表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北方領地の魔王  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/151

突然変異

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

『いや、え? ダンジョンポイントを? そりゃあ知っているけど、え? 出せるの?』


「知らん。でも知らない訳では無いだろ? なんとかならないか?」


 出してみない事には解らない。だが、ダンジョンポイントは知っている。知らなければならない。ダンジョンコアがもっとも知っているものがダンジョンポイントだからだ。それは、言い換えればエネルギーの塊でもある。


 それはそうだろう。今までにダンジョンポイントで魔物や品物を出してきたんだから。確実にエネルギーとして機能している筈なんだ。それを取り出せれば、大量のエネルギーを含んだ何かが出てくるはずだ。ダンジョンポイントを変換せずにダンジョンポイントとして取り出すことが出来れば、無限に近いエネルギーを得ることが可能だと思うんだよな。そうすれば、突然変異に必要なエネルギーも確保できると思う訳だ。何も難しい事ではない。単純に考えれば、エネルギーとして最上位のものがダンジョンポイントとも言える。なんにでも変換が可能なんだからな。


『えー。まあ、やってみるしかないよね。そんな項目は無いんだけどなあ。ダンジョンポイントをダンジョンポイントとして使うって感じなのかな? あ、出来る。出来そうだね。ちょっと外に出ていてくれる?』


 ダンジョンの外に出て、十数秒程度で再び入る。そこにはいつものメルカバと、水晶が落ちていた。


「……これがダンジョンポイントか? 随分と小さい様な気もするが」


『それがダンジョンポイントだよ。その大きさで鬼子母神を召喚する100倍のポイントを詰め込んであるんだ。ダンジョンポイントとして外に出すと、その程度の大きさでしかないみたいだね』


「これを使えば、もしかしたら突然変異が起きる可能性があるか。……それ以前に、これを使って良いのかって問題もあるけどな。それは精霊に聞かないといけないだろう。ちょっと聞いてくるから待っていてくれ」


『解ったよ。使えるとは思うけどね。ダンジョンコアなら誰でも出せるものなんだし』


 そんな訳で5層に行って精霊と話をする。禁忌に当たらなければ使っても問題ないはずだ。電気ではないのだから、問題ないとは思うが……。抜け道の様な気もしないでもない。こんなことが出来るなんて知らなかったからな。さっきも教えて貰っていないし。


「さっきぶりだな。という事で、これを見てくれ。これを使う事は可能か?」


「エネルギーの塊ですね。……ああ、そういう事ですか。なるほど、確かにその方法でならエネルギーを取り出せますか。ダンジョンポイントをそのまま出してしまった訳ですね。ダンジョンコアと協力しているからこそ出来る事ですね。確かにそれならば、突然変異も可能でしょう」


「問題は禁忌に触れないかという事だな。電気を使っていないのだから問題は無いとは思うが」


「そうですねー。それを使って雷の素を取り出そうとするのであれば、何かしらの対処は必要でしょうけれど、そのまま使うのであれば放置ですね。出来る事でもありますし。濃密なエネルギーを保持している状態でなら、使う事には問題無いですね。雷の素を取り出そうとするのであれば、それは問題にさせて貰いますけど」


「言質は取ったと思って良いな?」


「ええ、精霊はそれ単体では関与しません。取り得る手段の1つとして認めても良いかと思います」


 良し。許可は得られた。流石にダンジョンポイントをそのまま取り出すなんて事は誰もやらなかっただろうからな。……もしかすると、ダンジョンコアを破壊した時に得られるものってのが、これなのかもしれないが。その可能性は大いにある。これを使えば、恐らくだが推定魔道具と呼ばれる様なものも作れるだろうからな。電化製品にならないとも限らないから、研究するのはなしにしたい所ではあるんだが、これを使えれば、時空間魔法と何かしらのシナジーを得られるかもしれないというね。手っ取り早く言えば、マジックバッグなんかが作れそうではある。どうやってというのが解らないんだが。単純なエネルギーでしかないダンジョンポイントをどうやって変換するのか。それが問題になるだろうからな。


 ただ、今はそれを考える必要はない。要は突然変異に使えるかどうかが問題なんだから。突然変異に使えるのであれば、これほど簡単に得られるものは無い。使えるのかどうかを試すにはいい機会だ。早速試してみるか。


「メルカバ、精霊からの許可は得た。後は試すだけだ。100倍で足りるのかどうかも考えないといけないだろうが、出来ないことはないだろうというのが精霊の見解だ。これならば、突然変異までのエネルギーとして足りると思われる。早速実験をしたい。良いか?」


『僕の予定よりも、鬼子母神たちの予定だよね。そっちの方が問題じゃない? まあ、今日はまだダンジョンには潜っていないけど』


「ならば集めなければならないな。何処から外に出ればいい?」


『向こうからだよ。そっちから出てくれればいいかな。……1つで良いの?』


「ああ、とりあえずはな。成功したら人数分は出してもらう。その位のダンジョンポイントを使うが大丈夫か?」


『ダンジョンポイントには余裕があるから問題ないよ。結果を楽しみにしているよ』


 まずは鬼子母神たちを説得するしかないんだが、どう出てくるのかだよな。今までの修行の成果を否定するものでもある。それでも強くなりたいのかが問題だ。


「鬼子母神たちは何処にいる?」


『向こうだ。そちらで修行をしている』


「そうか。解った」


 修行か。技のための修行なんだろう。どんな技に仕上がっているのかは知らないが、強くはなっているんだろう。だが、その方向では突然変異が出来ないと思っている。技術では、圧倒的な力の前にはなすすべも無くやられてしまう可能性が高い。突然変異とはそういった理不尽な強さを得るために必要なものなんだ。小手先の事ではない。


「居たか。鬼子母神たちよ、聞いて欲しい。強くなるための話だ」


『強くか。それならば聞こう』


「お前たちが強くなるには、……技の、技術の習得では理想とする強さには辿り着けない。圧倒的な力を得たいのであれば、技術を捻りつぶすだけの力が必要だ。それは、今の修行を否定することになる。今のままでは突然変異は起こせない」


『……そうか。やはりか。強くなることはできても、それ以上にはなれないか。薄々は解っていた。我らはこれ以上進化出来ない。強くなる道が途絶えてしまっている。それでは駄目だと限界まで強くなろうとはした。それが無理だというのだな?』


「今のままではな。そう、今のままではだ。突然変異を起こすことが出来れば、それは変わってくる。突然変異を起こすことが出来るかもしれない。ただし、命の保証は出来ない。それと、最低でも1体は死んでもらう事になる。それでも良いのであれば、可能性に賭けてみないか?」


『死ねば力が手に入るのであれば、我らは死を選ぶ。その覚悟は当に出来ている』


「そうか。それならば、この水晶を飲み込め。そこから力を願え。それでも駄目なら他の方法を考える。死ぬかもしれない。それでも良いんだな?」


『笑止。強さこそ我らの生きる道。それで死ぬのであればその程度の事。覚悟は決まっている』


 水晶を一口で飲み込み、そのまま動かなくなってしまった。……何が起きているのかは解らない。ただ、何かが起きていることは解る。何も起きなければ、黙っている訳がない。何かが起きているんだ。それがなんなのかは解らないが。


『ガァァァアアアアアアアアア!!!!』


 突然に赤い煙を出しながら叫んだ。何かが起きている。突然変異なのかは解らない。が、変化はあった。ただ死ぬだけなのか、それとも。


 2分か3分だっただろうか。赤い煙を発生させながら、3m以上もある巨体がみるみる小さくなっていった。今は180㎝くらいしかない。だが、生きていることは生きている。死ななかったと言う事は、突然変異に成功したと言う事だろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おーーーん。 もはやゴブリンの原型止めてなくて笑えるわ(笑えない) ただ一個思ったのは、それが出来るなら「ぼくのかんがえたさいきょうのまもの」とか作れそう。
ダンジョンポイントをどうやって流し込むのかと思ったら、ダンジョンポイントそのものを結晶化して出すことが可能だったとは・・・簡単にエネルギー塊を用意できるようになった以上、突然変異の成功率(=生存率)次…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ