岬めぐり
「景色のいいところ 行こうか」
メグが言う。
「お楽しみに」
船を走らせる。 僕はまたメグの隣。
まどを開けて風が入るようにする。
振り向くと竿立ての竿が風に揺れてる。
メグをみると風にそよぐ髪と耳、そして綺麗な横顔。
しばらく走るとだんだん陸地が近づいてくる。
きれいな岬と灯台が遠くに見える。
草原が広がる岬の突端に白い灯台、手前には遠浅の海岸に白い砂浜。
その砂浜の端に寄せていくと小さな桟橋がある。
「ここよ」
桟橋に船を繋いで降り立つ。
だれもいない砂浜。
「ここ、船じゃないとなかなか来れないの」
後ろには十数メートルの崖 その上に灯台
遠くはギリギリまで丘がせり出していて海岸伝いには来にくいみたいだ。
いいでしょココ。
そう言ってメグは物置からベンチの椅子を取り出してきた。
「はい」
持てってことね
「お弁当は私が持っていくから」
船からぴょんと飛び降りる。
椅子を置いてメグのもってきた弁当を受け取る。
メグの手をとりメグが降り立つ。
「ありがと ふふふ」
荷物を持ってちょっと木陰になっているところに行くと風が気持ちいい。
椅子を置いて一緒に座る。
ベンチ式だから二人並んで。
「今日のお弁当 私が作ったのよ」
「そうなんだ 早く食べればよかった 言ってくれたら一番に食べたのに」
「釣れ続いてたし、マグロで慌ててたからね」
「はいどうぞ」
メグが開けてくれたお弁当 とってもおいしそうなサンドイッチ。
そしておにぎり。
「どっちがいいかわかんかかったから両方作ったの」
「あと、冷たいお茶」
「ありがとう いただくよ」
「いただきまーす」
「うん おいしい」
おにぎりから食べる 塩味が絶妙でおいしい。
次はサンドイッチ
「じゃこっちね」サンドイッチを掴んで食べる。
こっちもおいしい、しかも冷たい。
「クーラーボックスに入れてたのよ」
冷えたレタスとトマトでこれまた運動後にぴったり。
「じゃ わたしも」
僕たちはメグの作ったお弁当をゆっくりと食べた。
さーっと風が駆け抜けて波の音と合わさってとても気持ちいい午後。
「ごちそうさま」
「おいしかった?」
「うん ありがとう おいしかった」
メグがちょっと照れながら笑顔になった。
その笑顔がとってもかわいくて。
こぽこぽとお茶をコップに入れてくれるメグ
「はい、お茶」
「ありがとう、すごくおいしかった」
ごそごそと二人で片付ける。
「あっち側の端っこまで行ってみたい」僕はメグを誘う。
メグに手を差し出すとメグは僕の手を取ってくれた。
一緒に手を繋いで砂浜を歩いて行く。
振り返ると白い灯台が見える。