ふたたびSLJ
テーブルの上で寝ちゃってた。
「おきてー」
朝 メグに起こされた。
朝と言っても船宿には遅い時間かも。
他の船は出船した後の時間。
「うー体が痛い」
「ずっとそのまま寝てたんだ」
「うー」
「早朝見に来ればよかったわね」
「いやいや大丈夫」
顔を洗って準備していたら 朝風呂に入っていたケイちゃんも一休みの時間になったので 賄いの朝ご飯を一緒に食べるいつもの休日。
「次はSLJだって?」
メグが聞いてきた。
「そう それなんだけど 異世界のジグ売ったお金で新しい竿買えるくらいになったから」
「また仕入れていってね」
「それはもちろん」
「で ジグも持ってくるの?」
「いや今回はメグのタングステンジグを使おうと思ってるんだ」
「それはいいかもね」
「形は地球の形だからね」
「フックとかは持ってくるから、いろいろ準備しといてほしいんだ」
「わかった 来週かな」
「そうだね 来週行ければそれでもいいからケイちゃんと行けるときでいいよ」
「予約見ながら決めとくわね ちょっと伸びたらごめんなさいね」
「大丈夫船宿のお仕事優先だもん」
朝ごはんを終えるといつものように片付けて、メグが仕入れたタングステンジグをもってきてくれた。
どすんと大きな音を立てて箱を置く。
試作品も含めて結構な重さだ。
「ふふっこのくらい」
力持ちなメグだった。
僕は各カラーの各サイズをひととおり仕入れて、あとは来週までに追加で使う分も作ってもらうことにした。
異世界じゃ工場でロットで作るってわけじゃなくて、錬金魔法だから一つ一つ手作りっちゃ手作りなんだよね。
「じゃ これも」
「あ、そんなものまで」
いつのまにかジグを入れる入れ物も追加で作ってた。
「ラインはなかなかできないわね、また仕入れてね。」
「フロロのリーダーとPEだね」
「ジグと相殺でいいから」
「わかった」
地球のラインも仕入れてる、リーダーは船用のハリスを流用してばら売りみたいに巻きなおして売ってるけどこれも好評らしいんだ。
「あそこでも売ってるニャ」
船宿の売店を指すケイちゃん、確かに船宿の特製釣り具コーナーに置いている。
「釣り糸だけ買いにくるお客さんもたまにいるニャ」
「違う船宿に行ってるのね」
「ぼくのせいで土日メグの船が出ないからかも」
「そのほうが口コミで広がりそうニャ」
まったくもって商売人の姉妹だ。
「で今日はどうするの?」
「なんか作戦会議も終わっちゃったね」
「じゃ お昼外で食べてこよっか」
「ケイちゃんはいいの?」
「いいニャ行ってくるニャ!」
「じゃ 遠慮なく」
「デートしてくるといいニャ」
今日はちょっとしたデートすることになった。