女の子の視点22
魂の学びには試練が付き物。
ツインソウルは、ただ普通より過酷なだけ。
人生と言うシナリオのハッピーエンド。
その前には必ず試練が有る。
それが魂の学び。
【美貴のサロン】
「じゃあ、お願いね」
「はい」
お兄ちゃんのヒプノ…
私がやると先入観で見るといけないから、スタッフにお願いしたの。
私の結婚式の日に、ツインレイとの過去世を見たと言ってたけど…
「オレンジ色の屋根が見える…」
「家の中に誰か居ますか?」
「妻が…ベッドの上で…亡くなっている…小さな男の子が泣いて…」
ツインレイ…あの中世のシスターマリアと同じ魂。
5000年ぐらい前と、前世でも一緒だった人よ。
「本当に、ツインレイの涙は異常だわ…今日も中世まで遡れなかった」
「今生…レイの魂は…感じられない…」
「ツインレイは光、宇宙にたった1人。ツインフレームは炎。7人居て男女半々。ツインソウルは双子の魂。12人居て1割以下が同性」
「ツインフレーム?そんなの出て来ないぞ」
「ツインフレームとは恋愛関係にはならないのよ」
「ふーん、そうなのか…」
「ツインレイも、ツインフレームも今生に居ないなら、一番縁の深い魂はツインソウルのゆりちゃんよ」
わかってはいるんだけど、最近またお父さんの会社で色々と忙しいみたいで、会う時間が少なくなってきた…
フランスに行くと言っていたけど…すぐ帰って来るんだよな…?
【ジュエリーショップ】
「サイズは、いくつですか?」
「僕の小指と同じぐらい」
「測ってみますね」
[サイズを計る店員]
「8ですね…こちらになります」
指輪を買った。
僕は、ゆりさんにプロポーズすると決めたんだ。
それから向こうのご両親と会えば良い。
【空港】
今から日本を発つの。
今回は、長くなりそうだわ。
電話…
もう、仕事終わったかしら?
【駅】
駅を下りて家への帰り道…
携帯が鳴った…ゆりさんからだ。
「今からフランスに向かうの」
「帰ったら話しが有る」
「洸貴さん、私」
「ゆり、早く来なさい!」
彼女のお父さんの声か?
電話が切れた。
嫌な予感がする…またしばらく会えないのだろうか…?
愛していると言えば良かった…
まだ一度も言ってなかったんだ。
今生で一番縁の深い魂…過去世の三角関係…
ツインソウルだとか、ツインレイだとか、もう、そんなのどうでも良くなった。
今はただ彼女を愛している。
他の誰でもない、美咲ゆりと言う一人の女性を、僕は愛している。
【海】
その夏私達3人は、海に来ていたの。
「「子供が出来たら中々来れない」って言うから来たのに、お前、海に入ろうとしないし」
「だって、日焼けしたくないんだもの、良いじゃない」
「洸貴…何黙り込んでるんだ?」
「指輪も買ったし、ゆりちゃんが帰るの待つだけよね」
「電話とかしてんだろ?」
「連絡取れてないんだ」
「えー?どういう事よ」
あの日、フランスに行くと電話が有ってから、連絡が取れなくなってるみたい。
「ボルドーのホテル、資金繰りが悪いって言ってたわね」
「うん」
「本当に、パパが生きてたら、5億ぐらいどうにでもなるのに」
そうだな…僕も役員になっておけば良かった…
「そうか、忙しいんだろ…ま、まあさ、せっかく来たんだから、少しの間ぐらい彼女の事は忘れて楽しもうぜ」
[2人の腕を引っ張っる拓真]
「ちょっと、やだ」
「嫌じゃないの。せっかく来たのに、海に入ろうぜ」
そして、3人で海に入ったの。
「や、ちょっと、やったわね」
「ほれ、ほれー」
「子供なんだから…お返し!」
2人で水の掛け合いをしてたんだけど…
気がつくと、お兄ちゃんはボーッと突っ立ってるだけ。
そうよね…
ゆりちゃんと、また離されてるんだから…
数日後、会社に美貴から電話がかかって来た。
「お兄ちゃん大変!今日の新聞に、MISAKIグループの会長の令嬢結婚、って出てる!これ…何かの間違いよね?」
「え…?」
「何とか調べる方法無いかしら?」
僕は、彼女の家も知らない。
お父さんに見つかると大変だから、いつも幼稚園までしか送って行けなかったから…
彼女のお母さんだけが、唯一僕達の味方だったけれど、話した事も無い。
[そして…フランス]
[その夏ボルドーでは、ゆりと高見沢の結婚の準備が進められていた]
【ボルドーのシャトーホテル】
「お父様!どうして洸貴さんじゃいけないの?」
「まだそんな事を言っているのか!!いいか、あの男とは一切接触させるな!ホテルから一歩も出すんじゃないぞ!」
[そう言うと、父は部屋から出て行った]
「ゆり」
「お父様、ひどい…」
「高見沢さんのお父様の会社から融資してもらったのよ」
「結婚は嫌」
「お母様と同じ事になってしまったわね。あなただけには、あんな辛い思いをさせたく無かったんだけれど…」
[そしてゆりは、母の膝で泣いた]
【夜のバルコニー】
ここから飛び降りたら死ねるかしら?
[バルコニーの手すりに近づくゆり。その時、天使が正面からぶつかって来る。そして、フワッと着地して消えた]
「あ…守護天使?ミカエル様じゃなかった…」
死んではいけない…
神がお許しにならないわ。
[ゆりの瞳から涙が溢れる]
死ぬ事も、逃げ出す事も出来ないのね…
[数日後]
【ホテルの控え室】
[椅子に座っているゆり]
「お嬢様。そろそろお着替え下さい」
[メードが手にウエディングドレスを持って立っている]
「………」
【チャペルの前】
父「ゆりは、まだ来んのか?」
母「支度に手間取っているのでしょう」
【チャペルの中】
[そして、結婚式が始まった]
「誓いますか?」
[神父の前に並ぶゆりと高見沢]
「誓いますか?」
どうしてこんな事になってしまったのかしら…
「どうしました?誓いますか?」
「誓います」
[ゆりは小さな声でそう言った]
誓うと…言ってしまった…もう…おしまいだわ…助けて、ミカエル様。
[ゆりの瞳から涙が溢れる]
「それでは、誓いのキスをして下さい」
助けて…洸貴さん…
[ゆりのベールを上げキスをする高見沢]
嫌……もう…会えない…
【ホールの扉の前】
「もう少し楽しそうな顔が出来ないものかね、今日の主役は私達なのだから」
今からでも、逃げ出したい…
「お入り下さい」
[促されて、中に入る2人]
[ホール]
[披露宴が始まる]
[その夜…]
【2人の部屋】
[ゆりがソファに座っていると高見沢の声]
「ゆり」
やめて…
「ゆり、早く来なさい」
嫌…
[ゆりは耳を塞いだ]
[高見沢が来て、強引にを連れて行く]
「やめて、高見沢さん」
「私はもう高見沢ではない。美咲家の婿養子になったのだから、美咲昭信だ」
「やめて、お願い」
「貴方と呼ぶか、昭信さんと呼びなさい。さあ、早く来るんだ」
[そして強引にベッドに押し倒した]
「嫌、助けて」
「随分待ったよ、この日を」
[必死で抵抗するゆりに、覆い被さる昭信]
「大人しくするんだ」
[昭信がゆりの服を破る。その瞬間過去世の記憶が蘇る]
[その時…]
[武器を持った大男と、昭信の姿が重なった]
私…この人にレイプされている…
マリアさんが自害した後、私に襲いかかって来た兵士…
それは、この人…
[我に返って叫ぼうとするが、声が出ない]
助けて、洸貴さん…
誰か助けて…
[ゆりの身体にキスしようとする昭信]
嫌!
嫌あああぁぁ!!
[声にならない…]
[その時…]
[電話が鳴った]
「誰だ、こんな時に…はい。あ、会長。いえいえ、すぐ伺います」
[電話を切ると震えるゆりに]
「待っていなさい」
[そう言うと服を着て出て行った]
[ゆりはしばらくベッドで震えていた]
そうだわ、お母様に…
[鍵をかけて母に電話をした]
もしもし、お母様…
声が…声が出ない…
「もしもし、どなた?」
お母様、助けて、お母様…
「ゆり?ゆりなのね」
[ゆりの母は、察したようで急いで屋敷に来た]
[翌日ゆりは病院に入院した]
[数日後退院したゆりは、母親と一緒にプロヴァンスで静養している]
[以前暮らしていたこの地が良いのではないかと、母親の提案だった]
嫌…来ないで…
嫌ああ!!
[ゆりは、昭信の過去世の兵士を思い出し震えていた]
[そして、月日が流れて行く…]




