新年も不景気だということは予想がつく。
ある晩に、怖いことが起こった。
「ぎぁー!こわい!」
私の興味は尽きない。
興味と言えば大げさであるが、証言台に立ったまま裁判長の頭部を見つめ続ける被告人のような、気味の悪いセンスに満ち満ちた「嗜み」、と言った方が正確だろうか。
狡猾な精神を病んでも、誰も助けてくれない。
食っちゃ寝しては喉を患うこと。
自然発生した窮屈な義務が、すでに不健康さの決壊を食らった正月休みの私を追い詰める。
じんじんと手がかじかむことの少ない、即ち、ほとんど外出をしなかった私。何度も凍り付いたであろうプリンタの様子を見に休日出勤する私を、ショッピングモールへの行進が追い詰める。
ノートパソコンも、急な渋滞を引き起こしたり原因不明の出力亢進を見せるなど、私を追い詰める。
そういえば、ハンドクリームのチューブに思いのほか空気が入り込んでいたことで中身が射出され、私を追い詰める。
別のクリームは排出口にクラスターができていて、わざわざそれを捨てさせるなどして私を追い詰める。
リップクリームを掴もうとしてよく落とすなど、私の手が私を追い詰める。
トイレではコート、ジャケット、セーター、スラックス、インナーシャツ、タイツ、トランクスの順で脱ぎ、済んだ後にそれを逆順で着用するという事態が私を追い詰める。
おこたで、ぬくぬく。
あの段ボールいっぱいのミカンも、休み明けにはさぞかし色褪せて見え、カビゆくのだろう。
正月が来るといつも、昔の生放送番組にはイタズラ電話がよくかけられていたことを思い出します。