キス釣り大会(2/3)
僕とケイちゃんが ボート釣りだけど いつもの船釣りのように メグに「はいよー」と言ってもらった はい投入。
ぽちゃんと落とすケイちゃん。
メグは、最初なので一番下に一匹掛け 上二本は針の長さにした。
下の針が漂うので軽いほうがいいはず。そして一匹掛けでニョロニョロしてもらって呼び込むのだ。
僕はその逆、一番上の針に一匹掛け、下二本が針の長さ
そう、海の中でテンビンが立ち上がって一番上の針が上に来るからだ。
ケイちゃんは生餌じゃないので、アクションを付けて常に躍らせるようにする。
いわゆる胴突き仕掛け。
色は上が赤、下がピンクを選んでる。
オモリを上下させると疲れちゃうから糸を微妙にたるませたりしてぴょこぴょこするだけ。
と説明している間になんと最初はケイちゃんに来たようだ。
ぴくぴくくっと引いたあと 「来たにゃ」ひゅるひゅるとリールを巻くケイちゃん。
15センチのシロギス。下側のピンクに来てた
ピンクでキラキラしている綺麗な魚体。
クーラーボックスの小窓を開けて投入するケイちゃん。
「便利だニャこれ」
ケイちゃんはエサを手直しして投入する。
ピクピク 僕とメグにほぼ同時に来た。
慌てて合わせる僕、ノってない 一番上のエサが齧られた跡。
僕はすべての針のエサを針の長さまで短くした。
メグはそれを見て慌てずにしばらく待ってアワセると竿先が揺れながら上がってくる。
キタ、ちょっと小さいシロギスだ。
「ピンギスばっかりだね~」メグがぼやく。
ちなみに探知魔法禁止なので群がいるかどうかはわからない。
「きったにゃーん」
20cmクラスのキスを釣ったケイちゃん。
「今はピンクが当たりにゃ!」
齧られた餌を付け替える。
しばらくみんなに釣れ続く、15〜6尾釣ったかな。
10cmの小さいのから18cmくらいまで。
その後15分くらい釣れない時間が続く、山の稜線から太陽が出てきてキラキラと光る水面。
「明るくなってきたから当たりカラーが変わったかもニャ」
ケイちゃんが早速替える。
ピンクを外して、赤、緑と茶色にして、針も3本針にするようだ。
僕は、塩岩イソメを短くカットして針の上までこき上げてその下にジャリメ。
匂いで寄せる作戦。
明るくなってから5分ほど放置したら、またポツポツと釣れ続く。
「今日の目標は3人でツ抜け 100尾にしようか」
「そうだね そのくらいじゃないと捌くのタイヘンだしね」
「どうせ捌くのは私ニャ!」
折り返しの10時頃までには5~60尾いける感じだよね。
「ココはメゴチとかいないの?」僕は聞いた
「そんなことはないよ」メグが答える。
「キスしか釣れてないよね」
見事なフラグだった。
「来たっ!」上げるとメゴチ。
「私もよ」糸を持ち、ぶら下がるメゴチを見せるメグ。
十数尾 メゴチが続くが、
一人「釣れないニャ つまんないニャ」
エサが違うケイちゃんだけはメゴチが来なかった。
ヌルヌルするのでメゴチはビニール袋に入れてクーラーボックスに別に入れる。
「まぁでも天ぷらおいしいから」
「捌くのは私ニャ?」
「ははは」
それからは メゴチ ヒイラギ たまにキス と釣れ続く。
「おなかすいたニャ」 もうすぐ10時
「お弁当食べよう!」
きっとおなかがすくからと、ケイちゃんが準備してくれた軽食、
サンドイッチをごそごそとクーラーボックスから出す。
「この二段式クーラーボックスいいニャ」
「こういう食べ物も入れられるのがこのクーラーボックスの自慢なんだ」
海水で手を洗い、サンドイッチを食べる、ちょっと塩味。
小腹を満たす程度だけど、心地よく疲れが癒される。
ちゃぷんちゃぷんという波の音
「風も無くて波も無くて楽しいね」
食べて元気が出たし、午後も楽しもう。
「トイレどうする?」
「行きたいかな~」メグが言う
「ちょっと漕ぎたいニャ」
「じゃケイちゃんお願い」場所を変わる
メグはそのまま、アンカーを持ち上げてボートの中に引き入れた。
後ろに回ったメグが「それいけー!」と言う
僕とケイちゃんがキコキコと漕ぎ出す。
桟橋のほうに漕いでいく、手早くメグがロープワーク。プロの技。
じゃーまたあとでねー 二人がトイレへ向かう、先に手を洗って僕もトイレへ。
ボートに先に戻ってきた僕は、ゴミを整理して後半に備えた。
10時を少し回ってあと2時間半
「ただいまー」メグたちが帰ってきた。
「冷たい飲み物を買ってきたからクーラーボックスの中に入れるね」
「魚と混ざらないから便利ニャ」
そんな話をしている間にちゃちゃっともやいを解いてロープをきれい格納するメグ。
「じゃ しゅっぱーつ!」またメグが船頭だ。
二度目の出港 キコキコと漕ぎ出す。
「違うところ行く?」
「そうね、近いところにしようか」
ちょうど湾の真ん中あたり、DエリアとCエリアの境くらいのところに移動。
「深そうだから、いたら大きいかもね」メグが言う。
「メグおねがい」
「え? ああ はいよー」
後ろで移動中に準備していたケイちゃんがまた一番でぽちゃんと落とす。
「確かに深いにゃー」
すぐに巻き戻して、暗いところで目立つピンクを一番下に付ける。
「きーたーにゃー」
付け替えてすぐにピンクに来た。
今度は大きい、20cmは超えてる。
深場なので釣れると大きい、ポツポツと釣れ続く。
いつしかキスだけで80尾くらいになっていた。
「今82尾ね」メグがカウントしていた。
「ぷぉーーーん」
ホーンの音が聞こえてくる、残り一時間の合図だ。
「優勝狙いじゃないし、ちょっと前に戻ろうか?」
「そうね15分くらい前か、100尾釣れたらにしよう」
「わかったニャ」
これまた見事なフラグになった。