表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北方領地の魔王  作者: ルケア


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

127/151

春は強化の季節

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 春。それは雪解けの季節であるが、雪が解けるだけの気温にならない。雪が降るのは止まったが、スライムたちが雪を食べてくれなければ雪が溶けない事態になっている。本格的にやばくなってきたな。遂に普通ではない状況になってきた。南の方は大丈夫なのかもしれないが、北はもう少しで麦も育たなくなるかもしれない。太陽活動の弱化は深刻なダメージを与えてくる。農作物が育たないという悪夢がやって来るとは思いもしなかった。


 そんな状況でも子供は産まれてくる。3女のエデルガルドが産まれた。子供はなるべく多い方が良いんだよ。何かあった時の為にも増やしておいた方が良い。その分食料も必要になってくるんだが、次代が減るような事があれば、国として衰退してくしかない。本来であれば、老人を切り捨ててでも次代を残すようにするべきなのだ。そうしなければ未来が無いからな。老人に手厚い国もあるだろうが、それ以上に若者に手厚くしなければ、老人だけでは人口は増えないんだ。結局は人口を繋いでいくしかないからな。


 そして、長女のレイナからもユニークスキルとギフトの聞き取りが終わった。ユニークスキルが電光石火、ギフトが剣の加護だ。将来は剣士だな。これは確定である。電光石火は簡単にいうと素早さのバフなんだ。一時的に素早くなる、動体視力が向上するなどの効果がある。速いという事は強いという事であるというユニークスキルになる。これも過去に例がある。冒険者としても使えるユニークスキルになってくる。剣の加護は文字通りだな。加護なのでかなりの強さのギフトだ。剣を扱う事に関しては、かなりの補正がかかる。相手が剣を使ってくる場合、ほぼ負けないくらいの強さが期待できる。将来の事を考えると、女の子が戦士系のユニークスキルとギフトを貰う事は余り嬉しくはないんだけど、戦力に数えてしまっても良いのかもしれない。結婚はさせるつもりで居るが、若い内は兵士のまとめ役として活躍してくれればなとは思う。


 軍の強化になるだろうが、それは10年後の話。レイナが軍に所属する頃には、戦争が無くなっていると良いとは思う。まあ、無理な話ではあるんだけどな。どう考えても戦争は終わりそうにない。日々を過ごしているだけでも、戦争の足音が近づいてくるような感じがするのに、平和なんて訪れる訳がないと思ってしまうのは、相当に毒されているという事でもあるんだよ。


 そんな感じで子供の成長を感じつつ、魔物の方に目を向ける。が、魔物の方は目立った進化がほとんど見られない。進化したのはワイバーン系の魔物だけだ。ドラゴンからファイアードラゴン、スノードラゴン、アースドラゴンへと進化した。順当に進化すればそうなるだろうという感じである。スノードラゴンだけは既に育てているんだが、その上の進化先にはまだなっていない。どうにか進化してもらいたいものではあるんだけど、そんなに簡単には進化しないぞと言った感じだろうか。時間がかかるのは仕方がないんだけどな。時間がかかるという事は、それだけ強いと言う事でもあるんだよ。


『でもね、進化先が無いのにも関わらず、もっとも修行をしているのは鬼子母神なんだよね。戦闘こそが生きがいみたいな感じになっているんだよねえ。同種でも殺し合うくらいには戦っているんだよ。他の魔物とは全然違うというか、強くなることに全力なんだよね。他の事は何も必要ないって感じで。強くなければ存在価値がないって思っているんじゃないかな。魔物の中でも異質なんだよね。そこまでして強くなりたいのかって思うし』


「それはまあ、仕方がないんじゃないか? 他の魔物もいる関係上、絶対的な強さという所では、ゴブリン系ってそこまででもないだろう? 確かに強いが、他にも強い奴が多いというかさ。器用貧乏なんだよな。何でも出来るけど、何かに特化したわけでもないじゃないか。戦闘力は龍神に分があるし、大きさはジャイアントが大きい。生産はコボルト系が担っているし、移動となるとフォレストウルフ系が幅を利かせている。対物に関しては破壊神が有利だけど、鬼子母神ではないしな。何かに特化したい。そういう気持ちは解らないでもない。没個性になりがちなのが嫌なんだろう。ただ、こちらとしては、強い個体が集められるのであれば有難い話ではある。どんどんと強くなっていっているのは本当の事なんだろう?」


『まあね。強くはなっていっているよ。それこそ、グレータードラゴンにも勝てるくらいには修行を積んでいるというか、ね? ストイックなんだよね。でも、防衛戦力としては有り難いよ? ここまで強くなってくれても、コスト的な話で言うと、そこまででもないからね。所詮は鬼子母神なんだよ。種としてはそれ以上でもそれ以下でもない。けど、鬼子母神たちの向かう先ってそこじゃない気がしているんだよね』


「ん? 種としては鬼子母神で動きようが無いだろう? もう進化先が無いんだからな」


『いや、可能性としてはあるよ? 突然変異って事を考えると、無い訳じゃないと思うんだよね。多分だけど、あのまま経験を積んで強くなっていくと、いつかは突然変異が起きると思うよ。種としての鬼子母神を超えた何かが生まれると思う。可能性としては無いとは言えないんだよね。あれだけ頑張っているんだから、報われて欲しいってのがこっちの見方なんだけど』


 突然変異か。確かに起こってもおかしくはないか。単純な力の問題だとしても、種としての強さからは逃れられない。それ以上になりたければ、種として進化をするしかない訳なんだけど、鬼子母神は既に最終進化だ。ここから更にとなると、突然変異を狙うしかない。それもかなりの低確率になると思う。突然変異は異常な事が起きたときに、種としてなんとかしようとした時に起こるのが普通だ。それを単なる戦闘力だけで超えようとすると、本当に難しいと思う。出来なくはないんだろうが、それは鬼子母神たちの努力次第と言う事になってくる。努力という言葉も生ぬるいのかもしれない。死を感じ、危機が迫っていると思わなければ、突然変異は現れない。そんなに簡単に頻発するようであれば、世界は突然変異で溢れているだろうからな。


 ただ、目指すのは自由だ。個として強くなってくれるのは、こちらとしても大歓迎である。突然変異を起こそうとしているのは大いに結構。是非とも頑張って貰いたい。何が彼らをそうさせるのかは知らないが、出来ないと見限ることはしない。可能性が1%でもあるのであれば、挑戦することもいいだろう。自分たちの限界を、自分たちで決めてしまうのは勿体ないからな。


「それで、精霊はまだ中に居るか? 少しばかり話をしたいんだが。居るとしたら5層になるよな? 今いるかどうかだけでもいい。教えてくれ」


『ダンジョンポイントの入り方的には居るよ。……なんか加速しているから、もしかしたら増えているのかもしれないけどね。この冬くらいからかな? ダンジョンポイントの増え方が5割増しくらいになったんだよね。こっちとしては嬉しいんだけど、何でそうなっているのかの原因が解らないからさ。多分だけど、精霊が増えたんじゃない?』


 増えたのか。倍以上になっていないことから、同格の精霊が増えたわけでは無さそうだけどな。何処かから引っ張って来たのか、何かを召喚したのかは解らないが、何を考えているんだか。とにかく聞いてみないといけないことがあるから、聞きに来たんだ。話をさせて貰おう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
レイナちゃんが不憫に感じるのはお門違いといえどかわいそう。 学校は不要とのことですが南の国が文化的に栄えているなら、留学とかはよさそうな気がしますね。 間に敵国はありますが、隣国からの裏ルートも開拓で…
ファイアードラゴンを外に出すわけにはいかんのかな?スノードラゴン数体で異常気象引き 起こしたんだから、ファイアードラゴンで温かくならんかな? まぁ、気象に影響与えるスノードラゴンとそうではない(よね?…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ