今度のドラグは何!?
メグの竿 置き竿になってた竿がしなる。
竿を持ち、少しドラグを締めてアワセを入れるメグ。
「ジャっ」一瞬ドラグが鳴る。
「ノッたかな? うんノッてる!」
メグが巻き上げる、ポンピングしながら慎重に上げてくる。
僕は急いで釣れたイサキを桶に入れてタモを空ける。
メグの隣に立ってタモを入れる準備。
「なにかなぁ 重いし叩くし」
言ったとたんにぐぐぐっと竿がしなる、走る感じじゃない。
「マダイかなぁ」
「そうね」
すこしづつ巻いていく、巻けないほどではなさそう、きゅきゅきゅっとPEラインを巻き取る音が響く。
あと数メートルくらいになったかな
「あ」メグが声をあげる
「ん? 外れた?」
「いや多分大丈夫」
テンビンを掴むメグ
「ほらあそこ」
浮袋を口から出して浮いてきたのは30センチくらいのマダイ 綺麗なピンク色だ。
「アミでも来るんだ」
タモを準備する僕にメグが声をかける
「タモお願いね」
ハリスを引き寄せるメグ
僕はタモで鯛を掬った。
「マダイも来たね」
「置き竿が良かったのかもね」
「そうかも殺気なくなるからね」
針を外して桶の中のイサキとマダイを一緒に締める。
すぐに氷に投入するメグ。
「さぁ どんどん行っちゃう!?」メグが元気に言った。
「うん」 僕はあらためてコマセを詰めて、投入。
少し遅れてメグがしかけを入れる。
コマセを振る 撒く 止める 巻く 止める
コマセ釣りは淡々と同じことを繰り返すのみ。
カゴが空になったタイミングで少し待ったら回収して詰め替えて繰り返す。
くくっと感触があるか穂先をチェックしていると違和感を感じたら合わせる感じかな。
数回に一回の割合で釣れ続くなか、メグといろいろお話をする余裕が出てきた。
「そういえばメグの探知魔法は魚種まではわからないの?」
「サイズはだいたいわかるけどねー」
「へー」
「でも使える人も釣りのときには使わないみたいよ 面白くないから」
「そりゃそうか」
船をその場に留めておくのも魔法を使えばすぐだけど、「メグは釣りながらだとムリ」 だって
「そんなの魔法使いレベルよ」だそうな。
いるんだ 魔法使い。
そんな話をしながら、全部で30尾くらいになったかな。
追い食いさせようと欲張るとバラすことも多かったけど。
「いっぱい釣れたね」
「地球だと何十か釣ったらそれ以上は釣らせないところもあるんだよ」
「そんなにたくさん釣れるのね」
「でも僕はそんなに釣ったことはないな さすがに 釣れても食べきれないし」
「んーそっかぁ」
「釣ったら食べる主義だからね」
「今日もたくさん食べられるね」
「それも楽しみなんだよね!」
僕たちはタックルを片付け始める。
パラシュートアンカーを上げて走らせる準備をする。
まだまだ日が高い、お昼ご飯も食べてない。
「すっかり忘れてたけど お弁当」
「そういえば 持ってきてたね」
「すこし景色の良いところに行こうか?」
「どっかあるの?」
メグはうなづいて操舵室に入った。
僕は後に続く。