初手詰みですか?
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
これ、詰んでないかな。今は自国であるタイガランド王国の歴史と、自分の家であるゴールドレッド子爵家の地理なんかを勉強している訳なんだが、どう考えても駄目だよなあ。これ以上は発展できないし、発展しようと思うと南の国、アイスクローブ王国を攻めないといけない。単純な面積だけで考えても3倍。国力は10倍程度の差があるとなっている。東は海、西は山脈、北は麦が育たないくらいに寒い土地。どう考えても詰んでいる。よくもまあ攻め滅ぼされないなって感じだよ。
南の国境には侯爵家が3つ張り付いており、常に小競り合いをしているらしいけど、向こうの国が本気で攻めてきたら負ける未来しか見えないんだよ。放置されているってよく解る。だって、こんな極寒地帯を欲するのかって言われたら、要らないよな。普通に考えて。
ゴールドレッド子爵家の場所は北北西方向にある。つまりは北限地帯。麦が育つ限界までを開拓して作られた家なんだ。それ以北も開拓は出来なくはないんだけど、麦が育たない。人口を支えることが出来ない。そんな場所にある。完全に詰んでいるとしか言えない。何でこんな変な世界に転生してしまったのか。
俺は転生者だ。よくある話ではあるが、自分がそうなるとは思っていなかった。いや、漫画だとよくある話でさ。結構人気のジャンルだったんだ。転生して無双をするってのが。爽快感があって、色々とチートを貰ってさ。まあ、俺にはそんなものが無かったわけなんだけど。いや、一応はチートらしきものは貰ったんだけど、聞いてみると1人に2つはチートが貰えるらしいんだよ。この世界、どうなってんの? チートをばら撒くとかどう説明したら良いんだよ。
この世界にはスキルがある。魔法もある。そして、チートなんだけど、ユニークスキルとギフトってのが1人1人に配られるんだ。当然俺も配られている。……まあ、ハズレって言った方が正しいのかもしれないけどな。ギフトは「魔の心」、ユニークスキルは「拳真」を貰った。親曰く、そこまで強い訳では無いらしい。
まずはギフト「魔の心」。これは魔物と意思疎通ができる程度のものなんだ。これがあると、テイムが比較的簡単に出来るらしい。そんな訳で、テイムのスキルを覚えさせられた。普通のスキルは才能にも因るんだが、比較的簡単に入手が可能となる。……簡単に入手できなければ覚えられないという事である。これでテイムが覚えられなければ、ギフトが腐る所だったんだ。ゴミにはならないで済んだって事なんだよ。
そしてユニークスキル「拳真」。これも過去に例があるらしく、拳で戦う事で強化される感じらしい。強化の強さはかなりのものらしいんだけど、そもそも貴族としては、剣術を修めないといけないってしきたりがあるらしいんだよな。拳で戦う事なんてないらしい。……つまりはこっちは腐ったって事なんだよ。一般人であれば強いユニークスキルなんだろうが、貴族としては落第。つまりはそんな感じである。どうしろと? ああ、因みに、剣術のスキルは覚えられなかった。これで貴族の跡取り路線は完全に消えてなくなってしまった。まあ3男だし、その辺はどうでもいいんだけど。誰が好んで貴族家の当主なんてやるかよ。
それでも貴族の端くれ。何処かの町を任されることになるんだけどな。その為の勉強である。だから色々と教わるし、スキルも教えられるんだよ。魔法もスキルの内だ。よって全属性を試したわけなんだけど、……汎用属性は覚えられなかったんだよな。代わりに死霊魔法を覚えたんだけど。
死霊魔法は簡単だ。アンデッドを作り操る魔法だ。……これには魔の心も関係してくるらしいんだけど、死霊の言いたいことが解るって言うのか? 別にそんな事を解ってどうするんだよって感じなんだけどな。まあ、使えないことは無いんじゃないの? 問題があるとすれば、貴族としてはどうなんだって所はあるんだけどさ。華々しいのが貴族だろ? 俺のスキル構成は泥沼よりも酷いと思うんだけど。
しかも、色々と試した結果、テイムと死霊魔法以外のスキルを覚えられなかったんだから質が悪い。存在価値が殆どないのと変わらないんだけど。どうしてこうなった。転生したら、普通は強チートを貰って無双をするのが普通じゃないのか? 完全に不遇枠なんだけど。ここまで不遇だと逆に清々しくもあるけどな。ここからどう挽回してやろうかって思うよな。出来る気がしないんだけどな。どう頑張ったら逆転できると思う? 普通にやっても無理だと思う。
普通じゃなければ何とかなると言う事なんだけどな。普通にする必要はない。貴族家の3男という立場ではあるが、終わっている国の貴族なんてやる意味がないよな。平民になりたいとは思わないが、何処か適当な領地を貰って、そこで力を蓄える方がいい。そうなってくると、色々と出来ることが増えてくると思うんだよ。地理的な事もあるが、国土の50%は森だ。平地ではあるんだけど、50%が森、40%が農地、10%が居住区って感じなんだよ。でも、それだけだと足りない。俺が確実に力をつけるためには、もっと魔物に近い方が良い。という事で、行くなら麦の北限。それ以北を何とかして利用するという事で強みを生かしていかないといけないと思うんだよ。そんな事が出来るのかは知らないけどな。何とかして見せないといけないだろう。
となると、将来赴任する町の厳選も行わないといけない。……まあ、大して変わらないんだけどな。色々と終わっている国だからな。世界組織としての冒険者ギルドもあったり無かったりするし。こんな所、完全に左遷された土地なんだよ。そもそも冒険者の数も少ないし、儲けなんて殆どないに等しいからな。唯一良い事があるとすれば、採取系の依頼は熟しやすいと言う事なんだ。魔物の討伐依頼もあるにはあるが、そもそも多い訳でもないからな。冒険者も町に100人居れば多い方だ。殆どが地元のアウトローたちの溜まり場って感じになっているんだから。
それでも居ないよりは居てくれた方がマシなので、税金を使って冒険者ギルドの運営を助けたりもしている。ここで得られた素材を他の土地で加工し、また別の地域で使うといった事になっているはずだ。出来れば国内で運用して欲しいが、それは冒険者ギルドが決める事だからな。俺達が介入できることは少ない。金を出して素材を買うのであれば話は変わって来るんだろうけども。
魔物に特化したギフトになっているんだから、魔物を使いたいって思いはある。どうやって運用していくのがベストなのかを考える必要がある。……幸いなことに、まだ俺には時間がある。成人である15歳までは実家においてくれるはずだからな。今はしっかりと勉強をして、いずれここから出ていかないといけない時に、その町を治める代官として出向く時に、いい場所を考えておかないといけない。そこでハズレを引く訳にはいかないからな。俺の人生がかかっているんだから。
今はひたすら勉強をするべきだ。まだ選択の時ではない。まだ選ぶ時間はあるはずなんだ。だからその時までには材料を探しておかないといけない。好材料ばかりの町なんてあるはずがない。何処を選んでも苦しい局面に立たされるんだ。それなら俺にとって都合のいい方がいいだろう。こんな状況に追い込まれているのに笑えるってのは、転生っていう面白い状況にあるからなんだろうな。絶望よりも楽しんだ方が勝つともいうし、精々足掻いて見せる。