女の子の視点7
ツインソウルは、不思議なシンクロをする。
度々偶然会ったりする。
同じ時に物が壊れたりする。
同じ時に風邪をひいたりする。
同じ事を考えていたりする時が有る。
それがツインソウル。
【公園】
「こんにちは。お昼休み?」
「あっ、あれ?今日は子供たちは?」
「今日は、幼稚園お休みなの」
「そうなんだ…どうしてここに?」
「どうしてかしら…?何と無く足が向いたの」
「ランチまだなら、一緒にどう?」
「ご一緒しても構わない?」
「勿論」
彼は、パスタね。
私も、同じ物を頂こうかしら?
食べ物の好みが似ているみたい。
「男の人と2人でお食事するの初めてなの」
「フランスの修道院に居たって美貴から聞いたけど…」
「今でもシスターになりたいと思ってるのよ、でも…」
「でも?」
「あっ…」
桜の花びらが舞って、私たちのテーブルの上に落ちて来たわ。
手を開いて舞い散る花びらを受け止めたの。
「すぐに散ってしまうのよね…この季節が一番好きだわ」
「僕もそうだな」
大きな桜の木の下に行って見上げると、とっても綺麗…
こうして、舞い散る桜の花の中に居ると、幸せな気持ちになるわ。
そんな風に思いながら、桜の花に見惚れていたの。
そして、彼の視線に気づいたの。
ドキドキしたわ。
何?この感覚は…
今まで感じた事の無い感覚だわ。
まだ、じっと見てる…
「どうかした?」
「いや…」
「ボート…楽しそうね」
「乗る?」
「だって、会社に戻るんでしょう?」
「大丈夫。自分の会社だからね、わりと自由なんだ」
ボートに乗ると、水鳥達が近づいて来たわ。
「気をつけて。鳥達にぶつかったりしないでね」
「大丈夫だよ」
ボートを止めて、しばらく鳥達を見ていたの。
可愛いわね…
【美咲家の前】
そんなある日…
今日は、父に言われて都内のホテルに行くの。
どうしても…行かなくてはいけないのね…
「お待ちください。車でお送りしますので」
「倉原さん…良いわ。電車で行きたいの」
「ですが、それでは私が叱られます」
「大丈夫よ。父には黙っていれば良いわ」
「はあ…」
【高層ビル街】
「打ち合わせも終わったし、一杯やるか」
「良いね」
【ラウンジ】
「俺、ブルー・ラグーン」
「僕は、ジャックダニエルをロックで」
「畏まりました」
「美貴ちゃん彼氏出来たか?」
「今は忙しくて、いらないそうだ」
「お前さ、喜んでない?美貴ちゃんだって、いつかは結婚させてやらないと、いつまでも兄貴の世話させてちゃさ」
「わかってるけど、美貴が結婚するなんて、今はまだ考えたくないよ」
「こんな兄貴が居たら、一生結婚出来ないな。まあ、売れ残ったら、俺が貰ってやるよ」
「た・く・まー」
「ここから見る夜景は綺麗でしょう?修道院に居たと聞いていたので、こういう所は来た事が無いと思ってね」
「ええ…」
「今度は、何処に行きたいですか?何処へでも連れて行きますよ。ゆりさんが望む事なら、何だってします」
「ゆり…さん?」
「あの、私、今日はお断りしようと思って来たんです」
「断る?どうしてです?ゆりさんのお父様から、結婚を前提のお付き合いを許されるているんですよ」
「おい、どうした?洸貴…もしかして彼女が?」
「ああ」
「おい、良いのかよ」
「そろそろ帰らないと…美貴が心配するから」
「お前本当に帰る気か?!ここをどこだと思ってるんだよ。あの男部屋取ってたらどうすんだ?」
え?
あれは…洸貴さん?
カウンター席を見ると、彼が背中を向けて、拳を握り締めて立っているわ。
「洸貴さん」
「ゆりさん?知り合いですか?」
「洸貴さん、違うのよ。この人は父の会社の人なの」
「…」
「彼はゆりさんの友人ですか?紹介して下さいよ」
「高見沢さん、ごめんなさい。今日はお帰り下さい」
「それは、あんまりだ。部屋を取って有るんですよ。シャンパンでも飲んてゆっくり話しましょう」
「!!」
「僕の家に行こう。美貴が待ってる」
そう言うと、彼は私の手を引っ張ってラウンジを出たの。
【歩道橋】
「…痛いわ」
「ごめん」
そして、彼はそっと手を放したの。
「…」
「…」
何から話せば良いの…?
どこまで知っているのかしら?
「…」
「…」
「本当に、洸貴さんの家に行っても良いの?」
「うん」
私は、彼のジャケットにそっと掴まって…
そしてまた、2人は黙って歩いたの。
「不思議ね…洸貴さんと一緒に居ると安心するの」
「…」
「ずっと前から知り合いだったような気がしてたの…やっぱり過去世のせいかしら?」
「僕もそう思ってた」
「何も聞かないのね…高見沢さんの事…」
「……」
「父の会社の部下なの。お見合いさせられて…」
「…」
「母は、ちゃんと恋をして結婚してほしいって、言っているのよ。でも父が許さなくて…」
「私ね、シスターになるつもりでいたから、まだ恋をした事が無いの」
「恋する気持ちや、トキメキを知らないで今日まで生きて来たの」
【神緒家】
彼の家に行くと、美貴ちゃんは少し驚いていたけれど、察してくれたようで、何も聞かずにお夕食を用意してくれたわ。
「今日は、もう遅いから泊まって行ったら?」
「でも、ご迷惑じゃないかしら?」
「うちは大丈夫よ。何だかこのまま帰すのが心配で…」
「ありがとう」
「あっ、お父さんが許さないか」
「今日は、父は出張だから大丈夫」
【美貴の部屋】
「ここからは、女子会よ。お兄ちゃんは遠慮してね」
「ハイハイ」
そして、今日の経緯を美貴ちゃんに話したの。
「ソウルメイトなのかしら?洸貴さんと私」
「ソウルメイトにしては、過去世を見ても縁が深すぎるのよね。もっと縁の深い魂じゃないかな」
「ソウルメイトより縁の深い魂なんて有るの?私、そういうの良く知らなくて…」
「ソウルメイトやツインメイトって、以外とたくさん居るのよ。2人はツインソウルじゃないかと思うんだけどな」
「ツインソウル?」
「ツインソウルは、1人に12人存在して、一割が同性だと言われているのね。巡り合う事がとても難しいんだけど、会えば強烈に惹かれ合う魂なのよ」
「強烈に…惹かれ合う」
「でも、これが大変な学びで、すんなり結ばれないのよね。どちらかが結婚してたり、色々と障害が多いのよ」
「強烈に…かどうかわからないけれど、確かに初めて会った時から惹かれていたのは本当よ。でも、その気持ちが何なのかわからなかったの」
「2人とも恋愛にブロックが有るから、時間がかかりそうだわ」