保健室といじめっ娘
悠希『あれ?僕は…』
ふと気がつくと、僕は保健室のベッドで寝ていた。
でも、何で…。
僕は、今日あったことをゆっくり思い出す。確か、ホームルームで転校生が来て僕は何故か倒れた。
悠希『思い出した…』
そう、転校生で思い出した。今日は確か転校生としてかつて僕をいじめてきた彼女が僕のクラスに転校して来たのだ。忘れようにも忘れれない過去。
僕は強烈な吐き気に襲われたが、何とか我慢してベッドに再び横たわった。
それにしても、僕をここまで運んで来たのは誰だろうか?その人に感謝をしなければ…
理沙「あっ、起きた!おはよーゆっきー!えへへ、久しぶりだね」
悠希『ああ、おはよ…、ダニィ!?』
おはよー!じゃない。何故お前がそこにいる!?危うく心臓が止まりそうになったじゃないか!
きっと夢だ。もう一度寝て起きたらきっと僕は今頃ばあちゃんの家だ
理沙「あっ、また寝るんだね。お休みゆっきー!私が添い寝してあげる!」
そう言うと彼女は強引に僕のベッドに入り込み、えへへと終始ニコニコしながら僕の方を見る。
ヤバい。自身の心臓が高鳴るのが手に取るようにわかる。
ただでさえ、小さなベッド。そんなベッドに二人も入ると、あちこちが密着している状態になる。そんな状態で、彼女に微笑まれると、並大抵の人間なら今頃狼さんになっているだろう
僕は何とか我慢して、彼女を押し出した。
理沙「痛っ!ゆっきー!怒るよ!せっかく私が保健室まで運んで上げたのにこれは酷いんじゃないかな!?」
悠希『え?』
彼女が僕をここまで運んでくれたのか…。一体何の為に…。
しかし、ここまで運んでくれたのは彼女だ。そこはしっかりと礼をしなければならない…
そう言えばあの後、僕は何時間気絶していたのだろうか?
ポケットに入っている携帯電話をとりだし、時間を見る。
携帯電話は12時20分を差していた。
オーマイ…。もう後10分もしたら昼休みの時間じゃないか…。
理沙「ゆっきー携帯持ってたの?前は持ってないって言ってたじゃん!」
悠希『ん?ああ、高校に入る前に親に買って貰ったんだよ。何かと不便じゃないかってね』
理沙「ふーん。…じゃ、じゃあさ!」
ぐぅー…。肝心な所で彼女のお腹が鳴った。
まあ、時間も時間だし、無理もない。
僕もちょうどお腹が空いた時間だし、体調も万全になった。
彼女には悪いが、先に教室に戻って貰おう。
僕はもうちょいサボって、後で友花にノートを写させて貰おう。
理沙「ごめん、先に戻ってるね。また後で!」
悠希『うん!ありがとうね』
そう言うと、彼女は教室に戻って行った。
彼女はもしかしたら、昔は怖い人だったが、今は良い奴になってるのかも…。
そう思うと、少し安心した。
…さて、もう一眠りするか!僕は再び瞼を閉じた。