桜子さんと柳くん
駄目な悪魔のメモ帳学校に忘れたので急遽、こちらを出させていただきました。
この話はおばあちゃんの家に行った時に撮った写真を元に作りました!
「あなたは、だれ?」
「僕は柳だ、君の名前は?」
「わかんない。」
「そしたら、そうだなぁ…。桜子、なんてよくないかな?」
「桜子?」
「うん、君によく似合ってるよ。」
柳くんは、優しい微笑んだ。
「ねぇ、柳くん、柳くんはなんでいつもだらしないの?」
「なんだい?その言い方は、ぼくは君よりも長く生きているんだ。先輩だよ?」
「でも年齢は関係ないって前に言ってたよ。」
「あー、そういやそんなこと言ったっけ。じゃあこれからは対等関係でいいよ。」
「でしょ、そっちのほうが柳くんも楽でしょ。」
「はぁ、まぁそっちのほうが楽だねぇ。」
「それと、ため息は少なくしたほうがいいよ。幸せが逃げちゃうんだって。」
「じゃあ僕が吐いた幸せは桜子ちゃんが吸って幸せになってくれよ。」
「おえっ、そう考えたら気持ち悪くなってきた。」
「酷いなぁ、そう言われると結構辛いんだぞ。」
「そんなこと言って、どうせそこまで傷ついてないんでしょ。」
話が途切れた。彼はため息をまたつき、静かになった。川には、鳥がぷかぷかと浮かんでいる。
「どうして悲しい顔をしているんだい?」
「私だけ背がちっちゃいから。」
「背なんて気にしなくていいのに。ちっちゃくなくなっちゃったら桜子ちゃんは可愛くなくなっちゃうよ。」
「でも背が低いと綺麗にはなれないよ?」
「別によくない?綺麗な子はたくさんいるけど、可愛いのは桜子ちゃんだけだよ。」
言葉がでなかった。顔がどんどん熱くなっていく。柳くんが顔を覗かせてくるから必死に隠す。不意打ちはずるいよ。心の中で呟く。川には鳥はいない。
「柳くんは好きな子いるの?」
「いたのかもしれないけど、覚えてないなぁ。大体は話せなかったし。」
少しびっくり。柳くんにもそんな感情があるなんて。
「じゃあ好きな子の条件は?」
「今日はグイグイ来るね。まぁ、やっぱり話せる子じゃないと好きにもなれないなー。」
その言葉を聞きびくっとする。
「じゃあ私?」
少しドキドキしながら言う。
「いや、ないない。桜子ちゃんは妹って感じだから。」
期待して損した。私は頬を膨らませいじけた。鳥は親子になっていた。
いつまでも変わらないこの風景
これがなんだか心地よくて
ずーっとこのまま2人でいたいな
「あのふたつの木、本当に綺麗だよねー。」
「そう?あっちの大きな桜の木の方が綺麗だと思うけど。」
「えー。そうかなぁ。」
「そうだよ。いろんな人に聞いてもこう言うと思うよ。」
川は止まることなく流れてゆく。
その川には鳥がぷかぷかと浮かんでいる。家族で仲良くと。