表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/28

女の子の視点6

ツインソウルは、魂の学びが進み中年になって巡り会う事が多い。


何方か又は両方が、結婚又は恋人の居る状態で巡り会う人が多い


年の差ツインソウルも多い。


それ故苦悩する。


それがツインソウル。


【神緒家の玄関】


「お帰りなさい。早く早くー」


「コラコラ、引っ張るな」


「はい、これ美貴の好きなタルト」


「ありがとう。早くこっちに来て」


「今日は、お店の人が届けてくれたから、並ばないで済んだんだ」


「良いから早く」


「ハイハイ」


【リビング】


「お帰りなさい、おじゃましてます」


「えっ?!」


「無理言って来てもらったの」


「って、どうしてゆりさんがここに?何で美貴とゆりさんが?」


「今日お友達と一緒に、私のサロンに来てくれたのよ。それで、無理を言って来てもらっちゃったのー」


「私は、付き添いで行ったんですけど、お友達に勧められて、ヒプノセラピーを受けたんです」


「名前を聞いて驚いたわ」


「これはさすがに僕も驚いた。少々の事では驚かなくなっていたんだけど…妹がああだからね」


「何よ、それ」


「やっぱり中世ヨーロッパのシスターローラは、ゆりさんだったわよ」


「平安時代は巫でした。幼なじみだったんですね、私たち」


「本当に…一緒に転生しているのか…?」


「二人とも皇子に生まれて、幼い頃は、いつも一緒に遊んでいたのに、貴方は臣下に下り、私は斎宮になって、会えなくなってしまって…」


「あの夜、僕が青海波を舞った夜、祭りの興奮覚めやらぬ僕は、斎宮の所に行って抱き締めた」


「神に使える身の私は、貴方を愛していながら、その気持ちに応える事は出来なかったの」


「愛していながら?貴女は、僕の腕をすり抜けて行ってしまった」


「貴方は、色々な女性とうわさが有ったわ」


「ま、まあ、あの時代の宮中だからね」


「中世ヨーロッパでも、マリアさんと」


「過去世で学んだのかしらね、今生のお兄ちゃんは、ちょっと違うから大丈夫よ」


「大丈夫って…」


「あのね美貴ちゃん、僕たちはまだね」


「今生は、二人とも奥手みたいね」


「聞いてないし…」


この日から、美貴ちゃんと私は、すっかり仲良くなってしまったの。


そして、何度かヒプノセラピーもしてもらったわ。


お家にも、度々お邪魔するようになったの。


「ただいま」


「ゆりちゃん来てるわよ」


「お邪魔してます」


「随分仲良くなったみたいだね。縁が有るのは、僕じゃなくて、美貴なんじゃないか?」


「平安時代は私も居たから、会った事は有るかもね。でも、縁が深いのはお兄ちゃんだわ。ローマやギリシャでも一緒だったし」


「ローマやギリシャ?そんな過去世見てないぞ」


「この前のヒプノでは、中世ヨーロッパと平安時代で、わんわん泣くから、他は見れなかったものね。もう一度やる?」


「も、もう、とうぶん良いよ」


「フフフ、洸貴さんも泣くのね」


「そうよ。だから、ティシュをたくさん用意しておくの」


「余計な事を…」


「私も泣きました。今の自分じゃないのに…不思議ね…」


「ローマって、どんなだった?」


「まさしくRPGの世界よね」


「武器や鎧を売っている町で、私達は道具屋をしていたの。洸貴さんが道具を作ったり、薬草を採取して来てくれて、私が薬を調合していたのよ」


「ふーん…って、一緒にやってたの?」


「婚約してたんだって、お兄ちゃんたち」


「そ、そうなんだ…」


「何か…二人して赤くなってる?」


「からかうなよ。過去世の話しなんだからな」


「ギリシャって、ああいう島今も有るわよね?」


「外敵から守る為に崖の上に町を作ったのかしら?ロバでしか通れない道を上がって行った所に町が有るの。そこで洸貴さんは絵を書いていたわ」


「この時二人は夫婦だったのよね」


「…ええ」


「で、今生は?」


「えっ?」


「コラコラ、からかうなって」


「他の人は嫌だけど、ゆりさんならお兄ちゃんのお嫁さんになっても良いかなー、って思ってるのよ」


「他の人は嫌か…小さい頃良く言ってたな…お兄ちゃんを取られたくないって」


「フィンランドの過去世も聞く?」


「あれはやめて。悲しいから、今は思い出したくないの」


「まあ、そうよね…」


フィンランドの過去世…


それは、あまりに悲しくて…


私…耐えられなくて…


途中でセラピーをやめてしまったの。


【園庭】


フィンランドの過去世では、トナカイの放牧をして暮らしていたの。


私たちは、男の赤ちゃんが生まれたばかりで、幸せ一杯でした。


ある時村のトナカイが盗まれる事件が続き、夜に交代で見張る事になったの。


犯人は彼が見張りの時に現れて…


そして、彼は…


刺されて死んだの。


「おじちゃんだ、おじちゃーん!」


「美咲先生!おじちゃんだよー」


子供たちと、お庭で遊んでいると、時々彼が通りかかるの。


この時間に会社に向かう時も有るのね。


【レストラン】


今日は、美貴ちゃんと明希ちゃんと三人でお食事に来ているの。


「ねえねえ、美貴さんのお兄さんて、彼女居るの?」


なんて…明希ちゃんたら…


「え?彼女?居ないわよ…今はね」


「今は?」


「だって、お兄ちゃん今年で25よ。過去に彼女の1人や2人、居ない方がおかしいでしょう。それともそんなにモテない男がお好き?」


「私は、シスターになりたかったから、1人も居ないません。それに…」


「それに?」


「過去世の洸貴さんのせいで、恋をするのが怖くなっちゃったの」


「まあね…過去世のお兄ちゃんは、浮気者だったり、ローマ時代は婚約中に町に攻め込まれて死んだり、ギリシャでも、流行り病で若くして亡くなってしまったのよね…フィンランドの時は、あんな悲しい事件だったし…」


「今生でそんな悲しい思いをするのは嫌だわ。それに、浮気者だし」


「それは、過去世でしょう」


「どうかしら?」


「お兄ちゃんはお兄ちゃんで「人を好きになっちゃいけない」っていうブロックが有るのよね。過去世で聖職者にばかり恋をしていたせいかしらね」


「聖職者…シスターは、恋愛も結婚もしないで、一生修道院で暮らすんですものね」


「でもね、過去も未来も無いのよ。今生では幸せになって良いんだからね、まあ、今生は別々っていうのも有りだけどね」


そして…


過去世から縁が有る魂だからと言って、今生で巡り合っても深い関係にならない事も有る。


そう教えてくれたの。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ