第1話 異世界に来た
魔法陣の中に引きずり込まれた成•••
その続きから始まる......
「うあああああああああ」
魔法陣の中に引きずり込まれた俺は、その後気絶してしまったのだろう。
あれから後の記憶を、一切覚えていなかった。
「私の、声が聞こえますか?」
誰かが、俺に話しかけている気がした。
「よいしょっ、よいしょっ、ふうー、人間さんって、あんがい重たいんですね」
俺は、パチリと目を開けた。そして、自分の見た光景を疑った。
なんと、俺の目の前にいたのは、頭の上にぴょんと動く耳をもった女の子だった。
小さな体で、176cmぐらいある、俺を、肩に背負って、歩いている。
(コスプレか、何かの役者さんかな?)
俺は、一瞬そう考えたが、作り物にしては、動き方がリアルなので、たぶん、この子、人間じゃないっ、と確信した。
確信は、したものの、やはりファンタジーの世界が、現実になると、少し恐い気もした。
爪は、普通の爪より、やや鋭く、獲物でも刈れるような感じだし・・・
俺は、顔を青ざめながら、どこかに俺を、運ぼうとしてる女の子に
「ここは、どこだ?君は誰だ?」
と、質問してみた。
急に、声をかけたせいか、ビックリしたひょうしに、俺をドシンっと、地面に落とした。
「すっ、すみません!痛くなかったですか?」
女の子は、左右に茶色い尻尾を振りながら、あわてている様子である。
「えーっと、ここは、女神リリフィー様が作ったクレイドという世界です。そして、私は、リリフィー様のお城に勤める、オオカミ女のバンナ・クリフ。城の衛兵隊長です。エッヘン!」
オオカミ女のバンナは、ほこらしげにしゃべった。
「ここは、日本のどこかなのか?」
俺の質問に、バンナは
「二ホン?なんですか、それ」
きょとんと、首をかしげる。
(これは夢!!これは夢!!)
俺は、頭をおさえながら、床に崩れ落ちた。
「たぶん、その二ホンって、とこは、あなたが元いた場所なんですね」
俺を、心配しているのか、静かに俺に寄り添ってくれる。
「急に、あなたを召喚してしまい、すみませんでした。しかし、私たちは、あなた達、『人間』について、とても興味があるんです。この世界には、人間は、一人もいませんから。」
バンナは、茶色い尻尾を、シュンと落ち込んだように下げた。
「人間が、一人もいない世界なんて、存在してたんだな・・・」
俺は、バンナが悪い奴には見えなかったし、人間がいない世界に、少し興味がわいたので、バンナの話を、聞くことにした。
次回、バンナの話を聞く成、これからどうなるのか.....