お昼休みの大物さわぎ
釣れたアジを一匹泳がせ釣りにして、僕たちはお昼ご飯の時間。
今日のお昼ご飯はケイちゃんが付いてきてるのでお弁当だけど、ちょっと豪華。
「あ、トンカツ」
「冷えてもおいしいように少し薄目のお肉で下味を濃くしてるニャ」
「あ、おにぎり」
「塩分多めニャ」
「汗かいてるから助かるよ」
「水分も沢山摂ってね」
「それにしてもまだ日が高いからかな 釣れなかったね」
「オキアミ撒いたら来たのにね」
「アミエビとかイワシミンチだとカラーが変わるのかな」
「変わるかもね」
「お客さん乗せるときは撒き餌を撒いてからアジングしてもらったほうがいいかなぁ」
「お客さんが撒くのが面倒だからね」
「アジ釣りの人と一緒にだといいのかしらね」
「釣れる数に差がでるだろうけど楽しみの人とガチ釣りの人といるだろうからね」
「難しいものね」
「あとこれから夕方になって暗くなるとわからないよね」
「それはそうね」
「ケイちゃんは 今日は夜遅くていいの?」
「大丈夫ニャ!」
僕たちはしばらく休んで夕まずめ以降にまたチャレンジすることにした。
「じゃ お昼寝ニャー」
泳がせ釣りの竿は微妙に動いているのでまだアジはちゃんと元気に泳いでるっぽい。
僕たちは横になってちょっと一休み。
小一時間ほどうとうとして、メグとケイちゃんもさっきまで寝てたけど、寝てるのも飽きたのか起きてた。
「そろそろ移動しようか」
「うん」
「あ、竿」
「そうだね」
置き竿を上げようとしたら 糸がたるんでたので一度底まで落として、ベイルを返して巻き上げようとした瞬間、ガツンと引きが。
「根掛かりかな?」と思ったらさらにぎゅわーんと竿が曲がり「じゃーっ」ドラグが出る。
ん?フォールに食った?
僕は一度アワセを入れて巻き上げる。
根に入られないように一気に巻いていると結構走る。
「青物かな?」
「サメじゃない?」
「サメかぁ」
ぎゅるぎゅるとPEラインが鳴りながら巻き上げる。
ぎゃっぎゃっとドラグも出る。
ポンピングしながら上げてくると、なんだろう ひらべったい?
「ヒラメね」
なんと座布団サイズのヒラメだった。
「わー おいしそうニャ」
ケイちゃんは食べることしか考えてない。
「はい いいよ」
メグはタモを準備してくれた。
リーダーを掴んでヒラメを寄せてタモに入れる。
「わーありがとう」
「でっかいニャ」
60センチくらいはありそうなヒラメ。
おなかの白さがまぶしい。
すでにケイちゃんは締めるためのナイフを持って待ち構えている。
針を外してケイちゃんに渡すと手早く締めて水を溜めた桶に突っ込む。
血抜きが終わるとケイちゃんは氷の中に放り込んだ。
「ふー これはいいニャ」