冬の魔物村に到着
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翌日、冬装備にヘルメットを被って定期便を待っている。朝早くに荷物が届き、商人の誰かが報告書を届けてくれることになっている。が、今日は商人たちと同じく定期便を待っている。これに乗っていくのが一番手っ取り早いからな。自分で歩いていくとなると、時間がかかり過ぎるんだ。何が起きているのかは知らないが、解決するなら早い方が良い。何気ない事なのかもしれないし、異常でもなんでもないかもしれない。だが、気になった以上は確認をしておかないといけないだろう。……最悪はダンジョンコアを連れて行ってなんとかしないといけない事態になるかもしれないんだ。今回は偵察として動く。明らかな異常であるとも限らないからな。それに、その時にダンジョンが戦争を仕掛けられたら話にもならない。ダンジョンを使わないでも解決出来る様に考えておかないといけないんだよ。……今までが頼り過ぎていたとも言えるんだがな。
「これはこれはマクシミル様。今日はまたフル装備ですな。何かありましたかな?」
「レッタニンか。何、ここの所雹が多かっただろう? それで北の森に異変が起きているのではないかと思ってな。魔物たちからの報告を疑う訳では無いが、調査は必要だろうとな」
「……そういえば今年は多いですな。何か悪い知らせですか?」
「いや、それがよく解らん。前回のように雪が大量に降っているならともかく、多少雹の頻度が増えているだけだからな。確実に異常だとは言えんのだ。良い知らせなのかも悪い知らせなのかも解らん。出来ればいい知らせであって欲しいとは思うが、そう簡単に済む話なのかと言う事もある。一応は偵察を兼ねて動く。出来れば解決したいが、出来ない可能性もある。出来なかった場合は、本腰を入れないといけないだろうが、今はまだその時ではない。まずは様子見からだ」
「そうですかそうですか。ぐふふふふふ、出来ればいい知らせがあると嬉しいですなぁ」
「そう簡単にいくものか。こういうものは運だ。今冬が偶々そういう事だったという事も十分にあり得る。期待はするな」
具体的に何かが起きているとは言いようがないんだ。偶々かもしれないし、そうではないかもしれない。未確定情報が多すぎるんだよな。原因はあるのかどうか。今冬が偶々こうだっただけという可能性もあるからな。明確な異変でない限りは、緊急事態とも言いにくい。ただ、今年の雹の頻度は、例年に比べると異常な回数だと言う事なだけなんだよ。雪と雹。似たようで違うものだからな。気候が一気に変わっている訳では無いのであれば、もしかしたら何か異常があるかもしれないくらいの感覚なんだよ。
「きたか。今日の報告書も届けておいてくれ。俺はこれに乗って移動する。商品は皆で分け合うんだぞ? 解っているな?」
「勿論ですとも。この町の商会は全てが仲間ですからな」
そういって商品を仲良く卸している姿を見ると、本当に仲間割れを起こさずやれているようだ。そもそも仲間割れをするような地域ではないからな。競争だけが商売ではない。時には組むことも必要だ。そして、同盟も必要なんだよ。連携することは悪い事ではない。得意分野を活かす方向に進められればいいが、こんな雪国では分野はそこまで広くはないし、買い物する場所も1か所である方が望ましい。専門分野に尖っている方が良いものが出来るかもしれないが、それでは生き残るのには不都合なんだ。生き残るためには不都合でもやらなければいけないこともある。例え利益を削ると解っていてもだ。利益よりも商会を存続させる方が大切なんだ。商会が潰れれば、多くの人が路頭に迷う事になる。それでは誰も幸せにならない。多すぎれば淘汰されるべきなんだろうが、6つではそもそも少ない。協力するのがいいだろう。
そして、何の異常も無く魔物村に到達してしまった。ここもいつも通りだ。雪が降っているだけで、普通の魔物村だ。何か問題が起きている訳でもない。問題が起きていたら直ぐに解るだろうからな。魔物たちが殺気立つだろうし、そうでなくてもざわついたりしているはずだ。何も無いという事は、本当に異常らしき異常は無いんだな。一応、メルカバにも確認は取るが。
『やあ、珍しいね。冬の間に来るなんて。何か変わったことでもあったの?』
「そうか、そっちでは把握していないか。実はな、今年は雹が多いんだ。天気に関しても記録を取っているからな。異常があるのかもしれないと思って来てみたんだが、こっちでは何も無いのか?」
『いや、そもそも僕は外に出られないからね? 雹って氷が空から降ってくるんでしょ? それがいつもよりも多いと、何か変わったりしてくる訳?』
「いや、何も変わらないと思う。思うが、異常の可能性もある。スノードラゴンの時のような何かが起きている場合もあるだろう? それの調査に行くんだよ。まあ、今回はメルカバたちの事はなるべく使わないで解決しようとは思っているんだけどな」
『ん? それは珍しいね。いつもならサブのコアを持っていくって言うんじゃないかなって思ったんだけど……。ああ、そうかそうか。前回とは勝手が違うもんね。戦争を仕掛けられたら強制的にコアも戻って来ちゃうのか。すっかり忘れてたよ。となると、結構な軍で動くの?』
「いや、偵察だけにするつもりだ。ニブルヘイムを20体連れていく。だから出してもらう必要はないとは思う。もっとも、それは偵察だけの事になるとは思うが」
『異常があったらそっちに対応しないといけないもんね。了解したよ。こっちは動ける体制を作っておけばいいかな? まあ、いつも通りの事なんだけど』
「ああ、いざとなったら頼らせてもらう。最悪の事態であれば、1度戦争を吹っ掛けて、停戦をしてから仕掛ける。30日間もあれば、なんとかなるだろう」
『あー。なるほどねえ。そんな手もあったのか。1日で停戦して30日間丸々使えるようにする方法もあるんだね。なるほどなあ。それは考えてなかった。あれ? そっちの方が安全なんじゃない?』
「向こうが快く停戦を受け入れてくれたらの話だがな。まあ、何処かのダンジョンコアと共謀して、攻められない様にする事も出来るだろう。生き残りたければそういう方法も有りだと言う事だ。まあ、やり取りが限られているダンジョンコアでは難しいかもしれないがな」
『うーん。まあ、なんとか考えてみるよ。比較的温厚な所があるから、そこなら提案を請けてくれそうだしね。そっかそっか。そういう方法で守るのも有りなんだね』
「抜け道みたいなものだがな。2つのコアが無ければ取れない手段だ。最終的には相手側が焦れて戦争の早押しみたいな感じになるだろうが。暫くであれば、この方法を使えば2つのコアは無事で済むようになる。検討してみても良いと思うぞ。別に戦争を吹っ掛けるのにはダンジョンポイントは使わないでも済むんだろう?」
『まあね。となると、話が出来そうなダンジョンコアを選ばないといけないんだよなあ。困っているダンジョンコアも居るから、そっちとはしない方向で考えるとして、停戦でゆっくりとダンジョンポイントを稼いで行けば良いか。そうなると、こっちも忙しくは無くなるし、急に戦争を仕掛けられて困ることも無いだろうしね』
「やるなら1つの所とだけだぞ? バレたら絶対に叩き潰そうとしてくるからな」
『勿論だよ。秘密は知っているのが少ない方が有利だしね。それじゃあ、提案を請けてくれそうなダンジョンコアに宣戦しようかな?』
「そうしておけ。ちゃんと停戦を申し込むときに事情を説明して共謀相手を納得させるんだぞ? 上手くいけば、両方ともに戦力の拡充が出来るんだから」
そういう事も出来ると言うだけなんだけどな。面倒な戦争を回避したいのであれば有効な手段だ。停戦したら暫くは戦争が出来ない仕組みを使って居る分、他のダンジョンコアには嫌われそうではあるが。まあ、勝てば関係ないからな。




