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女の子の視点8

ツインソウルは、好きなタイプとは限らない。


普通なら、気にせず、ただすれ違っていただけかも知れない。


タイプではないのに何故か好き。


どうしても、忘れる事が出来ない。


それがツインソウル。


【神緒家】


「行って来ます」


「あ、お兄ちゃん。今日は、帰りにサロンに寄って」


「え?何で?」


「良いから、良いから」


「ハイハイ」


【洸貴の会社】


「帰りに何か食べて行こうよ」


「そうね」


「ボスは、誘ってもダメですかね?」


「ゴメン。今日は、ちょっと」


「コイツは、家で旨い料理が待ってるからな…俺は、付き合うぜ」


「奥さんの料理が美味しくて真っ直ぐ帰る人は居るけど、ボスの場合妹さんだもんね」


「サロンに来るように言われてるんだ。何か嫌な予感がするけど…ま、まあ気のせいか…」


【ケーキ屋】


「お待たせしました」


「ありがとう」


【美貴のサロン】


「今日のお土産は、何?」


「はい、これ」


「ありがとう」


受け取るついでに、逃げないようにしっかり捕まえとかないとねー


【セッションルーム】


「ジタバタしないで、さっさと入る」


「やるのか?」


「やるのよー」


ティシュの箱を用意しておかないと…


これで良し。


準備OKだわ。


「ゆりちゃんが今まで見た過去世の相手が、本当にお兄ちゃんなのか確かめて、自分で納得したほうが良いのよ」


そして、嫌がるお兄ちゃんに、ヒプノして、過去世を見せたの。


お兄ちゃんは、泣くから嫌だ、って言うけど…


別に妹に泣き顔見られるぐらい何だって言うのよ。


「別に2人の話しを信じてなかったわけじゃないけど、こうやって自分で見てみると、本当にいつも…何千年も前から一緒に転生してたんだな…」


「はい、ティッシュ」


「今日も泣いた…過去世の僕を今の僕が見ている感じなんだけど、感情移入するから泣けて来るのかな?」


「客観的に見ていたり、自分が過去世の自分になった気になったりしない?」


「する」


「イタリア時代は、浮気じゃなかったんだね」


「そんなにいつも、浮気ばっかりするか」


「だって、平安時代も、中世ヨーロッパも、江戸時代だって浮気したじゃない。お兄ちゃんのせいで私まで男性不信になりそうだわ」


「僕のせいで、って、過去世の僕だろ」


だって、江戸時代はあんまりよね…


町方同心だったお兄ちゃんは、ゆりちゃんと夫婦だったんだけど、町娘との不義密通の罪で流刑になったの。


それでもゆりちゃんは、許されて帰るのを待っていたんだけど、お兄ちゃんが配流先で死んだので仏門に入ったのよ。


イタリア時代のお兄ちゃんは、チェリストで、ゆりちゃんは、師匠の娘でピアニストだっの。


2人は夫婦で、一緒にデュオもしていたけれど、お兄ちゃんは、他のピアニストと共演する事も多かったわ。


ある時、共演者と浮気していると噂になって…


そしてゆりちゃんは、本当に浮気したと思い込んでいしまったの。


それから2人はずっと気持ちがすれ違ったままだったのよね…


「ゆりちゃんに言っておかないとね」


「別に今生では何でも無いんだから、過去世の言い訳しなくたって」


「過去世のお兄ちゃんのせいで恋をするのが怖いのよ。だからちゃんと言ってあげないと」


「ブロックか」


「そう、ブロック…でも本当に何でも無いの?」


「気にはなるけど、今は妹が2人になった感じかな」


「んん、もう、本当じれったいんだから!まあ、お兄ちゃんのブロックも取っといたから、少しは変わるでしょう」


ブロックは、取ったけど…


お兄ちゃんは、自分の気持ちを抑え込んでいるんだわ。


何がそうさせるのかしら…?


「ゆりさんの声は好きだよ。最初に声を聞いた時、懐かしいような感じがしたな…誰か知ってる人の声に似てるのかな?って思ったりもしたんだけど、誰だかわからないし」


「きっと魂が覚えていたのね…でも、前の彼女の声はそうでもなかったでしょ?」


「うん…特には…」


「今日、前の彼女の過去世見た事は、ゆりちゃんには内緒にしといてあげるからー」


「別に…」


「言っても良いの?」


「…」


「やめといたほうが良いと思うけど…お兄ちゃんは、正直過ぎるから困るわ」


そして今日は、2人が魂の再開をしてから、3度目のヒプノセラピーをするのよ。


もう、泣くから嫌だなんて言っても逃がさないんだから。


さてさて、あの嫌がるお兄ちゃんを、何て言って呼び出そうかしら?


会社に行った方が早いわね。


【洸貴の会社】


「よう、美貴ちゃーん」


拓真君だわ。


「やっと、俺とデートする気になったか」


「え?またそんな事言って」


「あー、本気にしてないな」


「お兄ちゃん居る?」


「ちょっと出てるけど、急用?」


「じゃあ、7時に迎えに来てって、言っといて。絶対、ぜーったい来て、って」


「わかった。文句言っても、俺が取っ捕まえて連れて行くよ」


「ありがとう。お願いしますね」


「お願いされちゃいました」


【美貴のサロン】


そして、迎えに来たお兄ちゃんを捕まえて、四の五の言わせずにヒプノしたわよ。


今日は、ハイアーセルフと繋がったの。


「本当によく泣くなと思ってたけど、やっぱりツインソウルだったのね。ヒプノすると泣く人は多いけど、お兄ちゃん普段は全然泣かないものね」


「当たり前だ」


「はいティッシュ。ほらほら、ちゃんと鼻かんで」


ヒプノをすると、他の人との過去世も見るけれど、大泣きするのはゆりちゃんの所ばっかり。


「ツインソウルの涙って、どんなに我慢しても勝手に溢れてしまうのよね。オーラの中の潜在意識で覚えていて、「どうして今まで会えなかったのか」って魂が泣くの」


初めて会ったのに懐かしい感じがしたのはツインソウルだからなのね…


お兄ちゃんの魂の声が聞こえる…


「やっと巡り合えた」


そう言ってるわ。


「お兄ちゃん達が過去世でちゃんと学べていたら、それほど障害は無いかも知れないけど…まあ、ツインソウルと言っても、人それぞれだからね」


今生の2人は、どうなって行くのかな…


ハイアーセルフは「2人は、ツインソウル。どの道を選ぶのかは自由」と言ってたわね。


お兄ちゃんは、今はまだ妹のような感じ、って言うけど、恋愛感情の無いツインソウルは居ないのよ。


お兄ちゃんと私は、ツインメイト。



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