出会い(1)
釣りを題材にした140文字小説の募集に応募した異世界船宿シリーズ、第一話は掲載されたためその続きからこちらに連載します。
「いらっしゃいませニャ」機材トラブルで早上がりになった僕、午後船を求めて入った船宿は異世界の船宿だった。早速乗船票に名前を書く「あっ、お金!日本円って使えます?」慣れた様子で「大丈夫ニャ、地球の釣りのオモリでも払えるニャ!」だって!?こっちの通貨、オモリ1号100円位の価値だった。
この異世界船宿の受付の猫耳っ娘はケイちゃん、お姉さんは船長の一人でメグちゃんというらしい。釣り船は日本とさほど変わらず違和感ナシ、見ためは地球と似た魚が釣れるらしいとケイちゃんは親切にイロイロ教えてくれた。手持ちもあるけど今日は念のため船宿で仕掛けを揃えていこうと一通り購入した
船に移動して釣座確保、船長の隣、真ん中右側を陣取る。隣は、うん、熊さんぽい!狙うのは鮭だけじゃないんだナ。アジっぽい魚を釣るらしくイワシミンチと赤タンとイソメのようなものが配られた。モノは違うんだろうが「異世界ぽくない」と心の中で呟きながら釣り座に道具を並べて準備をするのだった
帰り道、そこそこ魚が釣れキャリーを引きながら一日を思い返す、魚を捌き風呂に入って晩酌兼晩御飯、翌朝、異世界で釣りって面白い夢だったなと思いながら冷蔵庫を開けると干物シートにくるまった魚、夢じゃなかったんだ。「またあの船宿に行けるといいな」久しぶりに爽やかな気持ちでドアを開けた。