女の子の視点24
魂の学びは、必要な時に必要な事が起こる。
その時必要な人と出会い、必要の無い人とは自然と離れて行く。
ただ必要な事が起こっているだけ。
それが魂の学び。
[そして…美優も3才になったある日]
【美貴のマンション】
「うう、寂しいよ」
「おじちゃま、泣かないで」
「お兄ちゃんたら、すぐ帰って来るんでしょ」
「あのな、俺も一緒に行くんだけど」
「パパは泣いてないよ」
お兄ちゃん達は、オモチャショーでフランスに行くのよ。
お兄ちゃんの会社で作ったゲームが出品されるの。
「お土産買って来るからね」
「うん」
フランスに行くのね…
ゆりちゃんは、今どこに居るのかしら…
私も夫も、なるべくその事には触れないようにしてるけど…
【フランスのオモチャショーの会場】
[洸貴の会社のブースには、黒山の人だかりが出来ていた]
「大盛況だな」
「ああ」
「今夜は祝杯か?」
「だな」
【bar】
「俺は、やっぱシャンパンよりビールが良いな」
「……」
「洸貴」
「え?」
「そうだ、明日、ロンシャン競馬場に行こうぜ」
「凱旋門賞か」
「日本の馬が走るからな」
「そうだな、行くか」
「今年は、勝ってくれよー」
【ロンシャン競馬場】
競馬場は凄い人出だ。
僕は、拓真とパドックで馬を見ていた。
日本の馬が居た。
「良い感じで歩いてるぞ」
「え?」
やはり、フランスに来ると、彼女の事を思い出していた。
ボルドーに…居るのだろうか…?
「おい、洸貴。どこ見てんだよ。8番の馬だよ」
「うん…」
その時、風を感じて振り返った。
何だろう?この感じ…
[ゆりと洸貴は、少し離れた所ですれ違っていた]
私は今日、母の友人の馬が走るので、競馬場に来ているの。
[風がゆりの髪を揺らす]
[振り返るゆり]
え?洸貴…さん?まさか…
そんははずないわ…でも…
[人混みの中に洸貴が居る]
洸貴さんなの?
洸貴さん!
「おい、洸貴行くぞ」
待って…洸貴さん。
[洸貴の後ろ姿]
待って…お願い、行かないで!
「待って」
「ゆり!声が」
「え?」
[人混みに紛れて洸貴の姿は無い]
「ゆり、今、声が」
本当に貴方なの…?
それとも幻?
【スタンド】
「凄い人だな…」
「…」
「早く行かないと、座れなくなるぞ」
「……」
「洸貴。どこ見てんだよ、早く来いよ」
メインレースが始まった。
日本の馬は、4コーナー先頭で2着に粘った。
【プロヴァンスの家】
私は、声を取り戻してから、普通に外に出かけられるようになったの。
あの日…
あの日ロンシャン競馬場に居たのは、本当に洸貴さんだったのかしら…?
もう一度…会いたい…
でも…
私…私は…他の男の人の妻になってしまったの…
もう、会えない….
「マリア様が好き」って言っていたわ…
「マリア様の様な清らかで慈愛に満ちた女性が好き」って…
やっぱり…会えない…
【日本のいつもの公園】
僕は、昼休み拓真と一緒にランチに来ている。
子供達の賑やかな声がする。
幼稚園の子達と、3人の保育士さんだ。
ゆりさんは…いない…
「お前、本当子供好きだよな」
「美優が生まれて、もっと好きになった」
「そろそろゆりさんの事忘れて、他の人と結婚しても良いんじゃないか?」
「…」
「自分の子供は、可愛いぞ」
「ああ、可愛いだろうな」
「会社の女の子で、お前の事好きな子が居るんだけど、付き合ってみないか?」
「…」
【居酒屋】
手がけていたゲームが出来上がったので、会社の皆んなと打ち上げに来ているんだ。
料理を取り分けてくれたり、おしぼりを取ってくれたりする子が居る。
「洸貴。いい加減気づいてやれよ」
わかってるんだけど…
「今日は、送って行ってやれよな」
それは、やめておいた方が良い。
今の僕は、以前みたいに、いい加減な気持ちで付き合ったり出来なくなっていた。
もう32才だ…付き合うのなら、結婚を考えなければ…
僕は、彼女を一人でタクシーに乗せて帰した。
「あーあ、可哀想に…まあ、毎日会社で会うんだから、そのうちな」
【神緒家】
叔母からもいくつかお見合いの話しが来ていた。
「洸ちゃん。会うだけでも会ってみたら?」
「悪いんだけど、そんな気になれないよ」
「だって、いつ迄も一人で居るわけいかないでしょう」
そう言って何度も来てくれるけど、全て断っていた。
結婚は…良いかな…
恋も…もう誰かを探す必要も無いし…
今生ツインレイは居ない。
一番縁の深い魂は、ツインソウルだ。
でも…
彼女はもう…人の奥さんだから…




