スミイカ コウイカ おなかいっぱい
堤防でスミイカを釣っていた僕たち、ポツポツと釣れてお昼までにみんなで8ハイは釣れたかな。
スカリを引き上げて数えてみる。スミを吐かないか気が気じゃないケイちゃん、ちょっと逃げる。
「締めるよ」イカの目と目の間を突いてイカを締めて、ビニール袋に入れて氷や水に触れないようにクーラーボックスに入れた。
ここで疑問が、猫耳っ娘の二人はイカを食べて大丈夫なのか? 念のため聞いてみる。
「ん?普通に食べてるニャ」 なに言ってんの?って感じで答えるケイちゃんだった。
「どうやって食べようか?」
「お刺身、卵があったらゲソと煮物、一夜干し、天ぷら、フライ・・・イカスミパスタ?」
「まかせてニャ」ケイちゃんがドヤ顔で答える。
船宿に戻ってきて道具を片付けて、台所に戻るとケイちゃんがイカを捌き始めた。
先に一夜干し イカを開いて甲とワタを取り出す。
皮をキッチンペーパーで掴んで外す ピーっと気持ちよく外れるのは見てても気持ちいい。
目と嘴も切り取って開かれたイカを干しに行くメグ。
僕はついていく、干し網に入れてスルスルと滑車の付いた木の上の方に上げてった。
干し網を見上げながら、「あんなところに吊るすんだ」と思った虫とか寄ってこなくなるらしい。
台所に戻るといい匂い、煮物を煮始めていた。
「お昼はイカスミパスタニャ」スカリで生かしていたのでイカスミが復活していたのだ。
パスタを茹でながら、夕食に出す分の残りを捌いていた。
ゆであがったところでイカスミソースを入れる、こっちの世界にもニンニクがあるんだなと思いながら「ニンニクも大丈夫なんだ」僕はこっそりとそんなことを考えてた。
僕は白ワインをクーラーバッグから取り出す。
「メグは飲めるんだっけ? ケイちゃんはダメだよね?」
「16だからもう飲めるニャ! 大好きニャ!」ケイちゃんは酒豪らしい。
スミイカのイカスミパスタとお刺身、もちろんパスタにもスミイカが入っている。
「締めたてのお刺身ちょっと味見に切っといたニャ」
パスタに入れたイカの残りをお刺身にしてくれてた。
釣りたてのコリコリとしたお刺身の食感、釣りたてとちょっと置いたイカの食感の違いを比べろってことだ。
「カンパーィ」「いただきまーす」
「ケイちゃん料理長 おいしいであります!」ワインがぐびぐび進む。
この三人でお昼からお酒飲むことになるとは思いもしなかったな。
メグも一緒に食べながらワインを飲んでいる、心なしか顔が赤い、ちょっと不思議な光景に僕は目を奪われた。
少し遅い昼食をゆっくり食べて、僕はうとうととしていた、「上に行くにゃ?」ケイちゃんが声をかけた、「今日は宿泊する人いないから上で寝てればいいニャ」「一番手前の赤い扉の部屋ニャ 開いてるニャ」(にやり)
お言葉に甘えて上に行く、ケイちゃんは結構飲んでいたはずなのにケロリとしている、先が思いやられる。
階段を上がると、すぐに赤い扉、隣は緑奥は青、色でわかるのね、扉を開けて部屋に入る。和室の旅館か!って感じの例のスペースがある、窓際のゆったりした椅子に座って海を見ていたけど、とっても眠くなったので、クッションを枕にゴロンと横になって寝てしまった。
一方その頃、洗い物を終えたメグとケイ、メグも結構ふらふらしている、メグは普段飲まないこともあってお酒そんなに強くないのだった。
「もう大丈夫だからお部屋で寝てればいいニャ、あ、お風呂入って無いから上だけ脱いで手前の部屋でゴロンとすればいいニャ あとで起こしに行くニャ!」(にやり)
トテトテと二階に上がっていくメグ、部屋に入り、ちょっとスミの付いた上着を脱いでごろんと横になる「あとでお風呂入らなきゃ むにゃむにゃ」お部屋に横になる。
「そろそろ起きるニャー」ケイちゃんが起こしに来た。
僕は目を覚ます、目の前にTシャツ姿のメグがこっち向いて寝てる、一瞬 何が起きたか理解できない。視線を上に向けると「あらあら」扉から入ってきたケイちゃんがニヤニヤしながら僕らを見ている。
「ねーちゃん起きるニャ」もう一度声をかける、視線をメグに落とすとメグが目を開けた。
少し後辺りの状況に気づいて「きゃぁあぁぁ」メグが声をあげた、そんなに? とちょっとモヤモヤしてたが、すぐに理由がわかる、メグの向こうに似合わない可愛いブラが落ちていた、酔って寝てるうちに外してたらしい。 メグはそれを奪い取ると奥の自分の部屋に走って行った。
ケイちゃんが「あらあら」ニヨニヨしていた。
「お風呂いけばいいニャ」これは僕がお風呂に入っているとメグが間違って入ってくるパターンだ、今日のケイちゃんならやりかねない。
僕は「いや メグを先に入れてあげて!」ケイちゃんにメグに先にお風呂に入るように言ってもらって、先に入ってもらうことにした。
メグの部屋から二人が出てきた、
「お風呂行ってくるニャ 覗いちゃダメニャ~」
すれ違いざまメグが聞く
「み、みた?」
「ブラ?なら、、」
「うぅ~」
いつもと違ったしおらしいメグが、ワインの時より赤い顔で小走りにお風呂に降りていった。