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初。  作者: 高瀬香澄
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初。【3】「私の最初の記憶」

私はある出来事によって自己肯定感が低い。

幼い頃の一番、古い記憶。


その日はとても晴れた日で、

幼い私は三輪車に乗って近所の公園に向かっていた。

そして公園へ行く途中で、私は実の姉からいじめをうけた。


姉は小学校に上がったばかりで、

私の知らない年上のお姉さんと一緒に居た。


二人の目の前を通り過ぎようとした時、

突然、お姉さんに声をかけられた。


「醜い」「不細工」「気持ち悪い」


私は生まれて初めて聞く言葉に、意味がよく理解出来なかった。


三輪車の前カゴに入れていたおもちゃをお姉さんに取り上げられ、

私は「なんでとるの?返して!」と叫んだ。

姉がにやにやしながらお姉さんと一緒に「返してあげない!」「黙れ不細工!」

私のお気に入りのおもちゃは何度も道路に叩きつけられ壊れされた。


なんで、姉がお姉さんと一緒に自分のおもちゃを壊したのか、

私はなんでいじめられたのかぐるぐる考えながら家に帰った。


家で内職の仕事をしている母に、

「姉におもちゃを壊された。」と、だけ伝えた。

母は内職の手を止めず私に背中を向けたまま、

「姉が帰ってきたらに聞いてみる。」と、忙しそうに答えた。


結局、姉は母に「そんなことしてないよ。」と、嘘をついた。

母は私に「お姉ちゃんしてないって。」と、だけ伝えてすぐ、内職作業に戻った。


私は小学生になった時、

姉とお姉さんに言われた言葉の意味を知った。


姉は昔から顔立ちが整っていてよく注目を集めていた。

妹の私は、家族の誰とも顔が似てなくて、

周囲の大人にも「お姉ちゃんと本当に顔が似てないね」と、

幼稚園で言われ、顔がとてもコンプレックスになっていた。


小学生の頃になると、

頻繁に、姉とお姉さんに言われたことを思い出し、

「私の外見は、誰から見ても可愛くない。」

「自分は、醜くて、不細工で、気持ち悪いんだ。」

『自分は全く可愛くない』そういう風に思うようになった。


そして、この出来事によって私は自分の性別が分からなくなっていった。

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