テンヤ真鯛 来たっ!
今度は色を白赤に変えて
また少し投げてカーブフォール気味に落として
と言っていたらすっと穂先のテンションに違和感。
少し竿を下げて、一呼吸おいて合わせてみる。
竿を後ろに引き上げる要領でガシッとかかったらしい。
すごい!かかった瞬間からドラグが鳴りやまない。
頭を振りながらガツンガツンと引き込むこの感じ、あきらかにマダイ。
メグは早々に仕掛けを上げて、タモを持って隣に来てくれた。
「わりと上のほうで食ってきたと思うんだけど」
「さっき上げるときについてきてたかな?」
「でも付け替える時間とかあったからね なにか他にベイトがいたとか?」
しっかりとドラグを設定しているから切れる心配が無いので無理が無い範囲で巻いている。
残り20メートルくらいになったところで、すっと力がなくなった。
「あれ?」と思っていたらメグが「大丈夫よ」
そのまま巻いていくと浮袋が口から出ているマダイがあがった。
上げてみると45センチの魚体。
「結構疲れるよね」
「だよね 電動リール欲しいよ」
「そういうの今度持ってきてよ」
そんな話をしながら 僕たちは取り込んだ鯛を見ながら座り込むと深呼吸をした。
「今日は もういいかな」
「そうね 釣り方がわかったし」
鯛を器用に手早く締めるメグ 氷に放り込んでいる。
「やっぱりせっかく釣ったら美味しく食べないとね」
マダイは本当は数日置いて熟成するほうがおいしいって言うけど 僕はこりこりした新しい鯛が好き。
なので帰ったらすぐにお刺身にしてもらおうかな。
「ケイちゃんが鯛めし作りたそうだったから半身と頭を入れてみよっか」
「お料理はケイちゃんに任せるよ」
余ったエビどうしようかなと思っていると、大丈夫よ撒いてあげたらオサカナさんが食べるから。
それに味を覚えたらもしかしたら次に釣れてくれるかも。
そんなものかなと思いつつパラパラと撒いた。
メグは探知魔法で魚影が近づいてくるのを感じてたらしい。
僕たちは早めの沖上がりにして船を走らせる。
本当はちょっといろんなところに寄って帰ろうかなと思っていたんだけどせっかくなのですぐに港に戻ることにしたんだ。
帰りは僕が港近くまで操船して帰ってみた、さすがに港の中はちょっと怖い。
地球ていうか日本と違って船の免許が必要なわけじゃないけどね。
メグが手を添えて、接岸させてくれる。
すーっと桟橋に寄っていく、この感じだとすごく簡単そうなのにきっとやると難しいんだろうなぁ。
なんて思ってるとあっという間に接岸。
すぐにメグが降りるので僕はロープを投げると手早く船を括り付けて戻ってきた。