タコエギ 釣り場までの総舵室
メグに手を添えてもらっての操舵
「少し右にして」
すっと右に舵を切ると船は右に方向を変える。
元に戻す。
岬を回ったところで次の岬に頭を合わせてみる。
「上手ね」
「車の運転ならできるからね」
「へぇ そういうのがあるんだ」
「似たようなものだよ」
スラロームのように左右に蛇行したりして結構楽しく過ごしていた。
「でも難しいのは接岸とかだよね」
「あら詳しいのね」
「一応動画とか見たから」
「動画?」
「船の操縦方法を説明した動画とかあるんだ」
「さすが異世界ね」
僕から見ればこっちが異世界だけどね
だんだん手の力が抜けてきて、操作もぎこちなくなくなってきた。
でも波はあるので 船が揺れるたびにメグのしなやかな体が触れてドキドキする。
「ふふっ」
「なに?」
「ふふふっ」
絶対メグは僕の反応を楽しんでるに違いない。
スレンダーだなーと思っていたけど意外とやわらかな
なんて思ってると
「ほらまっすぐ進んでないよ?」
「遠くを見ないと」
結構スパルタ。
跳ねると方向が狂うことがあるので目印が無いときはちゃんとコンパスを見てないとまっすぐ進まない。
「影の角度とか使うとかね」
「なるほどー」
そんなことを言いながら気持ちいい風が窓から吹き込んでくる。
メグと触れてるところが少し汗ばんでるけど どっちの汗なのかわからない。
シャツがちょっと湿ってる。
それよりもメグの体温が伝わってくるのがとってもドキドキしながらの操縦
「もう少し行ったら右に変針して?」
「はーい」
「すきなところでいいからね 90度」
「はーい」
右に左に繰り返して船の操縦を楽しんだ。
早めに出てきたのはこれが目的だったけど、思いのほか楽しい、もっと早く出ればよかった。
ずっとこうしてたいなと思っていたらメグが口を開く。
「そろそろ行こうか」
「楽しそうだから遠回りしてグルグルしてたの」
「うんそうだと思ったよ」
そんなことを言いながら、ずっと僕の操縦で釣り場まで誘導してくれて到着。
周りを見ながら釣り場所の当たりをつけて微調整するメグ。
手を触れながらの操船だからメグが密着してドキドキしていると
「このあたりかなぁ」メグが船をとめた。
さっそく船を流す準備、僕たちは竿先に作ったタコエギと飾りを取り付ける。
結構イロイロ持ってきた。
メグは白系 僕は黄色系でいってみることにした。
隣同士に立って 僕たちはタコエギをセットした竿を出す
結構深いのかと思ったけど25メートルくらいだって。
僕たちはつんつん小突いたりアピールを繰り返す。