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最弱魔法の錬金術(アルケミー)  作者: 〆鯖太朗
プロローグ
4/11

第3話 私はね・・・・

ヒロイン初登場

何も感じない__________

火の熱さも光の眩しさも、水の冷たさも何もかもが感じられない。

そこは感覚と言う概念が通じない、全くといっていいほど知らない心地がするところだった。

「俺、やっぱ死んだのか。」

空腹や脱水なんてこれまで経験したことがなかった。

そんな環境下で生きたことがなかったから、というのは育ちが良すぎたのだろうか。

「って、何処だよここ・・・・」

暗くて何も見えない、それでいて箱のようなものに詰められた気分だ。

息はできるが胸が苦しい。

二度目も死を体験した俺は、案外冷静にこの状況を見ることができるのかと思っていたが、

そんなことは無いらしい。

やはり、死ぬのは怖い。

死にたいときはいつでも死ねる。

だが、死にたくないときは死なないわけではない。

それが運命だと受け入れてしまえる人は恐らく少ない。

俺は大多数側なのだ。

これからどうなるのか、どうすればいいのか。

考えただけでも気が滅入りそうだ。

そしてそんな状況がますます俺を不安にさせる。

俺が不安な気持ちを押さえようとしていると、突然_____

「おぉ、なんか暖かくなってきた。」

優しい温もりが俺を包んだのだ。

まるで日向ぼっこをしている時のような穏やかな気分になる。

「し、染み渡るぅ~~」

その温もりに身を任せていると、体に力が湧いていくような感覚がしてくる。

すると、だんだん俺の意識が鮮明になっていくのが分かった。





_____????______

私は日課の鍛練のためにこの迷いの森に来ていた。

いつもならそこらの岩山で特訓するのだけれど、今日はなんだかいつもとは違う場所で鍛練をしたかった気分だったの。

「って、誰に説明してるのよ・・・・私は。」

とにかく、師匠の手伝いがあるから早めに済ませておこうと思って、近くのこの森にしたってわけ。

鍛練とは実に簡単なもので、そこらに全力の魔法をぶっ放すってだけなんだけど、

これが意外とキツいのよね。

全力を出さないと鍛練にならないからって師匠が煩いから、

いっつもくたくたになるまでやってこないと家に入れてくれないの。

「まぁ、お陰で結構強くなったんだけどね。」

そうこうしているうちに森の入り口にまで来ていた私は、森で迷わないように自らに魔法をかけた。

「標の光よ・・・・正しき道を我に示せ・・・・」

【リード】

すると、目の前にポツンと球状の光が現れた。

この光は、私に正しい道を教えてくれる魔法。

迷いの森は一度入ってしまえば、二度と抜けることはできないと噂されてる。

けど、実際はそうじゃないのよね。

だって、私何回もこの森抜けてるもの。

まぁ、それもこの魔法があってこそなんだけど・・・・

「よし。そんじゃあ、いっちょ飛ばしていきますかぁ~」

私はある程度広さのあるところまで歩き始めた。




___アラタ____

俺が覚醒すると目の前にはとても綺麗な少女がいた。

「ここは・・・・」

少女は目を見開き、俺を信じられないものを見るような目で見ていた。

何をそんなに驚いているのか気になった俺はひとまず問いかけてみる。

「俺の顔に何かついてるか?」

「い、いえ・・・・それよりあなた。体が・・・・」

ん?体が?

そういえば、さっきから下がスースーするような・・・・

って、まさか______!?

俺は辺りを見回し、近くにあった鏡を手に取り自分の顔を見てみる。

すると、鏡に映っていたのは10歳の時ぐらいの俺だった。

「なんだ、若返っただけじゃん。」

いや、良かった。

俺、知らない女の子に素っ裸見られたかと思たけど、ちゃんと服着てたわ。

「あなた、どうして自分が若返ってる姿見て驚きがないのよ!?」

「ん?若返ってる?・・・・・・って、どぅぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「さっき自分で若返っただけって言ってたじゃない。」

考えてみれば、俺はこんなに高い声じゃないし、今は16だぞ?

どうして鏡に10歳くらいの俺が映るんだよ。

有り得ねぇ、なんだよこれ。

考えれば考えるほど、謎は深まるばかりで俺は混乱することしかできなかった。

「まずは落ち着きましょう。はい、これ。」

そんなとき、その少女は俺にティーカップを渡してきた。

「これ、は?」

「このお茶はね、飲むととっても落ち着くのよ。」

「飲むと落ち着く・・・ん・・・・・ほんとだ。」

「ね?」

口の中に広がるハーブの香りが、俺の動揺していた心をほぐすように和らげてくれた。

今一つ納得は出来ないが、これのおかげで大分気持ちが楽になった。

それにしても、美味いな。このお茶。

「ところで・・・・君は?」

「私?あぁ、私はね・・・・」


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