白身魚の熟成と圧力鍋アラ汁
「おかえりにゃー 早かったにゃ?」ケイちゃんが出迎えてくれる。
こっちは無線とかないから早上がりの僕らにちょっと驚きながら「どうだったニャ?」結構釣れたよ
すでにぶつ切になったタチウオと、他の釣果を見せた。
「いろんな種類が釣れたんだニャ」
「おなか出しとくから お風呂入っておいでよ」メグが言った、内臓を出して捌いておいてくれるみたい。カツオはケイちゃんの大好物らしいのでケイちゃんにあげた。頭の上にカツオを持ち上げながら冷蔵庫にもって行ってた。
「ありがとう」メグが言った「ケイちゃん嬉しそうで僕も嬉しいよ」メグに声をかけてお風呂に向かった。
ここはお風呂が24時間いつでも入り放題、温泉が湧いてるのかな?でも無色無臭なんだよな。
さっぱりしたところでメグが声をかけてきた。
「今日は一日ありがとう」 いやこちらこそなんだけど。
「タングステンのメタルジグ いくつか置いていくから、同じの作れないか工房に持ち込んでみる?」
僕は提案してみた、異世界では錬金術でタングステンの加工もチョチョイノチョイだから。
一方鉛はお金として使われてる貴重なものなんだ。
メグはさっそくTGジグをいくつか選んで大事そうに箱にしまった。
さすがに鉛のジグを渡すと異世界人の僕の存在がバレちゃうからタングステンのだけね。
少し早い夕食の準備、メグとケイちゃんと一緒に食べるつもりで僕の釣った魚を捌くことにした。
今日は白身魚ばかりなので冷蔵庫で明日まで熟成するといいのだけど、今日は小一時間で充分かな、あとでお刺身にして食べよっと。
おさかなシートは買ってきて荷物に入れてた。浸透圧で魚臭さを取ってくれて干したのと同じ効果をだしてくれる便利なシート、お刺身にするならこれで包んで一晩おいとくだけで美味しさ倍増なんだよね。鯛を台所を借りて三枚に下ろす、出刃包丁は小出刃しかもってないから大きな出刃が置いてあるのはありがたい、大物が釣れるとは思ってなかったからなぁ、今度通販で買おうかな。 魚を下ろして、皮を引く ピーっと綺麗に引けると気持ちいい。
身をシートに並べて包み込んで冷蔵庫に入れる。
アラはアラ汁にするために、圧力鍋に入れる、魚臭さを消すために一度お湯をかけて、ネギとしょうがをちょっと加えて少し塩を入れた水を圧力鍋に入れる。
もちろん圧力鍋もうちからもってきた。シュンシュン言ってる鍋にケイちゃんが興味津々。
「出来たから一緒に食べようよ」
圧力鍋でしっかりと出汁を取ったアラ汁に味噌を溶き、お刺身と炊き立てのご飯とビールで僕は一日のここちいい疲れを癒した。
ハタは切り身にして氷を詰めてメグが僕に持たせてくれた、明日お鍋にしようかな。アラはアラ汁に入れたからおいしいのはわかってるもんね。
そういえば異世界人って僕だけなのかな?とちょっと疑問に思ったけど特に気にせず、メグとケイちゃんに別れを告げて家路についた。