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革命の白魔術師  作者: みらい
オリジナル (リメイク版から読むことをオススメします)
16/28

依頼その15 帰宅の白魔術師

「ノ、ノヴァさんの探してた人が、この国の国王なんですか?」

「ああ。どうやらそうみたいだ」

私が震えながらした質問に、ノヴァさんが答える。


「でも待ってください。ノヴァさんは、国王になれるような人と一緒に居たんですか?」

「まあそういう事になるかな。……実はな、そいつは俺以上の大金を持っている筈だ」

ノヴァさん以上の大金を?

でも待ってください、持っている筈ってどういう事ですか?

断定は出来ないのでしょうか。


「ノヴァさん、もしその人が国王になれたとして、どうして分かったんですか?」

私の質問に、ノヴァさんが今まで見た事がないほどの真剣な顔で答えた。

「この紙に書いてあった税の種類でだ。ここには見た事のある税が多く載っている。これらの税はあいつが知っているものだ」

見た事のある税と言うのは、ノヴァさんの故郷のガルムニアの税でしょうか。

それなら、ガルムニア出身の人なら当てはまるわけですが……。


「ねえねえ、それで大金を持ってるとどうして国王になれるのさ」

エリスがノヴァさんに聞いた。

「俺は国を買えるよりすこし少ない金を持っているが、あいつは更にそれ以上持っている筈なんだ。だったら国を買ったっておかしくない」

国を買えるほどのお金って……。


私が戦慄していると、エリスが。

「ねえねえノヴァ君。お姉さんと結婚しない? お金持ってるんでしょ?」

お金目当ての結婚ですか。

「構わんが、一緒には居られないかもしれないぞ。そうなっても金は要らんからやるが」

お金目当ての結婚を受けるってマジですか。

しかもお金は要らないとまで言いましたよ。

そんなにエリスの事を気に入ったんでしょうか。


「とりあえず、ソフィー。国王に会うにはアカデミー首席卒のお前の力が必要だ。また依頼させてくれ」

真面目な顔でそう言うと、ノヴァさんは頭を下げた。


ここまで真面目なノヴァさんは見た事がありません。

いつも下ネタばかりで。

口は悪くて。

だらけてばかりで。

そんなノヴァさんがここまでするという事は。


それほどその人の事が大切なのですね。


「分かりました。請けましょう」

私が優しく笑いながらノヴァさんに手を差し出した。

その手を顔を上げたノヴァさんが握り、笑い返す。


そして、ノヴァさんが人差し指をピッと立てた。

……?

……あっ。


「依頼金が100万ネルという事ですか?」

私が恐る恐る聞いてみると、ノヴァさんがコクリと頷く。


100万ネルでも十分ですが、ここで少し粘れば、ノヴァさんなら更に出してくれそうですね。

なんせ、ほぼ国を買えるほどのお金を持ってるんですから。


私が黙っていると、ノヴァさんが中指も上げた。

これで200万ネル。

更に薬指も上げ、300万ネル。


500万でよしとしましょうか。

ではそれまでじっくりと……。


ノヴァさんが小指を上げた。

ノヴァさんの首筋を汗がつたっていった。

この駆け引きは大事ですからね。

ノヴァさんも緊張してますね。


小指が上がって400万、その状態で。

「そっか……なら仕方ないな。エリスに依頼しよう」

「おっけい」

「す、すみませんでした! 私に請けさせてください! 300万……いや、100万でいいので!」


「──うぅ……私の400万ネルが……」

私が依頼を請ける事になり、私の家へと向かう途中、私は数百万も損した事に嘆いていた。


「別にいいじゃん。ソフィーの家はお金持ちなんだしさ」

「私は自分で稼いだお金がいいんですよ……」

「まあそんなに落胆するなって。仕事ぶりによっては追加で払うかもだしさ」

「本当ですか? 言いましたね!? よし、では早速向かうとしましょうか!」


早口でペラペラと喋り出した私を、エリスが抑えながら。

「はいはい、どこに行くの? まずは実家でしょ。挨拶しないとね」


エリスが私の肩を掴み、実家の方向へと向ける。

「早けりゃいいって訳じゃねぇぞ。今みたいな迷惑行為をしたら下げるかもだけどな」

「……ソフィーってば、急に大人しくなっちゃって」

「こいつは金にがめついからな」

うるさいですよ。

迷惑行為をしないのはいい事じゃないですか。


そうこうしているうちに、私の実家の前まで来ていた。

「私もついでに上がってくね。マリアちゃんに会いたいし」

私の家の大きな門を見上げながら、エリスが言った。


「別に構いませんが、先に抱きつくのは私ですよ?」

「マリアって妹だろ? 抱きつくってなんだよ。俺にもやらしてくれ」


「ノヴァさんはダメですよ」

「ノヴァ君はダメだよ」

私の妹に抱きつこうとする変態ノヴァさんに、私達はハモった。


私は深呼吸をし、ドアを開けた。

「ソフィーです! ただいま帰りました!」


すると、家の奥から急ぐように歩くマリアが出てきた。


「お姉様、おかえりなさいです!」


私は可愛い我が妹のマリアに抱きついた。


「ちょっ、お姉様!? 人が見てます!」

私に頬ずりをされ、顔を紅く染めるマリアが言った。


すると、それを眺めていたノヴァさんが。


「うん。女の子どうしってのは、やっぱりいいな」

この男は!

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