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北方領地の魔王  作者: ルケア


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現状は予定を大きく下回っている

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 夏になり、やはり村人は増えてしまった。今はどの村でも1500人くらいの人が生活している。家も大きい訳では無いのに、苦労をさせてしまっている。なんとか家は追加で建築しているんだが、それ以上に人口が増えているんだ。増えた分だけ、壊滅した村があるという事なんだけどな。15、6は壊滅していると思う。全体からすると、1割から2割という所だろうか。全ての領地を知っている訳では無いからな。何とも言えない所ではある。


 それでも、なんとか食いつなげているんだ。広大な畑をスケルトンを使い耕すという方法でなんとかしている。スケルトンホースだって耕すのには必須だし、その為の道具もこちら側が供出している。皆でなんとか生き残る。これが命題だからな。全員が幸せには難しいだろう。だが、全員が食いつなぐくらいはやってのけないといけない。代官とはそういう仕事だ。


「なんとかなっているのは、修羅のお陰でもある。コットス、ブレアレオース、ギューゲースの3体が食べられる魔物だというのが大きすぎる。流石はオークの系譜。……まあ、ちょっとばかり筋肉質で、煮込まないと食べるのに苦労する部位もあるとはいえ、100mの巨人というのが良い。どうあがいても贅肉はあるからな。修羅の修行相手にもなるし、食料にもなる。戦争で使ったら、一面が平らになるから使えないんだが」


「戦争で使うのであれば、なるべくは土地を荒らさない方が良いでしょうし、仕方がないのではないですか? 聞く限りではかなりの巨体だという事ですし。もしも負けそうであれば、相手の王都を落としに向かわせるというのも手かもしれないですが……。今後手に入れるかもしれない場所を平らにするのはどうかとは思います。まあ、まずは負けないことが最優先なんでしょうが、マクシミル様の発言を聞いていると、勝つのは余裕そうなので」


「勝てるだろうな。俺たちの軍勢は、という注釈が付くが。俺たちが負ければ、最後まで負けだ。そのくらいの戦力を保持していると思っていいだろう。まずは戦争にならない様にしなければならないんだろうが、そんな事は無理だからな。相手の面子も考えれば、再侵攻が無くなるなんてことにはならないだろう。今度の戦争では、再侵攻が起こらない様に徹底的に叩くつもりではいるが。何度も何度も戦争になって堪るかってんだ。ゆっくりと内政をさせて欲しいものだよ」


「既に内政はガタガタですからな。村の人口が増えたのがその結果でしょう。幾つの村が滅んだのか。今回の天候で、本当に駄目になりましたな。何時になったらこの涼しい夏が終わってくれるのか。夏に気温が上がらないと麦もちゃんと育ちませんし」


「そういう品種なんだから仕方がないだろう。そもそもまだ寒さに強いだけマシだ。これよりも北では育ちもしないんだからどうしようもない。この麦なら、南でなら二期作くらいは出来そうなものなんだがな。生育も早ければ、実りも多い方だ。雪が無ければ冬でも育つだろう。多少は時間がかかるのかもしれないが。そういう場所では兵糧に困るなんてことにはならなかっただろうし、そもそも食料不足にもなっていないだろうな。……アイスクローブ王国と国力がどんどんと差が開くばかりで嫌になってくる。多分だが、タイガランド王国は全国的に不作になっているはずだ。アイスクローブ王国では、南の方は問題なく収穫できていると思われる」


 そうなんだよな。冷夏というのはそうなんだが、そもそも南にいけば行くほど暖かいんだ。地球みたいに地軸がズレている影響なんだろうな。何でズレているんだよって話なのかもしれないが、逆に考えると、地軸がズレていない方が異常なのだ。その場合は無限にある選択肢の1つしか無い訳で。地軸がズレていない方が異常、そういう認識で間違いではないはず。だから季節が無い方が不自然なんだろうとは思う。


 南に行けば暖かい。つまりは太陽の光がちゃんと当たる部分は暖かい筈なんだよ。そりゃあ多少は不作になっているだろうが、そこまで影響は出ないはずだ。ここの地方みたいに、4割減なんてことにはならない。寧ろ暑すぎて不作にならない分、豊作の可能性すらある。まあ、麦の品種にも因るんだろうが。南と北の麦の品種が同じであるという根拠は何処にもないからな。日本でさえ、地方で育てている稲の品種が違うんだ。寒さに強かったり、暑さに強かったりと、色々とあるんだよ。同じ米でも違うんだ。麦もそれと同じだろう。


「まあ、もう少しこちらの予定に合わせてくれると助かるといいますか、予定を大きく超過してしまっているのは、軍事方面だけでしょう? 内政の方は予定の5割程度しかありませんよ? それも現在進行形で予定と差が大きくなるばかりです。最終的には4割を切るのではないですか?」


「その可能性は大いにある。内政をもっと支えられているはずだったんだがな。冷夏が無ければ、町の人でも農業に適性がある人は移って貰う予定だったからな。……適性があっても、経験が無い人を放り込んで何処までやれるのかという事もあったからな。それであれば、ユニークスキルやギフトが無くても、経験が多い人の方が頼りになるだろう。平時にはいいかもしれないが、今は緊急時だ。そんな事を試して、余計に駄目にする可能性があるなら、しない方がマシだ。ユニークスキルやギフトを絶対視するのであれば別なんだろうが、ユニークスキルやギフトにも強弱がある。それらが異常気象の前でどう作用するのかが解らないからな」


「実験をしている暇が無くなってしまったのが痛手ですな。最低でも3年程度の経験は欲しいでしょう。剣や槍と違って、農業は1年に1度しか出来ませんからな。未経験の新人の言葉を信じろと農民に言ったところででしょうなあ。それでは農民の意地とプライドが傷つきます。それで良い結果が出れば良いですが、状況が悪化しないとも言えないですし、結果不作になった場合、どちらの方が良かったのかと対立してしまいますからな。このような辺境で対立するほど馬鹿らしいことはありませんし」


「その通りだな。今となっては、計画だけあったという事になってしまう。まさかこんなことになるとは思っていなかったからな。予想を大きく下回った。毎年毎年予想をしているが、悪い予想ほどよく当たる。1年間に限ればだがな。冷夏は流石に想定外だ。全く、自然相手の仕事とは言え、自然の方が狂うとどうしようもなくなる。そこをどうにかする技術があればよかったんだろうが、そんなものは存在しないからな」


 ダンジョンポイントで作れる水晶から、魔道具を作り出すことも可能なのかもしれないが、現状そんな事をやっている暇も無ければ、何かしらのスキルがある訳でもない。完全に手探りの状態なんだ。それに着手したとして、何十年後であれば実用化が可能だろうか。……いや、何十年後でも早いかもしれない。技術革新が必要だからな。最低でも100年はかかるのかもしれない。そもそもそういうスキルがあるという事も聞いたこともないんだ。こちらの把握しているユニークスキルやギフトにもない。それらしきものは存在しない。


 存在しないものを0から作り出すのは流石に厳しい。1からならまだ希望があるんだが、0だからな。こういう時には天才が欲しいと思ってしまう。想像力のお化けが欲しいと切実に思う。簡単じゃないかといってしまって欲しい。だが、天才がそう簡単に現れる訳がない。俺が天才に成れる訳もない。今あることをどうにか使っていくしかないんだよな。

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農業に関しては街で家庭菜園みたいな小さな実験農場作ればいいのでは? 農業スキル持ちだけでは心もとないなら農村から引退間近な経験者を数人引っ張って来るか、 逃げてきた農家の人をアドバイザーにすれば問題な…
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