商人にも色々とある
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「上振れる事が無く終わろうとしているな。今回の下振れは想定外の出来事だった。しかも原因が今一つ解らん。何が原因なのかが解れば対処は出来るんだが、それすらも解らないとなるとどうしようもないな。同じような事が起きる可能性もある。起きてからでは遅いんだがな……」
「仕方がないのではないですかな? 突然変異を予想できるものなど居ないでしょうし。今回の事は特別だと考えるか、似たような事であれば対処の方法があると言う事を認識出来れば良い方でしょう。現に解決は出来たのですからな。解決できずに放置することも多々あると思います。それに比べれば良い方でしょう」
それは解っているつもりなんだがな。突然の異変を解決できた。これは大きい。被害もそこまで大きくならなかったんだ。十分な成果と言ってもいいだろう。下振れた要因ではあるが、今後は同じことが起きても対処が出来る。編成も問題なく行える。それが解ったことは有益だろう。
原因が解らないのが一番の問題なんだけどな。原因があるから突然変異を起こしたはずである。フロストジャイアントの時と同じだな。何か原因があるから突然変異を起こすのだ。原因を取り除かないと同じことが起きる可能性がある。が、原因には全く心当たりがない。森に食べ物が無くなったとかであれば、そもそもの対処のしようがないんだが、そんな訳では無い。確かに森を開拓しているが、そこまで広くは開拓出来ないし、そもそも森の面積が1%も減ったなんてことはない。……森の中に村を作っても余るくらいの土地はあるんだ。そんな事は危険だからやらないつもりでは居るんだが。
「打てる手が無いのが問題なんだよ。原因が解らないのが問題なんだ。突然変異を起こすような問題が森で起きている可能性が高い。何かしらの原因があるはずなんだよ。それが解らないのが辛いんだがな……。魔物が駆逐される様な何かが起きたとか、そう言った事が無ければ起きないと思うんだがな」
「私は考え過ぎだとは思いますがね。グレーラットの活動範囲が思ったよりも狭かったのが原因ではないかなと。それが土地の開発と被ってしまったのが原因だと思いますよ? そもそもですが、突然変異個体が生き残らないと今回のような問題にはならない訳ですし、もっと頻繁に突然変異が起っていると思った方が良いでしょう。特に動物から魔物になるのは今回だけの特別な事ではなく、年に数回は起きているんでしょう。それが他の魔物にやられてしまうだとか、繁殖が出来ない個体であるとか、そういった原因があるから滅んでしまうだけで」
「……突然変異はもっと頻繁に起きているか。確かにそれはあるかもしれない。生存競争に負けただけの可能性も否定できないからな。進化も似たようなものだろう。スタンピードが起きる前に対処できてしまっているだけなのかもしれない。考えすぎか。確かにその可能性はあるだろう」
「それよりも内政に目を向けた方がよろしいかと。そもそもですが、突然変異を予想に入れ始めると、無茶苦茶な内政計画になりかねないですからな。あくまでも予想は予想。想定外の事は起こり得ると言う事にしておかないと、内政計画も建てられないでしょう。今回のように起きる時もあれば、起きない時もあるんですから、むやみに考えない方が良いとは思いますよ?」
その考え方も解らないではない。特に突然変異なんて起きるかどうかも解らないことを予想に組み込むことをしていたら、俺の仕事が増える。予想なんて出来るわけがないんだから、緊急で対処するしかないんだよ。頭では解っているつもりなんだが、如何せん原因が解らないのが辛い。予想できる範囲の事ではないのがな。簡単に予想できれば苦労はしないんだけど。
出来ることからやるしかないか。今はとにかく内政を進めていくしか方法がない。もうそろそろ秋の収穫が始まる。それまでにはなんとか仕事を終わらせないといけない。そうしないと冬の内政が始まってしまうからな。出来れば終わらせておきたいことは山のようにあるんだ。これでも仕事の項目は減っているんだがな。仕事量は増えてしまっているんだが。やらなくてもいい仕事が出来たのは大きい。俺の負担の軽減にもなるからな。
「それで、商人の出入りも予想通りか。本格的に向こうの内政が止まっている可能性があるな。もう少し予定に近づいてくれないと困るんだがなあ。売りに行こうにも商品がダブついていたら話にもならない。収入はこちらで担保できるが、外の交易が止まるのは厳しいぞ? メイプルシロップも予定よりも少ないという予想が当たっている。こっちはもっと売れるという予定だっただろ? 何が問題になっているんだろうな。甘味なんて売れても良い筈なんだが……」
「ですな。公爵家の方々はともかく、侯爵家には売れるでしょうからな。……推定では公爵家の何処かがダンジョンをお持ちであると言う事ですが、侯爵家の方々がダンジョンを持っているという情報はありませんし、もし持っているのであれば、予想を下回るでしょうからな。予想通りという事は、そういう事なのでしょう。あちらの商人のキャパをオーバーしてしまっているんでしょうなあ。もう少し力を入れて欲しい所ではありますが」
「そうだな。こちらから遠征を出来るだけの商人を作り出すことは不可能だ。そもそも商会に私兵が必要になってくる。冒険者でも良いんだろうが、そんな人材は居ないからな討伐に向いている冒険者はそもそもトルクメニア山脈の方に向かっているだろうし。この辺りにも居ないことは無いんだが、それでも護衛を任せるには少しばかり不安が残る」
レッタニンの率いるミットレント商会でも、そこまでの体力はない。いや、やろうと思えば出来るんだろうが、今まではその必要性が無かったからな。今後もその通りで良いのかと言われると、微妙な所なんだが、難しい事には変わりがない。確定で出来るとは言い切れない。レッタニンの後継も育っているらしいが、彼が慣れる前に大きな事業へと打ち出すのは難しいだろう。そうなってくると、商人の在り方を見直さないといけない訳なんだが、そもそも領都を介さない交易というものが許されるのかどうかも解らないんだよな。出来ないことはない。が、それは税金を払わないのと一緒なんだよ。簡単にいうと、脱税をしても良いのかって事になる。ミッテルディア王国との取引は国が許可を与えていることで成り立っている訳なんだから。本来であれば、領都を通さないといけないはずなんだ。それを国の許可で勝手にやっているというだけに過ぎない。
非常に面倒な考え方なのかもしれない。だが、移動がネックになる以上はそれも止む無しなんだよな。移動に制限がある以上、販路の拡大も中々難しい。関税も幾ら取られるのか解ったものではないしな。無視は出来ない。無視してしまいたいと思うのが普通だろうが。出来る限りの値段で売らないと利益にもならないのに、ただでさえ高いものの関税がどうなるのか。解ったものではないからな。非常に高価な物になる可能性もあるんだよなあ。
もうすぐ秋だ。そうしたら収穫が始まる。商人たちも忙しくなるんだよな。今年の税収もしっかりと期待できる位には麦も育っている。割合ではないから、買い取る麦も多くなるだろうが、それは仕方がない。制度がそういう風になっているんだから、こちらではどうしようもない事なんだよ。変えようにも本家の許可が必要だ。それをしてまで税を集めたいのかと言われたら違うからな。手元に残しておいてもらっても良いのだ。税は最低限で良いんだよ。




