時に他の領地の様子も見てきてもらえると助かるんだが、そこまでの余裕があるのかどうかだな。南に行けば行くほどに不作では無くなっているとは思うが、王都付近ではそこまで大きな差がないとは思っている。王都付近も不作に悩んでいるはずだからな。もっとも、海という資源があるから、食料には困っていない可能性があるが。
「さて、これからどうするのかだな。食料の支援はしてやっても良いとは思うが、それでもこの冬までだな。冬場はどうやっても動きようがない。今回蜂起した農民が食べていけるだけの食料が残っているのかが問題だな。人口が減り過ぎることは良くない事だ。なるべくなら今のままを維持したいと考えるんだろうが、そもそも税の徴収が出来ない可能性もある。その分をどうするのかだよな」
「まあ、なんとかするのは次兄様の事なので、私たちは何もする必要は無いとは思いますけどね。必要以上には関わらない方が幸せなのかもしれません。もっとも、次兄様が外交で食料を確保できるのであれば、その限りではないんでしょうが。出来なくはないとは思いますよ? 多少はこちらに頭を下げないといけないでしょうが」
「まあな。出来なくはないだろうが、プライドがどう作用するのかだ。こちらよりも上だと思っているのであれば、大きな思い違いをしている。立場は対等。その位の内政力はあるつもりだ。魔物も数に含めていいのであれば、こちらが圧勝だからな。次兄殿が何処まで頭を下げられるのかで変わってくるだろう。俺たちは眺めているだけでいい」
既に夏も良い時期なんだ。今からでは麦も育てられない。内政をどうして行くのか。その方針もちゃんと決めないといけないだろうが、それが決められるのかどうかだな。不満を出さずに何処までの内政が出来るのか。これも試練の内だろう。政権を取ったのだから、農民を苦しめる様な事になってはならない。ここが頑張りどころだろうな。
問題は山ほどある。1つ1つ片付けていかないといけないんだろうが、果たして上手くいくのだろうか。小さな成果で鼻高々という訳にもいかないだろうが、そもそも味方が居るのかどうかだな。その辺も心配しておかないといけないのかもしれない。少なくとも、俺は味方になったつもりはないしな。利害が一致したから支援はしたが、味方だと思ったことはない。次兄殿がやりたいようにやればいいのだよ。俺は関係ないからな。
「何処まで内政を立て直せるのかですな。近々起きる戦争までには間に合わないでしょうが、それなりの内政をする必要があります。限られた時間の中で何処までやるのかは見ものですな。こちらに協力を求めてくる可能性がありますが、その辺はどうする予定ですかな?」
「支援の内容にも因るが。食料の支援ならある程度はしてやるつもりだ。開拓の手伝いはしない。こちらとて余裕がある訳でもないからな。それなりの事は自分でやって貰わないとな。開拓に関しては、どうしてもと言われても難しいんだ。それなりの人口が必要であるし、そもそも道具もこちらで用意をしなければならないのか? そこまでする義理は無い。精々頑張って貰おう」
「まあ、でしょうな。それでは、予定通りに事を進めていきます。完全に予定通りにはならなくなりましたが、近づけておく方が良いでしょうから」
そうだな。予定通りに進めれば良いんだけど、予定を大幅に下方修正しているからな。当初の予定よりも大分進んでいない。そもそも異常気象なんて考えても居なかったし、内乱が起こるなんて考えても居なかったからな。仕方が無いで片付けていい問題ではない。それは本来起きる予定では無かったんだから。異常気象が全てを狂わせたと言っても過言ではない。
後は予定を繰り下げていくしかないんだが、戦争が起きるのに、予定の半分の内政しか出来ていないのが問題なんだよな。このままでは普通に負けかねない。次の戦争で負けてしまったら、俺の野望もここまでだろう。まあ、大した野望でも無いんだけどな。安全に安心して暮らしたい。それだけのはずなんだが、それが難しい世の中になってしまっているのが問題なんだよ。平和で居たいのに、状況は悪くなる一方だ。戦力は集めてきたが、それでもまだ足りない。
アイスクローブ王国を正面から落とし切る方法があれば良いんだろうがな。落とすだけなら可能だとは思う。問題は落としてからの内政だ。反乱されるのであれば、落とす意味が無い。落として統治できるのが、初めて落としたと言えるのだ。放置するだけなら今でも出来る。そこを守り抜き、農民を使ってやることが出来るのか。それが問題なんだよ。そこまで出来ないと、落としたとはならない。税もちゃんと負担してもらわないといけないし、領地の運営もしなければなら無い。落とすだけなら今でも出来る。ヘカトンケイルたちを突っ込ませれば解決するからな。その後の内政を回せるのかどうかが問題なんだよなあ。どうあがいても内政を回せる気がしない。そこまでの人材が居ないんだ。簡単に出来る事と出来ない事がある。全部が簡単に出来れば苦労はしないんだよ。南の土地が欲しいのは確かな事なんだけど。
まあ、ゴールドレッド子爵家が今後どうなっていくのかは不明だ。次兄殿がしっかりとやってくれるだろうとは思う。ここまで来たのに、父よりも無能だという事は無いはずだ。多少の能力はあると思っている。願望ではあるんだが、無いと思っても苦しいからな。出来る前提で動くしかない。こちらにも予定があるんだ。その予定が大きく狂っている以上は、どうにかして軌道修正を図らないといけないんだよ。戦争までになんとか軌道修正をしないと、悲惨な事になりかねないからな。
先送りではいけない。もうすぐ戦争がやってくる。早ければ再来年だ。その位の時期に迫ってきている。待つだけでは駄目なんだ。こっちからも攻めないといけない。何処まで大規模に動いても良いのか、決めないといけない。準備だけはしておく。その時がやってこないことを祈っているが、そんな訳にもいかないからな。




