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第六話 呪いの対象の運命の出会いを阻止した件について

呪っているようで呪っていない、ちょっと呪っている夜魅子よみこの呪い。

今度は日英はるひでの出会いを阻止するようですが……?


どうぞお楽しみください。

 あぁ〜!

 正面だけじゃなくて横顔も後ろ姿も素敵〜!

 幽霊で良かった!

 こうして歩く日英はるひでさんの顔の周りを回りながら、その顔を三百六十度楽しめるんだから!

 はっ!

 これって地球と月の関係みたい……!

 いえ、日英さんの顔は太陽にも等しい……!

 つまり私は惑星で、日英さんは太陽……!

 私達の愛は宇宙規模……!?


「やめろー! 命を粗末にするなー!」


 何よ!

 人が宇宙規模の愛に浸っている時に!


「わ……! 大変だ……!」


 日英さんが向けた視線の先には川、橋、その欄干を乗り越えて立つ女。


「止めないでー! 彼氏にフラれてもう生きる気力なんかないんだからー!」


 叫ぶ女の周りには人だかり。

 あぁ、近付いたら飛び込みそうだから手が出せないのね。

 でも死ぬ死ぬ言いながら飛び込まないところを見ると、かまってちゃんみたいね。

 こんな人通りの多い夕方に、人目に付く橋の上で大声上げてるんだし、しばらくしたら戻るんじゃないかしら。


「大変だ……! 何とか助けられないかな……!」


 日英さんの優しさがとどまるところを知らない!

 あぁ、だから好き!

 そうじゃなくても好きだけど!

 ……!

 ちょっと待って!

 男にフラれて大騒ぎしているあの女と、心優しい天使のような日英さんが出会ったら……!


『大丈夫かい?』

『あぁ、私がフラれたのは貴方に出会うためだったのね……!』

『いや、僕には夜魅子よみこさんという心に決めた女性が……!』

『なら死んでやるわ! 嫌ならその女と別れて私と付き合って!』

『……人の命には替えられない……! ごめん、夜魅子……』


 許さないいいぃぃぃ!

 そんなの絶対に許さないいいぃぃぃ!

 あの女の下に行って……!


「来ないでー! もう絶対死んでやるんだからー! そして来世でイケメンハーレムに」

『フザケルナ……』

「え……?」


 どこにも落ちれないように、川全体に身体を広げて……!


『死ネバ楽ニナレルトデモ思ッテイルノカ……?』

「ひっ……!」

『死ンダ先ニ救イナドナイ……!』


 まぁ私には日英さんがいたけど。


「ひぎゃあああぁぁぁ! ごめんなさいごめんなさい! もう死にたいなんて言いません! だから来ないで許してぇ!」


 あ、すごい勢いで欄干の内側に戻った。

 これでよし。

 さ、日英さんのところに戻ろう。


「あぁ、良かった。死ぬのやめたみたいだ」


 安心した顔でにこっと笑う日英さん最高!

 ……あの失恋女に見せたらイチコロだったわね。

 危ない危ない……。




「川の中に女の顔……! 怖かった……。あ、すみません、抱きついたりし、て……? い、イケメン……。あ、あの、震えが止まるまで、こうしていても……?」

読了ありがとうございます。


夜魅子の顔にビビった失恋女は、欄干を乗り越え偶然飛びついた野次馬の男性に一目惚れ。

男は男で(彼女)(いない)()(イコール)(年齢)だったので、その出会いに運命を感じます。

つまり二人は幸せ(血涙)。


次回もよろしくお願いいたします。

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