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交渉は決裂、では軍部の方で

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 さて、どうなるだろうな。今日で色々と話が纏まると良いんだが。纏まらない可能性もある。上がどうしようもない可能性もあるからな。宰相が来ることはないと思う。そこまでの格がない。外交関係の人が来てくれれば御の字と言った感じなんだが、それだと内政畑の人に話が行くかどうかだな。いかなかったらこの国に未来はないと思う。アイスクローブ王国にすりつぶされて終わるだろう。


「お待たせした。本日は用があるとの事だったが?」


「ああ、ゴールドレッド子爵家の町マセルの代官、マクシミル=ゴールドレッドだ。今日は時間を作っていただき感謝をしている。まずは、私がミッテルディア王国との取引をして居る件について、特に何も言っては来ていないが、問題ないのかを確認したい」


 普通に切り出すのはちょっとな。本題に入る前に少しばかり話を聞いてくれるかどうかの確認をしなければならない。なんというか、こういうのは順序があるんだよ。本題は後。どうでもいい話から色々と聞かなければならないという事もあるんだ。まあ、本題が本題であれば、いきなりという事もあり得るんだが。


「塩の貿易か。それについてはこちらも把握している。デイルート侯爵家では無理だろうからな。アイスクローブ王国の中を通るのだ。色々と聞かれるし、嘘は付けない。その点に関してはミッテルディア王国からも感謝を伝えられていた」


「そうか。それなら良かった。今後も続けていきたいと思っているんだが、それもよろしいか?」


「問題ない。続けてくれて結構。それで? その様な事で呼び出したので?」


「いや、本題はこちらだ。これを見て欲しい」


「ふん? ……ユニークスキルとギフトに関してか。それがどうかしたのか?」


「王都ではどの程度を把握しているのかと思って書きだしてきた。これ以上に把握をしているのであれば情報を出して欲しいと思うのだが」


「それは出来ん。王家の秘密にも関わることだ。そう易々と出すわけにはいかない」


「しかし、平民の分であれば出しても良いでしょう? 王家が特別なユニークスキルやギフトを持っている可能性はあるとは思っていたが、平民のユニークスキルやギフトは公開してしまっても良いと思うが?」


「はぁ……。この王都に平民がどれだけ居ると思っている? 個人個人のユニークスキルやギフトを把握している訳がないだろう? このリストは返す。それだけであるのであれば直ぐに王都を発つことだな。要件としてはそれだけなんだろう?」


「だが、平民のユニークスキルやギフトを把握しておかなければ――」


「くどい! 話はここまでだ。ではな。貿易を頑張る分には何も無い。しっかりとやるが良い」


 ……話にもならなかったな。さて、ここからどう動く? どうすれば良いかだな。内政に関しては宰相かその下の文官に話をしないと意味がない。だが、門前払いと来た。平民のユニークスキルやギフトを調べるだけ無駄だと思っている感じだな。無駄になる訳がないのに。まあ、貴族家の跡取りに成れなかった奴らが文官になっているケースが多いんだ。傲慢で自分よがりな所があってもおかしくはない。大方、仕事が増えるからと話を切り上げたんだろう。全く、無能にも程がある。


 自分が優秀だと言うつもりはない。俺よりも優秀な奴なら星の数ほどいるんだから。それこそユニークスキルやギフトで変わってくる。俺は拳でしか戦えない。それが剣で槍で斧で戦われたら負ける可能性が高いんだ。自分の才能についてはよく解っているつもりだ。……魔物が居なければ、ダンジョンコアをテイムできていなければ、普通の代官でしか無かったのだ。


「では、お引き取りを願いたい」


「そうは言うがな。こちらとしても話しておかなければならなかったんだ。知っているのとでは大きな差が生まれてくる。停戦が切れるまであと数年。それまで待てるかどうか……。そうだ。元帥閣下には会う事が出来ないか? その下の将校でも構わない。取り急ぎなんとか出来ないだろうか」


「予定を聞いてきます。このままお待ちいただいても?」


「ああ、このままの部屋で大丈夫か?」


「問題ありません。では」


 軍事関係の話にもなってくるからな。そっちにも話を通しておくべきだ。住民票を作るというのは内政に関わってくるからな。文官に話を持っていくべきだと思っていた。蹴られたのであれば、武官に話を持っていくまでだ。軍の強化にも繋がると言えば、なんとかしてもらえるかもしれない。ガチガチの住民票ではなくても、スカウトするときには役に立つだろうからな。軍の強化も必要になってくる。ユニークスキルやギフトの情報は役に立つはずだ。


 こっちも蹴られた場合、もうどうしようも無くなるんだけどな。軍の底上げは必要不可欠。数でどうにかなるものではない。いや、数が多い方が有利ではあるんだが、圧倒的な質の前には、100倍もの数を積み上げないと意味が無いのだ。そんな人口、この国には存在しない。であれば質で勝るしかないんだ。しかも、その質も同レベルにしかならないって可能性もあるんだけどな。アイスクローブ王国が知らないのかどうかなんだよ。知っていた場合、かなり不利になる。……いや、知っていても一部しか知らない可能性があるんだけどな。貴族しか知らないことは多くある。その可能性に賭けるしかないというのも哀しい話だ。


「しかし、元帥閣下に採用されれば、話は大きく変わってくる。国内で同じような動きをさせるだけでも違うからな。いや、王都軍だけでもそうなってくれれば御の字になるんだけど」


 地方貴族全部に普及させるのが無理でも、最低でも侯爵家まではそうであって欲しい。戦力を底上げできるんだから、しておく方が良いに決まっている。ここでも蹴られた場合、本気で魔物軍を強化しないと、次の戦争に勝てなくなる。時間は7年程度。直ぐに開戦になるのかは知らないが、まず間違いなく前回の雪辱を晴らすという大義名分で攻めてくるだろう。俺ならばそうする。タイガランド王国には滅んでもらった方がアイスクローブ王国にも利があるからな。


 甘味の事を言っている訳では無い。地理的な意味でもそうなのだ。タイガランド王国の北には国はない。つまり、何もしなくても良い場所が出来るんだ。国境を守る軍隊も必要ない。流石に魔物を倒すための軍隊は必要になるが、それでも負担の軽減にはなる。もの凄く利のある話だろうと思うぞ。内政を荒らされない地域があるだけでもかなりの優位に立てるし、隣国が少なくなるというのも大きな利益になる。手を出せない内政地は持っておくに越したことはない。


 話の通じる人であれば良いんだが。……将校も貴族家の誰かがやっているのが通例だ。帰属意識が高いため、文官よりも話が通じない可能性もあるんだが……。それは来てみてからの話になる。どう言った方向に話が進んでいくのかは解らない。ただ、何もしないでも良いのかと言われたら違うだろう。出来ることはやっておくべきだ。こうやって少しでも耳に入れておけば、戦力の底上げに成功するだろう。訓練次第では、アイスクローブ王国に勝てる場所も出てくると思われる。積極的に動けば、アイスクローブ王国からも探りを入れられるかもしれない。だが、それに怯えていては駄目だ。勝つ確率は上げておくに限るんだ。


 そして待っていると、バン! と大きな音で扉が開いた。


「俺がこの国の元帥のフェルナンド=ベルリエール・グランデリアル・ロートロイデン=メルデアリア・ゲバーデイン=スレドリッドだ。話をしたいと言った奴はどいつだ?」

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― 新着の感想 ―
元帥名前長いなあ。寿限無みたいに名前を呼んでるだけで時間潰しそう。
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