大ジャンルとジャンルの中央値
今回皆さんに見てもらうのは中央値です。例えば、ある集団に所属する数値が5つあったとして、その真ん中である3つめを取り上げるやり方です。その集団の数値が、0,5,10,500,1000とすれば、10が中央値ということになるあれです。平均値は平均値で役立つのですが、『小説家になろう』へ小説を投稿している作者にとっては、まず自分の小説が数多く投稿される小説の中で真ん中よりも上か下かを知りたいのではないでしょうか。
最初に見ていただくのは、2017年から2019年までの全データの中央値です。この3年間で中央値はどのように変化したのでしょうか。
上記の図は、大ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
どの大ジャンルも2017年の中央値が最も高いですが、その中でも恋愛のみは2019年に同程度まで回復しています。そして、恋愛の中央値がファンタジーを上回って単独首位となりました。また、文芸の中央値が2019年にわずかに盛り返しています。
上記の図は、ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
異世界とVRゲームの中央値がダントツで高いです。それだけ読者から評価してもらいやすいのでしょう。一方、ハイファンタジーの中央値は歴史、童話、エッセイと同程度です。ファンタジーの中央値があまり高くないのは、小説投稿者が多い分だけあまり評価してもらえない小説も多いからだと推測されます。ちなみに、童話の中央値が意外に高いですね。ローファンタジー、空想科学、リプレイが急減してほとんど回復していないのが気になるところです。
次は、2017年から2019年までの全転生転移データの中央値です。この3年間で中央値はどのように変化したのでしょうか。
上記の図は、大ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
どの大ジャンルも2017年の中央値が最も高いですが、その中でもノンジャンルの中央値が減少傾向にありながらも最も高いです。次点が2019年にやや持ち直した恋愛の中央値が続いています。これを見るに、転生転移の小説であっても恋愛の中央値の方がファンタジーよりも高いことがわかります。
上記の図は、ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
全体的に各ジャンルの中央値は減少傾向ですが、2017年に中央値が高かった現実世界とコメディーは特に急落しています。リプレイも中央値が0になってしまいました。その中で恋愛は2019年に持ち直して単独首位に躍り出ました。一方、この状況の中で推理のみは増加傾向にあります。
次は、2017年から2019年までの年間データの中央値です。この3年間で中央値はどのように変化したのでしょうか。
上記の図は、大ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
2019年に恋愛、ファンタジー、SFの中央値が大きく増加しています。これにより、恋愛はファンタジーを上回って単独首位となりました。この図から推測するに、2019年になると全体的に読者が小説を一斉に評価し始めたように見えます。
上記の図は、ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
全体的に各ジャンルは増加傾向ですが、異世界の中央値が倍増してVRゲームを上回り、単独首位となりました。そのVRゲームも2019年に急増して恋愛に次に中央値が高くなっています。尚、この状況で純文学とリプレイは減少傾向です。
次は、2017年から2019年までの年間転生転移データの中央値です。この3年間で中央値はどのように変化したのでしょうか。
上記の図は、大ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
大ジャンルの中央値は2019年になって全体的に増加傾向です。その中でも恋愛の中央値が急増しており、ファンタジーを上回って単独首位となりました。また、文芸とSFも大きく増加しており、ファンタジーに迫ろうとしています。
上記の図は、ジャンルごとの中央値の棒グラフです。
各ジャンルは2019年になって全体的に増加傾向ですが、異世界の中央値が急増して歴史を上回って単独首位となりました。純文学、ヒューマンドラマ、推理、ホラー、空想科学の中央値が2019年に急増しています。逆に、現実世界、童話、エッセイ、その他は減少傾向にあります。
いかがでしたでしょうか。大体は大ジャンルからジャンルの傾向が掴めるようです。印象的だったのは、全データ、全転生転移データ、年間データ、年間転生転移データのいずれにおいても恋愛および異世界の中央値が急伸していることです。また、全体的に転生転移の方がそれ以外よりも中央値は高いようです。




