またね!?
「なんか家族の夕食って感じで楽しいニャ」
「なによぅ」
ケイちゃんにからかわれるメグも楽しい。
一緒に食べて一緒に片付けて、暗くなってきたのでそろそろ帰る時間。
明日は仕事だなぁと思いながら僕は船宿の玄関に向かう。
振り返ってメグの方を見る。
ちょっと寂しそう と思うのは僕の欲目かな。
「またね メグ」
「うんっ!」
ガマンしようと思ったけど、メグをもう一度抱っこする。
メグも応じてくれる。
そしてまた
ケイちゃんがニヨニヨしている。
この玄関を抜けると地球に戻る。
メグからどう見えてるのかわからないけど。
僕は自宅に戻る。
少し経ってスマホの時間を念のため確認する、異世界を出た時間と同じ夕方だ。
僕は自宅の鍵を開けて、部屋に入り、今回の旅を思い出す。
そして、恥ずかしくなった僕。
メグについ告白しちゃったんだ。
イサキを冷蔵庫に そして荷物をしまって、着替えて布団に潜り込む。
イロイロあった週末 僕は興奮して寝られないと思っていたのに、いつのまにか寝ちゃってた。
翌朝
目を覚ます、すっかり明るい。
「え?」
「スマホを見る、8時過ぎてる」
「え? 遅刻じゃん? いやフレックスだから厳密には遅刻じゃないけど」
「なんでアラームならないんだ?」
スマホの時計を確認してみる。
「あ? え?」
日曜の朝。
昨日は 土曜日?
いやでも一泊したし いままでも。
何故だかわからないけど 一日ズレてる。
土日はアラームが鳴らない設定だから。
何が起こったかイマイチわからないけど 船宿に行こうかな。
いや、なんかダメな気がする。
でもメグに逢いたい。
そんな葛藤で なんとかガマンして おまけの日曜日を過ごす。
おちつこう
ご飯を炊いて、熟成イサキのお刺身。
皮をはいだのと半身は皮に焼き目を入れて、骨はお吸い物の出汁。
ちょっと早いお昼ご飯。
異世界は月曜? 日曜?次に土曜日に行ったら あっち日曜?
食べながらいろんなことを考える。
テレビをつけても日曜日の番組だ。
「こうなったら」
僕は冷蔵庫からビールを取り出し、昼間っから飲み始める。
「あまり深く考えるのはよそう」
もし逢えなくなったら そんな気持ちを忘れたくて。
ビールに白ワイン 日本酒と飲み続けていたら いつのまにか寝てた。
しかも寝ぼけながらも片付けているのが僕らしい。
目が覚めると月曜日の朝5時過ぎ、幸い二日酔いではないようだ、一度起きて水を飲む。
一週間 土曜日にメグに逢える。
次は何を釣りに行こうかな、それとも船デートかな。
アソコの海岸でキス釣りキャンプとかもいいかな。
そう思い続けて一週間仕事を耐えきった。
超遠距離恋愛。