表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

新年も不景気だということは予想がつく。


 ある晩に、怖いことが起こった。


「ぎぁー!こわい!」


 私の興味は尽きない。

 興味と言えば大げさであるが、証言台に立ったまま裁判長の頭部を見つめ続ける被告人のような、気味の悪いセンスに満ち満ちた「嗜み」、と言った方が正確だろうか。


 狡猾な精神を病んでも、誰も助けてくれない。

 食っちゃ寝しては喉を患うこと。

 自然発生した窮屈な義務が、すでに不健康さの決壊を食らった正月休みの私を追い詰める。


 じんじんと手がかじかむことの少ない、即ち、ほとんど外出をしなかった私。何度も凍り付いたであろうプリンタの様子を見に休日出勤する私を、ショッピングモールへの行進が追い詰める。


 ノートパソコンも、急な渋滞を引き起こしたり原因不明の出力亢進を見せるなど、私を追い詰める。


 そういえば、ハンドクリームのチューブに思いのほか空気が入り込んでいたことで中身が射出され、私を追い詰める。

 別のクリームは排出口にクラスターができていて、わざわざそれを捨てさせるなどして私を追い詰める。

 リップクリームを掴もうとしてよく落とすなど、私の手が私を追い詰める。

 トイレではコート、ジャケット、セーター、スラックス、インナーシャツ、タイツ、トランクスの順で脱ぎ、済んだ後にそれを逆順で着用するという事態が私を追い詰める。



 おこたで、ぬくぬく。


 あの段ボールいっぱいのミカンも、休み明けにはさぞかし色褪せて見え、カビゆくのだろう。




正月が来るといつも、昔の生放送番組にはイタズラ電話がよくかけられていたことを思い出します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ