Not 転生。底辺冒険者の少女【短編・未完文章】
注意事項。
小説ですらない、文法も無視した文章です。
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天然な少女が主人公。
ひたむきで一生懸命。
何でも実直に、馬鹿みたいに真っ直ぐ。
報われない。
要領が悪くて、損している。
良い性格だけど、自分の短所を漠然と分かっては居る。
「そんな事、言われなくたって分かってる」
「でも、どうしようも無いんだから、しょうがないじゃん」
「もう放っておいてよ」
馬鹿で、実直で、冗談と本気の区別が着かない。
・良いな、器用に生きられるって
酒場と冒険者の兼業生活。
先輩冒険者に、アドバイスを貰う。
薬草をとりに行く。
初めての魔物退治。子連れの狼と出会ってしまった。
懐にはレモンが入っていて、それに剣を突き立てて狼に投げる。
怖かった、泣きそうになった、
それでも、匂いに苦しみ、子供が居て逃げられない狼に、剣で切りかかる。
自分が嫌いになりそうだった。
・良いな、魔法が使えるって
一人では限界が出てきた。
戦士、それも魔法や剣技が使えない、女の戦士。
自分よりも後に登録した人が先を行く。
魔法使いは、パーティーに誘われる。
自分よりも先に、評価が上がるのを聞いた。
おめでとう。笑顔でそういえる自分が居た。
だけど、作り笑いなのか本物の笑顔なのか、自分でも分からなかった。
・良いな、強いって
連日続く雨のせいで、一部の鮮度が必要な薬草が、手に入らない。
川を越えた先にある為、一般人じゃ取りに行けない。
酒場で悲嘆に暮れる一人の男性が目に付いた。
「どうしたんですか?」を聞いてしまった。
「今日、娘が怪我をしたんだ。治療をしたけど熱が出てきて、でも薬草が手に入らないんだ。医者の話じゃ、あと三日のうちに死ぬと」
冒険者ギルドには、日ごとに、報酬が上がっていく依頼があった。
これは、あの日の男性のやつだ。
雨が続くほど、依頼を受ける人が減り、ギルドには受付嬢しかいなくなる。
主人公は、その依頼を受ける。
増水した川は、元々の水量が低かったこともあり、渡れなくはない。
途中、流木に衝突し、足が取られた。
滑ったけど、ぎりぎり耐えられた。
流されたこともあったけど、途中で何かに捕まって、耐えた。
そして、偶然にも岸までたどり着けた。
そこで薬草を見つけ、採集用の小瓶に詰め、かばんの中に入れる。
かばんが落ちないように、服の中に隠す。
帰り道、川は渡りきれたけど、へとへとで、もう駄目そうだった。
それでも、頭の中で、母の言葉を思い出す。
「頑張れば、報われる」と。
馬鹿と、周囲の冒険者から怒られた。
命を粗末にするんじゃないと。
だが、笑顔は出てこなかった。作り笑いが出来る雰囲気ではなかった。
悲痛な顔で涙を流す少女を、これ以上、叱れる者はいなかった。
だって、冒険者の命は自己責任だから。
・良いな、幸せになれるって
器用に生きる事ができない。
そんな自分に嫌気が指す。
明日は、休みを取ろう。
酒場の仕事は、無理を言って休んだ。
そんな時に限って、お礼を良いに男性が酒場に来たけど、すれ違いになる。
流されそうになった川に一人で来る。
何故怒られたか、分からない。
皆に理解できることが、理解できない。
折り合いを着けることが、出来ない。
出来ない出来ないできない。
そんな自分が悔しくて、そんな自分が悲しくて、
もうどうにかなってしまいそうなほど、辛かった。
さめざめと泣く少女の姿は、月だけが見ていた。
少女も月だけを見上げていた。