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革命の白魔術師  作者: みらい
オリジナル (リメイク版から読むことをオススメします)
28/28

依頼その27 帰還の白魔術師

今回が一部の最終話となります!

二部開始までは、短めな日常系のおまけ小説をちょくちょく更新予定です!

私たちはマセントシアから脱出し、馬車で一夜を明かした。

時刻は昼前、マセントシアとガルムニアの国境近くに佇む、太陽の光を受け銀色に光り輝くソレを私は眺めていた。


これはノヴァさん達がこの世界にやって来る際に乗っていた乗り物らしい。

みたところ金属製で、上から見ると八角形をしているのだろう。


昨日はノヴァさんの言った「異世界移住計画」について言及し続けたが、最後まで教えてくれなかった。

少しくらい教えてくれてもいいじゃないですか。


私が独りでボーッとそれを見ていると、暇を持て余したイサベルがノヴァさんに話しかけていた。

「ノヴァ君、これはノヴァ君だけじゃ直せないの?」


「ああ。俺はあくまで学者だ。義隆は整備士兼運転士だからな。義隆はここに来るまで、俺はここに来てからが仕事だ。それに、『きぼう』を直すには指紋、虹彩、DNAなどの認証システムがあるから他人には無理だ」


ノヴァさんが話す内容を全く理解出来せん。

指紋は分かりますが、コウサイとディーエヌエーってなんでしょう?


「それじゃ、俺はこいつを直すから、その間適当に寛いでいてくれ」

義隆さんはそう言うと、『きぼう』に乗り込み修理を始めた。


私達三人も『きぼう』に乗り込み、お茶を飲みながら寛いでいる。


これ見よがしにお茶を飲む私達を、ヨシタカさんがさっきからジト目で見てくる。

ノヴァさんの提案でヨシタカさんが……。


「私も修理手伝おうかしらぁ」

「止めとけ、壊れる」

ヨシタカさんに近づこうとするイサベルを、ノヴァさんが制止する。

イサベルに更に破壊されては堪ったもんじゃないですもんね。


「なら私が……」

「貧乳は引っ込んでろ」

手伝おうと椅子から立ち上がった私は、ノヴァさんに遮られてカチンときた。


「貧乳は今関係ないじゃないですか!」

「あ、そうだ。聞けよ義隆! ソフィーは貧乳がコンプレックスで、アカデミーで豊胸魔術を研究してたんだぜ」

「あっはっは」


私を指さしからかうノヴァさんと、それを聞いて笑うヨシタカさん。

2人に魔法をぶち込んでやりましょうか!?


「おいどうした? 顔が真っ赤だぞ? まさかまたトイレか? そーいや、俺と旅してる時も間に合わずに池でしたもんなぁ、ソフィー!」

私の恥ずかしい過去をバラし、再びからかって来るノヴァさん。


もうブチ切れです。

魔法を放って黒焦げにしてやります!


「『クリムゾン……』」

「まあ二人ともその辺にしときなって。星哉はソフィーに謝りな?」

私が魔法の詠唱を始めると、ヨシタカさんが修理する手を止めて言ってきた。


「……まあ、そうだな。帰られちゃ困るし。……悪かったよ」

「…………私、ノヴァさんが素直な事に驚いてるんですが……何か変なもの食べました?」

「ちょっと表出ろ。折檻してやる」


キレたノヴァさんを、ヨシタカさんがまぁまぁと宥める。


私は、ノヴァさんのセリフで気になる所を尋ねた。

「えっと、帰られたら困るってどういう事ですか?」

「ノヴァ君はソフィーちゃんを好きって事でしょ?」

「イサベルは黙っててください」


私がイサベルの口を手で塞いでいると、ヨシタカさんが口を開いた。

「それはね……まぁ、いつか言わなきゃならない事なんだけどね…………」

ヨシタカさんはそこまで言うと、頭をポリポリとかきながら俯いた。


すると、それを見ていたノヴァさんが。

「簡単に言えば、俺達の世界には魔法が無い。そこで、ソフィーに魔法を地球で使って貰いたいって事だ。俺達の力だけではどうにもならんくてな」


私にチキュウで魔法を……?

チキュウには強いドラゴンとか、魔王とかいるのでしょうか。

それでしたら、私一人では厳しいかと……。


「ま、とりあえず1回来てみて欲しい。いつでも帰ってこれるからな。……ダメか?」


先程まで私をからかっていたとは思えないほど、いつになく素直なノヴァさん。


私がブレキアに開いていた店で、下着を見られるという最悪の出会いから始まったノヴァさん。


色々ありながらも、無事に終える事が出来た馬車での二人旅、そこで散々私をからかったノヴァさん。


驚異的な頭の回転で、マセントシアで丞相の陰謀を止めたノヴァさん。


……まぁ、少しくらいはついて行ってもいいかもですね。


「……行くだけ行ってみますね」

私は優しく微笑みながら、ノヴァさんに答えた。


「ノヴァ、そろそろ直るぞ」

「お前はその名前で呼ぶんじゃねぇ」

私に微笑み返したノヴァさんを、ヨシタカさんがからかう。


心臓が……ドクドク言ってます!

ノヴァさんに微笑まれて……!


…………それは無いです!

ノヴァさんはさすがに無いです!


「ソフィー、準備は出来たか?」

「それは無いです!」

「何がだ?」

話しかけてきたノヴァさんに、私は赤面しながら答えた。


「よし、準備できたぞ。みんないいか?」

「おう、出来てるぞ」

「はい、出来てます!」

「私もお供しまぁす」

ヨシタカさんの合図に私達は応えるが、余計なイサベルを私はジト目で睨む。


イサベルはこれ見よがしに胸を揺らし、投げキッスをして来た。

こ、こいつ!

挑発するなんて!

後で祓ってやります!


「おーし、それじゃあ行きますか!」

「オッケー、行くぞ!」

ノヴァさんとヨシタカさんは頷き合うと、ボタンを押した。


機体が激しく揺れだし、鋭い音が耳に響いてくる。

私は飛びそうになる意識を懸命に保ちながら…………。



「──フィー……ソフィー!」

「ん……あと5分……」

「何寝てんだ! 地球に着いたんだぞ! てか、今の短い間によく寝れたな!」


私の快眠を、叫ぶノヴァさんに邪魔された。

せっかくいい夢を見てましたのに……。

私がイケメンと結婚し、素敵な家庭を築くという…………今思えば、夫がノヴァさんに似てたような……。


「…………ん? なんだ?」

私がノヴァさんの顔をじっと見ていると、ノヴァさんが言った。


「…………これは無いです!」

「よし、表出ろ。折檻してやる」

私は笑いながら、ノヴァさんの顔から目を逸らす。


「星哉、ソフィー、着いたぞ。出てこい。子作りごっこはまた後でやりな」

ヨシタカさんが、寝転がり組み合う私達に言ってきた。


「チッ……じゃ、また後で続きやるか」

「やりませんよ!?」


ノヴァさんはそのまま機体から降りると、私の方を向いて。


「ようこそ、23世紀の日本へ!」

ノヴァさんが地球人で、その舞台は23世紀という2つのデカいオチはどうだったでしょうか?

お楽しみ頂けたなら幸いです!

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