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Change the world  作者: 異星の神を信仰するマンガ好き
2/2

序章 VRMMOを楽しむ2

 「あっはははははぁ、はぁ」

 

 草原を1人の赤髪の青年が笑いながら走る。


 「やっべー、フルダイブ舐めてたわ!

  ザコ敵とすらまともに戦えねぇとか・・・俺、弱すぎだろ。」


 青年がいるのはフルダイブ型VRMMO【ODO】の世界。

 たかがゲームだと侮ることなかれ、

 スキル発動時や装備によってステータスに補正はかかるが、

 基本ステータスは現実を水準としたものである。

 もちろん初期装備の補正値は最低ランクであった。

 

 加えて、【ODO】はボタン操作では無く、プレイヤー自身の創造力により、

 ゲーム内のアバターが動作を行うというシステムを

 世界で初めて導入した最新のゲームである。

 例えプロだろうが、

 操作を確認しておかなければ、初期ステージで敗北するに違いなかった。

 

 「ちっ、囲まれたか。」


 十匹のスライムが青年を囲む。


 ズリ、ズリ、ズリ・・・バッ


 「おっと!」 ヒョイ


 青年は今、スライムと戦っていた。


 「スライムならいけると思ったんだが・・・

  軽減値がどれぐらいかは分からないが、

  初期ステージでエンカウントするスライムに

  初期装備で与ダメージ無しとか運営バカじゃねぇ?」


 青年は同じ高校に通う友人3人と、

 今日の18:00から【ODO】にもぐろうと約束をしていたのだが、

 早る気持ちを抑え切れず、下校チャイムと同時に学校を飛び出し、

 17:00にログインをし、クエストに挑戦していた。


 「あー、あー、スタートダッシュ決めて、

  装備でも調達しておこうと思ったのによぉ。」


 ズリ、ズリズリ

 スライムが青年ににじり寄る。


 「はーー、もうすぐ約束の時間じゃねえか。

  いいぜ! 来いよ! スライム共!

  俺をリス地に飛ばしやがれぇ!!!」



~始まりの町~

 「負けた・・・」

  

 青年は下を向いて呟く。


 「ほら、言った通りでしょ?」


 「あはは、まあ、いつも通りですね。」


 聞き覚えのある声が聞こえ、青年が前を向くと、

 3人組グループの中の青髪の青年が笑いながら話しかけてくる、


 「ダイチ、遅かったな。」


 「うるせぇよ、カイム。」


 普段通りの掛け合いに4人が苦笑する。


 「また、1人で先に遊んでたのか?」


 「ああ、ちょいとスタートダッシュを決めておこうと思ってな。」


 ダイチがマッチョのポーズをとりながら答える。


 「また、ルールブック読まなかったんでしょ!

  そんなのだから負けるのよ。」


 茶髪の気が強そうなスレンダーな女の子『ミレイ』が言う、


 「それは、そうなんだが・・・」


 「「「?」」」


 いつもならここで反発し、言い争いになるまでがテンプレなのだが、

 珍しく意気消沈とした様子をみせるダイチに3人は首を傾げる。


 「大丈夫ですか?」


 ほんわかとした雰囲気の小柄の黒髪の女の子『フユカ』が話しかける。


 「ああ、大丈夫だ。

  それよりも聞いてくれよ!」


 「何だ?」


 「どんなモンスターに負けたと思う?」


 3人は少し考える、


 「この様子だといつも通りの

  特殊条件下で出現する裏ボスでは無さそうですね。」


 フユカの言うように

 ダイチは〔運の良さ〕と〔脳筋なプレイスタイル〕で有名なプレイヤーであった。

 初めてログインしたゲームでフィールドに出ると

 必ずと言って良い程の確立で特殊なモンスターとエンカウントし、

 手順を無視した誰も思いつかないような方法で

 その特殊なイベントを進行させてしまうのだ。


 「そうね・・・

  でも、それが違うとなると何も思いつかないわね。

  カイムはどう?」


 「う~ん、

  正規のストーリのボスを見つけて挑んだとかかな?」


 ダイチはそんな3人の様子を見て、満足したのか。

 

 「どれもちげーよ。

  俺が負けたのはただのスライムだ。」


 「「「え?」」」


 3人が驚きの声を上げる。


 「いやー、びっくりしたぜ。

  初期ステージのスライムがバカみてえな物理軽減を持っててな?

  初期装備じゃ全く手がつかなかったわ。」


 「そうだったのか、助かったよダイチ。

  聞いたかフユカ、ミレイ。」


 「ええ、それならまずはこのゲームについて知るところから始めなくちゃね。」


 「はい、そうですね。」


 「じゃあ皆、今日は情報を仕入れることに専念しようか!」


 「「オー!」」


 「ちょっ、ちょっと待ってくれ。

  悪いんだが俺クエスト受けちまっててな?

  期限が今日中だから急いでクリアしねえと。」


 焦った様子のダイチを見て3人は笑う。


 カイムは確信していた、今回のゲームもこの4人でなら楽しめるだろうと・・・


  

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