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最弱魔法の錬金術(アルケミー)  作者: 〆鯖太朗
プロローグ
8/11

第六・五話 ハンバーグ

日常編ラスト

「アラタ~ご飯よ~」


そう言って部屋に入ってきたのは母親のマリアンだった。例の胸の人だ


アラタの唯一の癒しになっていた胸は、たかが三年でその魅力がなくなったりはしない。


気になりすぎていつもその胸を凝視していたが、一向に気づく気配はなく、


というか気にすることはなくそのまま近くのテーブルに、運んできた食事を置く。


どうして、歩けるのに部屋まで食事を運んできてもらう必要があるかって?


それはもちろん、危ないからだ。


力の制御がうまくいかないうちにどこそこ歩き回れば、家をぶっ壊しかねない。


マリアンもアラタが異常な力持ち主であるということは把握している。把握せざるを得なかった。


アラタ一人しかいない部屋で、周りの物がボロボロになっていたら、まぁそうなる。


だからある程度制御ができるようになるまではこうして身の回りのことをやってもらう必要があるのだ。


それと、この世界でもアラタという名前には変わりないらしい。


妙な偶然かと思っていた時もあったが、俺を産む前に神のお告げとやらが聞こえてこの名前にしたそうだ。


さてと・・・・今日のご飯は何かな~


「今日はアラタの好きなハンバーグよ~」


「あうあぁぁぁぁーーーーーーーーう!」


ハンバァァァァァーーーーーグ!


思わず声を上げて喜んでしまうアラタ。


マリアンもそれを見てニコニコとしている。


いや、『ハンバーグごとき喜ぶなんてまだまだ子供ね。』なんて言わないでくれ。子供だが!!


早速アラタはマリアンに食べさせてもらう。



はむっ



それを口に含むと、肉汁がドッと溢れてきてつい上を向いてしまう。


噛む度に広がるハンバーグの熱さと美味しさに悶え、手をブンブンと振るアラタ。可愛い。


中身があれでなければただのかわいい赤ん坊なのに。


今日も今日とて、アラタは母親の優しさに甘えるのであった。


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