チョイ投げキス
チョイ投げにチェンジする。
船に竿を取りに戻ったときに ついでに飲み物も持ってきた。
クーラーボックスに放り込んでおく。
キスは15匹くらい入ってる ビニール袋に入れて氷締めしてあるのだ。
僕たちはチョイ投げとはいえ7-80メートル投げたところでポツポツと釣れ続く。
シロギスは群れで移動しているから釣れなくなったらまた探り始める感じで釣ってる。
一方遠くに投げた投げ竿はまったく反応がない。
一度上げて、青イソメの房掛けにしてまた放り込む。 6色くらい飛んだ。
エサはたっぷり買ってあるから使わないと。
シロギスが増えてきたので僕らは少し針を大きくすることにした。
投げ釣り用の8号の針。
これだと小さなピンギスは釣れないだろうから大きなものだけ狙う作戦だ。
二本バリなのでイソメとジャリメをそれぞれの針に付けて釣ってどっちが釣れるか試してみる。
「ヒュッ」メグは竿をしならせて飛ばしている。
軽めのオモリだから加速度をつけて遠くに飛ばす作戦。
僕は竿にオモリを乗せる感じですごく軽そうに投げる、それでも竿の反発力を使って飛ばすから12時を過ぎたところから竿のしなりで飛んでいく感じ。
この楽だけど飛んでいく感じも気持ちいい。
針が大きくなった分 アタリはあるけどハリ掛かりは悪くなった。
「小さいのが多いのかな」
「数釣ったから今度は型が欲しいわよね」
そういってこまめにエサを新しくして二人で飛ばす。
20センチ以上のキスが数匹づつ釣れてる。
「そろそろおお昼休みにする?」
メグが聞いてきた。
「そうだね」
そういって僕は竿を上げて一度桟橋のほうに戻る。
戻るんだけど エサを付け替えてとりあえず海に入れておくのが貧乏性釣り師の性なんだな。
「じゃ 私も入れとく」
メグがまた ヒュッといい音で仕掛けを飛ばした。
空に浮かぶ雲が綺麗。
海水で手を洗って、僕らはちょっと早いお弁当の時間にする。
もうすぐお昼 陰になるところが無いけど、風が心地よくてさわやかな暑さだ。
「今日はおにぎりにしたよ?」
ソーセージとタマゴ焼き これは僕のリクエストだ。
「あとは適当に野菜とフルーツ持ってきた」
「メグ ありがとう」
「それにしても朝早くからお弁当作って、船の準備してタイヘンだったんじゃない?」
「大丈夫よ だって嬉しいじゃない?」
僕はちょっと照れちゃった。
そういえばここで、メグに抱き寄せられて 僕が告白したんだ。
「ここが思い出の場所になったね」
「ふふふ そうね」
メグが目を細めて笑う、その横顔を見ながら僕はおにぎりをほおばった。