ハゼ釣りランガン
翌朝 朝ごはんを三人で食べている。
ケイちゃんの賄いはいつも美味しいので嬉しい。
「なんじごろ行くニャ」
「いつでもいいよ ケイちゃんのお仕事しだい」
「みんな出港したらもう暇ニャ」
船宿の他の人たちはすでに出払ってるから受付のケイちゃんはいつでも大丈夫らしい。
「食堂も?」
「おばちゃんたちがいるからニャ」
「お弁当が出来たら教えるニャ」
「楽しみにしてるね」
今日は船じゃなくて港のどこかでハゼ釣り。
多分川沿い河口あたりかなぁと思うのだけど。
「メグ 今日どこに行く予定?」
「そうね 港のどこでもいそうだけど やっぱり汽水域?」
「そうだよね」
「そこから移動しながら釣ればいいんじゃない?」
海岸沿いには公園もあったし お弁当は公園で食べたらいいかもね。
「出来たニャ」
お弁当を持ってケイちゃんがお部屋にやってきた。
僕たちは釣り竿を持って港に歩いて行く。
今日のタックルは 僕はコンパクトロッドにスピニングリール、道糸は巻いてあったサビキ釣り用の3号ナイロンをそのまま なんでもいい。
ハゼ用テンビン 10センチくらいかな これに3号のオモリをつけて、袖針4号をハリス20センチくらいで付けてる。
もう一本はのべ竿でこの前と同じ 道糸はリールの使い古しの3号でかみつぶしの大大をつけてヨリ戻しに同じく袖針を付けただけのシンプルしかけ。
深さが大丈夫ならのべ竿でやるつもり。
ケイちゃんはコンパクトロッドを使ってる。
あとで違う仕掛けも使うつもりだから。
メグは船用のキス竿で仕掛けは同じだ。
要はなんでもいいってことだね。
数分で来たのはまず河口。
橋の上から釣ってみる。
僕はゴカイだけどメグとケイちゃんはホタテを使って見るそうだ。
ホタテの貝柱を針に引っ掛ける感じ。
僕はちょっと投げて引きづったらすぐに根がかりして針をロスト。
ココは投げるのはダメかも。
のべ竿に持ち替えて探ってみる。
ちょんちょんとひっかからないように跳ねながら移動させていくけど釣れない。
アタリも無い。
僕は川沿いをてくてく歩いたけどアタリが無かった。
「いないかな」
「いないわね」
荷物はほとんどない釣りだから気軽に移動。
ハゼ釣りランガンだ。
この港は元々河口の湾だから真ん中に川があって、左右を包み込むように湾になってる。
その両側に防波堤。
この前イカ釣りした防波堤に行く途中の岸壁もあるからここを探りながら歩いていく。
「ちょうど干潮だからかな」
「浅い方がエサあるからいそうなんだけどね」
僕たちはチョコチョコと竿を出すけどなかなかアタリが無い。