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ジャーっと出るドラグ

「ジャーっ」

ドラグが止まらない。

青物だといいけどサメだとなぁ

などと思っている暇もなく 出続けるドラグ

糸のカラーは100メートルを超えて出続ける。


早々に仕掛けを回収したメグ 続いてパラシュートアンカーも回収

すぐにサポートしてくれる。

走る方向に船をうまく合わせてくれるのだ。

リールから出ていく糸 残り50メートルの色になってる。

「じゃー」止まらない 残り25メートル やばいか?

ドキドキしながら耐える。

そう思ってるとドラグが止まった、僕はポンピングで巻き始める。

一回しゃくって3-4回巻ける  

でも 「じゃっじゃっ」 たまにドラグは出るけど、出し続けるほどの体力はもう無いのかもしれない。

10分経過 残り100メートルまで巻けた。

急にまた「じゃーっ」と出る。

しかしすぐに止まって25メートルくらい

PE2号が切れない程度のドラグ設定なので根にはいられない限りは大丈夫のはず。

やりとりをしながら すこしづつ巻いてさらに10分くらい経っただろうか青い海深くに白く魚体が見えてきた。

「サメではなさそうね」タモを構えるメグが言う。

上がってきたらまた走る「ジャー」っとドラグが出る バシャバシャっ ちょっと遠くで跳ねる、銀色のおなか あれは。。

「鮪ね」

50センチクラスの鮪っぽい。

すこしづつ引き寄せ船の横まで寄せてこれた、もうかなり弱っている、しかし大きいのでタモ網をあきらめてメグはギャフを持ってきた

「もう少し!」

ひっかけて船に上げる。

測ってみたら52センチ そんなに大きな鮪じゃないけどすごい引きだった。

「クロマグロかな 地球あっちじゃもう釣っちゃダメなやつだよ」

「サバかなにかが食いついてそれを食べたのかな?」

血だらけのマグロ

メグは海水を入れた桶に突っ込んで締める。


「すごいの釣れちゃったね」海水で手を洗いながらメグが言う

「ありがとう メグ」

ある程度締めたところですぐに氷の中に放り込んだ。

「ちょっと休憩する?」

「うん もう手がぶるぶるだよ」

メグがお茶を渡してくれた

「食べてね」

お菓子もくれた。

横に並んで座ってしばらく休憩。

船は風に乗って流されている。

「大丈夫?」

周りを見回して

「周りなにもないから大丈夫 しばらくお休みしましょ」


「見て 手がプルプルしてる」

両手をメグに見せる

「あれだけ長く竿持ってたからね」

すっとメグが僕の手を取る。

そのまま手を繋いで僕たちはしばらく波に揺られながら座って水平線をぼーっと見てた。

ぎゅっと僕は強く握ると、メグも強く握り返した。

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