天ぷら三昧
「そうだよ」
なんて言わずにツッコミをスルーしたメグ。
とはいえお風呂は一つしかないからメグはいつものように隣のお風呂を使わせてもらうんだって、僕はちょっと残念だなと思いながらお風呂に入る。
その間にお料理を済ませるらしい。
といっても天ぷらは下ごしらえして水分を吸いとるくらいで揚げたてを作ってくれるから、それいがいのおかずかな。
三人で釣りをするのも慣れてきたなぁと物思いにふけってるとふと思い出した。
そういえば日本じゃスカイツリーの下でもハゼ釣りできるって。
こっちでも運河みたいなところはあるのかな。
お風呂からあがって、ちょうどいいところで一回部屋に戻って着替えた服をバッグにしまっているとメグがお風呂からあがってきた。
「いいの? 急がせちゃったかな?」
「大丈夫よ そんなに長風呂じゃないのよ私」
ということで二人して食堂に戻る。
「あ おねーちゃんたち早かったニャ」
「一緒に入ったニャ?」
「もういいから」
「じゃ こっちで食べようニャ」
ケイちゃんはカウンター席に僕らを案内してくれた。
なんと揚げながら食べさせてくれるらしい。
「あらいいこと考えたわね」
「でも暑いニャ」
「冷たいの飲みながらやっていいわよ やけどは注意ね」
「うにゃ!」
「じゃさっそく」
「かんぱーぃ!!」
乾杯してから最初のハゼの天ぷら
じゃーじゃー聞こえて来る揚げ物の音も耳に美味しい。
アツアツの天ぷらを食べながら たまに大葉とかししとうみたいなものとか色んなものを揚げてくれる。
ちゃんとケイちゃんは自分の分もつまみながらカウンターの向こうに座ってニコニコしながら揚げてくれる。
「小さいハゼは丸揚げなんだね」
「大きいのは捌いてあるにゃ」
「じゃ大きいのも」
「はいにゃ」
キス天みたいなおおきなハゼ
「これは頭落としてんのね」
サクッとした食感でおいしかった。
「あたしは頭まるごとのほうが好きニャ」
そういってちょっと焦げ目がつくまで揚げてカリカリ食感のハゼが好きみたい。
「小さなハゼはこうするニャ」
すると次はかき揚げが出てきた
「ホタテとエビも入ってるニャ」
「ちょっともしかして」
「大丈夫ニャエサに使ったのとは別ニャ」
サクサクでアツアツの少し小ぶりのかき揚げを食べながら ビールをくいっと最高。
味付けは塩だけなのに。
たまに混ぜてくれるさっぱりとした野菜の天ぷら 特にごぼうの天ぷらもおいしい。
天ぷら用のハゼが無くなったところで おなかもひと段落してケイちゃんも火を落としてこっち側にやってきた。