あくる朝
ドキドキしながらも寝ちゃったようで
「おはよ!」
いきなりメグの顔で起きる朝。
「おはよう」
「結局泊ったのね」
「ケイちゃんが泊ってけって」
「ケイちゃんと話・・・したの?」
「あまりしてないよ」
「あのコ絶対面白がってるよね?」
「それだけメグのこと好きなんだよ」
「はい このタオル使って」
「ありがとう」
僕は顔を洗っていると、「朝ごはんとお風呂とどっち先にする?」とメグが聞いてきた。
この船宿は一日中入れるお風呂が自慢だからね。
「一緒に入らないニャ?」横からケイちゃんが口をはさむ。
「もういいから!」メグが怒る。
「今日はお姉ちゃんお休みニャ」
「そうなんだ」
「だれのためかにゃー?」
「こら!」
「今日は船大丈夫だったの?」
「予約少なかったから隣一隻にしてもらって もともとお休みのつもりだったから」
「どっか行ってくるといいにゃー」
「あたしお弁当 作るにゃ!」ケイちゃんが続ける。
「いや だったら私作るよ」メグが重ねる。
「お弁当作るから その間 お風呂に行ってきたら?」
メグが提案してくれたので「はぁい」と先にお風呂になった。
「ゆっくり入ってきてね」
僕はゆっくりと湯舟に浸かる。
異世界で釣り以外って初めてだな。
どこに行くというより 何があるのかな?
キス釣りで湾の奥に行ったくらいだもんな。
お風呂から上がると、メグとケイがなにやら言い合いしている。
「もうお姉ちゃん!」
「だって」
「恥ずかしがらないの!」
なんだろうと思って近づくと、メグが今日着ていく服でもめてるらしい。
メグはいつものパンツ姿だったのが、それじゃかわいくないと言っているケイちゃん。
「メグは何着ててもかわいいけど、せっかくだから着て見たら?」
「そういうところ!」メグとケイちゃんの声が重なる。
結局メグはケイちゃんのいうとおり、ワンピースの淡いブルーの服を着ていくことになった。
とっても似合っててすらっとしたシルエットがほんとにかわいい。
「うん これだニャ!」
「お弁当はブランチ用に軽めにしたから おなかすいてるでしょ早めに食べようね」
「お昼かおやつで こっちでなにか食べてくるといいニャ せっかくだからニャ」
たしかに異世界でお出かけってしたことないな。
こっちも日曜日、観光地は人が多いのかな。
「メグ、僕はこっちのことわからないからお願いね」
「まかせて」
「初デートニャ!」ケイちゃんが茶化す。
「もう!」メグが照れてる。
僕はメグの手をとって出かける。
玄関から出ると 僕だけ地球に戻っちゃうから、桟橋側の裏口から。
裏口からだと異世界の町に出られるのがなんとも不思議。
僕とメグは二人で異世界の町に繰り出した。