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革命の白魔術師  作者: みらい
オリジナル (リメイク版から読むことをオススメします)
15/28

依頼その14 国王の白魔術師

久しぶりに戻ってきた故郷のマセントシアで、幼なじみのエリスに遭遇した私は、いきなり胸を揉まれた。


「エリス、なんで私の胸を揉んだんですか?」

「なぜって、大きくなったかなぁって」

こいつ!

みんな私の胸をバカにして……。


「ところでところで、このイケメンは誰なのさ!」

私の隣に立っているノヴァさんを、指でツンツンとつつきながらエリスが言った。


「誰って、私が何でも屋を開いたから、そこのお客さんですよ」

「どうも、彼氏です」

「か、彼氏!?」

私が説明するも、ノヴァさんに邪魔を入れられエリスが騙された。


「か、彼氏……男っ気の無かったソフィーに……彼氏が……しかもこんなにイケメンな!」

「どうも、イケメンです」

「ノヴァさんは黙っててください」

イケメンと呼ばれて調子に乗ったノヴァさんの口を塞ぎながら、私はこれまでの経緯を説明した。


「──なあんだ、てっきり付き合ってるのかと思ったよ」

私の説明で誤解が解けたエリスが言った。


「でも、ヌルヌルになって抱き合ったりはしたよな」

「ッ!?」

ノヴァさんが誤解を招く言い方をしてエリスを再び混乱させる。


「ねえそれホント!? ねえソフィーはノヴァ君とそんな事したの?」

「しましたけど! しましたけど違います!」


私は再びエリスの誤解を解くために、ノヴァさんの口を塞いで説明した。


「──そういう事だったのね。……でも本当に何も無かったの?」

「何もありませんでしたよ……」

私の言葉に、エリスが残念そうな顔でふーんと言った。


「それで、街に戻って来たのはいいけど、このまますぐ帰っちゃうの?」

「もう帰りますよ。ノヴァさんの依頼で来ただけですから」

「ええー、少しくらい挨拶していけばいいのに。妹ちゃんも会いたがってたよ」

「うぐっ」


エリスが持ち出した私の妹とは、今は13歳でアカデミーに入学している。

妹のマリアは、私と同等の魔力の持ち主で、金髪の美少女だ。

妹はとっても可愛いんです。

私をお姉様って呼んでくれる可愛い妹です!

今すぐ帰って、姉っ子のマリアに頬ずりしてあげなきゃ!


「ノヴァさん、それではここでさようならです! 私は実家に戻るので! それでは!」

「あ、私も行くー」

「俺もー」


私について来ようとするエリスに便乗して、ノヴァさんが言ってきた。

「俺もー、じゃないですよ! ノヴァさんは人探ししてるんですから、探してきてください! さようなら!」

私はノヴァさんを押しのけ走ろうとすると。


「なんだよつれねえなぁ。まあいいや、行かせてもらおう。」

なんで着いてくるんですか……。

こんな人と一緒にいる所を親に見られたくないですよ……。


──実家への道すがら。

「へぇー、ソフィーってば旅の途中、池で漏らしちゃったんだ」

「うぅ……仕方ないじゃないですか……」

旅の途中で起きた事をアレコレと聞いてくるエリスに、私はついつい要らない事でも話してしまった。

これから暫くはこの事で弄られそうですね……。


「ねぇエリス。この話はもうお終いにしません?」

「んー、そうだねー」

「それじゃ、この話には二度と触れませんよ」


私はホッとため息をつくと、後ろを歩いていたノヴァさんが。

「さっきから何の話してるんだ? 俺にも聞かせてくれよ」

「さっきからずっと聞いてましたよね!? わざと言ってますね!?」

この男はいつもこうやって意地悪ばかり……。


そんな私達を見ていたエリスが、急にアハハと笑いだし。

「二人は面白いね! もっと仲良くなれそうじゃん」

「嫌だ」

「嫌です」

私とノヴァさんの声がハモった。


こんな時だけ揃うんですよね……。

普段は仲が悪いのに、こういう時だけ……。

ノヴァさんとは仲良くなりたくありません。


「それにしても、この街は随分と活気がないな」

街を歩きながらノヴァさんが呟いた。


それを聞いたエリスが。

「まあね。ソフィーがこの街を出た日、この国に新しい国王が就任したんだよ。ソフィーも知ってるよね?」


私が街を出る時に、新国王の就任の祭りがとても賑わっていたのでよく覚えている。

「それで、その国王がどうかしたの?」

私の質問にエリスが眉をひそめながら。

「あまり大きな声では言えないんだけどね、新国王が圧政を敷いているんだよ。高い税金に厳しい法律、兵役もかなり厳しくなったよ」


そういう訳でしたか……。

前の国王は民に優しく、厳しく税も取り立てていなかったのですが……。

新国王とはかなり酷い人のようですね。


「それがだいぶん酷くてさ。見てよこの紙」

そう言ってエリスが懐から取り出した一枚の紙には、税の名前がズラリと並んでいた。


私がこの街にいた頃から倍以上になってませんか?

それをジッと見つめていたノヴァさんが、口を開いた。


「間違いない、確信した。こいつだ」

「どうしました?」

今まで見た事がないような険しい顔をしたノヴァさんに、私は聞いた。


すると、ノヴァさんはゆっくりと息を吐きながら。

「俺が探していたのはこいつだ。この国の国王だ」

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