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ep47.強力な助っ人『公爵視点』

馬のスピードを上げれば着いて来れるか多少不安だったものの、そんな心配は不要のようで、しっかり着いてきた。

流石はソフィアを守るために鍛え上げた男達だ。


今はまだ冷静でいられるが、これがリアムとルイスがいなければとんでもない形相で馬を走らせていたことだろう。

本当にこの2人がいて良かったとつくづく思った。


◇◇◇


伯爵家に着くと、すぐさまソフィアの義父の元に向かった。

おそらく、この時の俺たちはすごい威圧感を醸し出していたのだろう。伯爵家の使用人が怯えた様子でこちらを伺っていたから。


すると、1人の執事がこちらに来た。


「ようこそお越しくださいました。サリバン公爵様。本日は旦那様から何も聞いていないのですが、連絡は取られましたか?」


冷静に対応してくれる執事のおかげか、少しずつ伯爵家の使用人の警戒が解けていったのが分かった。


「いや、連絡はしていない。急な訪問ですまないが、伯爵を呼んでくれるか。聞きたいことがある。」


「かしこまりました。では、応接間へご案内しますのでこちらへ。」


執事に着いていき、伯爵が来るのを待っていると、思ったよりも早く来た。

まずは謝罪をと、俺とリアム、ルイスは伯爵が来た瞬間に立って頭を下げた。


「急な訪問をしてしまってすまない。少しだけ時間をもらえるだろうか。」


俺はソフィアのこととなるとどんなことでも出来てしまうらしい。


世間では英雄という良い評判の傍、悪魔、冷徹などと言われている俺が頭を下げるなど、ソフィアと出会う前の俺では考えられない行動だった。


「頭を上げてください。どのような御用なのかお聞かせ願えますか?」


頭を上げると、俺の前にいる伯爵は疲労が溜まっているように見えた。

おそらくこの男も、夫人には色々と手を焼いているのだろう。


「ソフィアが誘拐された…。」


「…?!それは本当ですか…!」


「絶対とは言えないが、ほぼ確実と言っていいだろう…。」


「…それで、私に聞きたいこととは何でしょうか」


伯爵は誰が誘拐したのかを知らない様子で話している。


"伯爵は白だな"


この様子だと、伯爵は夫人のしようとしていることを知らない。

誰がソフィアを誘拐したかを言ってしまおうか言わないでおこうかと迷っていると、リアムが「発言しても宜しいでしょうか」と言ってきたので許可した。


「ありがとうございます。…義父上、ソフィは義母上に誘拐された可能性があります。」


「…!」


「お願いします。義母上が今どこに行っているのか教えて頂けませんか」


リアムが頭を下げてお願いした。それに続いて、俺もルイスも頭を下げる。

伯爵には「やめてください」と言われたので俺たちは顔を上げた。


「娘のことなのに頭を下げられるのは私としても不快です。正直なところ、あまり夫人に情はありません。」


俺は意外に思った。


ソフィアの手紙の件に関しても、夫人が悪者にならないよう庇うためだと思っていた。


しかし、そうではないようだ。


「どちらかと言えばソフィアを守ってやれなかったことへの申し訳なさの方が大きい。…夫人は今日別邸に行くと言っていました。なのでそちらにいる可能性が高いかと。」


思いの外あっさりと夫人の場所を聞けたことに驚いた。

ここで伯爵が言わないと言うのであれば、お金でもなんでも使って聞き出すつもりでいたから。


「協力ありがとう。伯爵がいなければ俺たちはソフィアを見つけることが出来なかっただろうからな。では見つけ次第連絡する」


「っお待ちください…!」


「…何だ?報酬は弾ませてもらうが」


「そうではなくっ」


伯爵の言葉や顔はどこか焦っているように見えた。


「私も、ソフィアを連れ戻すのに同行させて頂きたいのです。」


俺が反応するより先に、ルイスからドキを孕んだ言葉が投げかけられた。


「…今更ですか、義父上。」


一見冷静を装っているが、その内側は怒りの感情でいっぱいなのだろう。


「…分かっている。俺は夫人からソフィアを守れなかった。…だがもうそれも終わりだ。誘拐は家族の問題として片付けられることではない。夫人の悪行を見過ごすのももう終わりだ。」


「………」


ルイスが黙ってしまったところで、俺は口を開いた。


「伯爵。同行を許可する。」


「っありがとうございます」


「礼はいらん。さっさと用意してこい。」


一刻も早くソフィアを見つけ出さないといけない中、家族同士の会話に耳を傾けている暇はない。

ルイスもそれを分かって黙ってしまったのだろう。

伯爵は言われた通り用意をすぐに済ませて玄関ホールまで戻ってきた。


「別邸までは私が案内致します。移動方法は?」


「馬できた。伯爵は乗れるか」


「もちろんですとも。では参りましょう」


これでようやく、ソフィアを助け出せる準備が整った。ソフィアから聞いた義母はまともな人ではないようだ。


俺は強く願った。


"頼む…生きていてくれ……!"


最後まで読んで頂きありがとうございました!

次話も見てくださると嬉しいです!

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