冬の内に内政を終わらせておきたい
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冬の内にメイプルシロップを手に入れるのは魔物たちに任せてある。問題は無いはずだ。木の幹に穴を開けて蛇口を取り付けるだけで良いからな。それで樹液を確保できる。なるべく沢山の樹液を確保できる方が良い。村は6つまで稼働している。そこで順次メイプルシロップを作らせているんだ。砂糖がどうしても入手できなかったからな。甘いものは必須だ。生活が豊かになる。
そして、ゆくゆくは外貨を獲得するために売り出す予定だ。まずは国内での需要を満たさないといけない訳なんだけどな。子爵領だけでもそこそこの広さがある。平民も買えるようにするとなると、流石に生産量が厳しい。サトウカエデの群生地も奥に奥に行けば見つかると思われる。最悪は、その辺の要らない木をサトウカエデに変える必要があるんだろうが、それだと何十年も必要となってしまう。それは避けたい。出来れば既に育っている所を見つけたい所なんだよ。
まあ、北の森に関しては、誰のものでもないので、安心して開拓を進めることが出来るんだけどな。人間は住めないので、魔物に住んでもらう必要があるんだが、他のテイマーも似たような事が出来ると思うんだよ。確かにギフトで魔の心を貰っている方が簡単に事を運べるとは思うが、割とレアなギフトなので集めてくるのは難しいと思われる。まあ、他のチートなギフトに比べれば弱いので、集めようと思ったら集められるとは思うけどな。ギフトにしてもユニークスキルにしてもチート級のものばかりが揃っているので、手が付けられないんだよ。魔物たちにも覚えさせられれば良いんだろうが、魔物には進化があるため、ギフトもユニークスキルも覚えない。普通のスキルは覚えるんだがなあ。ゴブリンジェネラルもいい感じに魔法を覚えているし。
「それでは、魔物村からの献上品についてはこれでまとめでよろしいですかな?」
「デーデル、多分だが、魔物は冬でも普通に活動する。今後も食料品がこちらに入ってくる予定だ。受け入れの準備はしておいてくれ。それもあわよくば輸出品目に入れてしまいたい。特に塩漬け肉は大量にあっても困るだけだからな。他の領地に売ってしまった方がいいだろうと思う。まあ、他の領地もそこまでの肉が必要なのかは置いておくとしてだが」
「なるほど。冬の間もずっとという訳ですか。それだけ来るとなると、いささか上方修正しないといけないでしょうな。魔物村からの供給量がここまで多いとは思いませんでしたが」
「生肉についても多く入ってきている。今年の冬はひもじい思いをしなくても済むだろう。町中にある雪をどうにかしないといけない訳なんだが、それについてもスライムを放っておくだけで除雪をしてくれることが解っている。その分スライムも増えるんだが、増えたら増えたで使い道があるからな。増えたらそこから村に送り出したり、魔物村に帰って貰う方がいいだろうと思う」
「魔物との共生はここまで便利なものになるとは思いませんでした。見直す必要があるでしょうが、そもそも広大な土地を使えないと困る訳ですし、真似できるのかは微妙な所ですな。西側の山脈だと似たような事が出来るかもしれないですが、向こうだとどうなると思いますか?」
「そうだな。魔物の種類にも因るんだが、魔物村は作れると思う。問題はダンジョンコアをテイムできるかにかかっているからな。かなり運が必要になる。ダンジョンコアの有用性は解っているつもりだ。それが無いと魔物村も成功しづらいという事も。ただ、ダンジョンコアは本当に珍しい魔物だからな。普通はテイムできるとは思わん」
「でしょうな。ダンジョンコアの助けが絶対に必要となると、中々難しいですな。出来れば隣の男爵家にも教えてやりたい所なのですが……」
「今は早いだろう。そんな功績を得てしまうと、俺が家督競争に巻き込まれる。それは避けたい。俺は家督には興味が無いのだ。楽しく生きられればそれでいい。兄上たちには申し訳ないが、俺は俺の進む道を進むだけなんだ。この町を発展させられればそれで満足なんだよ」
家督なんて貰っても意味がないしな。好きな事を好きなようにやれないとか嫌だろう? 物語では貴族を目指す作品もあるにはあるが、貴族とは面倒なことを押し付けられる仕事なんだ。楽して生活できる身分ではない。こうして代官になって、代官代理を立てて生活した方が余程いい生活が出来るという事なのだ。跡を継ぐ事は、足枷でしかない。
後は南の国がこの国を見逃してくれている状況をずっと維持すれば問題ないんだ。南の国とも貿易で何とか平和を保ってくれればいい。まあ、そこまで価値ある国ではないからな。滅ぼしても旨味が無いのであれば、放置する方がいいだろう。世の中、価値ある国の方が攻められるのだ。こうして何も無い国を演出しておけば、攻めてくることも無いだろう。特に貴重な金属が取れるという訳でもない。コルバイトは山脈で少々取れるからこちらにも回ってきているが、それ以上の金属は回ってこないからな。まあ、鉄でも十分なんだが。
冬の内に出来るだけ内政を整えておかないといけない。メインの書類仕事は冬で全部終わらせるくらいの勢いでいいはずだ。幸いにも、村が6つしかないので、書類仕事もそこまでおおくはないんだが。魔物村? あれは書類外の村なので問題ない。領主である父上に報告しないといけない村ではないので、書類の作成の必要性が無いのだ。
「だが、人口が微増なのは有難いな。子供の数が増えそうだという報告も有難い。子供の数が戦力にも直結するからな。人口は増えないと意味がない。現状維持では衰退の道が待っているだけだ」
「ただ、それでも冒険者になる子供が多いですがね。畑の開墾は時間がかかりますし、子供では難しいです。樵になろうにもそこまでの数が必要ないため、どうしても村を出ていく必要があります。幸いにして、識字率は悪くないので町でも働けるとは思いますが、マセルに来てくれるとは限りませんからね。他の町に行かれてしまったらどうしようもないです」
「そこはある程度割り切るしかない。全体で見ると領地には1万人の人が居る事になるが、……どう考えても魔物の方が多い。生産施設も魔物村の方が良いものまである。これを埋めるにはどうすればいいだろうな? 人間よりも魔物の方がいい生活をしていることになってしまうぞ?」
「そこは仕方がないのではないですか? 魔物の方が強いのですから。確かに人間にはギフトやユニークスキルに因る力がありますけど、魔物の方が存在としては強いじゃないですか。どうしても差が出てきてしまうとは思うんですよね。それに関しては諦めるほかないかなと。文明を築くのであれば、個体として強い方が有利になります。それに関しては、人間よりも魔物の方が強いため、どうしても魔物側に有利になりますね」
「解っている。解っているつもりだが、どうしてもな。人間側でも進化が出来れば違ってくるんだろうが、人間が進化するという事は聞いたことが無いからな」
進化は魔物の特権である。人間は進化しないというのが定説なんだ。その代わりギフトやユニークスキルという強力なものを神様から貰っているという感じだな。人間の方が神様からしたら優遇しているという事になる。それでも、進化は捨てきれないほどのものなんだがな。どうにかして進化出来ないものか。魔物との交雑は出来ないのか? 流石に無理か。人間とゴブリンのハイブリッドなんて普通に考えて無理だろうからな。