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神々の性癖とキャラクターメイキング

「「まあ、そうなるよね」」


オモイカネ様と狐娘さんの声がハモる。


「今までシリアスっぽい流れだったのに!!

大神様とかウカノミタマノカミ様とか痛々しくて見てれない位だったのに、

色々台無しだよ!?」


「いつからシリアスだと思ったんですか?」


「最初からですけど!?違ったんですか!?」


「違います。」


俺のツッコミに狐娘さんが更にツッコミ、そのツッコミにまた俺がツッコむ。


「神が他神(たにん)の人間に本気で悪いなんて思うわけないじゃないですかぁ。」


「酷い!?死に損なの!?」


「ソコの犬ッコロなら兎に角、オモイカネ様とか初めからニッコニコだったじゃないですか。」


「奸黒女狐真面目にやれ!!涼斗殿の行く先がかかっているのだぞ!!」


大神様は吠えるが狐娘さんは気にしない。


「ウカノミタマノカミ様も土下座してた訳じゃあ無いんですよ?

私の狐耳と尻尾に目がいかないように伏せていただけですよ?」


「どうして言っちゃうんですか?」


ウカノミタマノカミ様が声をあげる。


「貴女をガン見してたら謝罪してるようには見えないでしょ!?空気読んで下さいよ!?あと、左耳を斜め下に50度位伏せて下さい。

・・・そうです。それがベストです。」


色々台無しだよ。


「良かった。いつもは五分に一回、妊娠、出産出来そうなレベルで視姦してらっしゃるのに小一時間も目もくれず伏せていらしたのでおかしくなったのかと思いましたよ?」


「ハハッ、そんなの私じゃないですよ。ダキニテンに折檻されても改めなかった私ですよ?天地が滅んでも私は変わらない!!」


ウカノミタマノカミ様が胸を張って答える。

視線は狐娘さんにロックしたままだ。


頭を抱えた俺の隣で大神様が嗚咽を漏らしていた。

あなただけですよ俺の気持ちを理解(わかって)くれるのは。


「・・・クソっ、今回はシリアスキャラで決めようとしてたのに…KYめ…KYどもめ…。」


・・・大神様(ブルータス)お前もか!?





・・・・・・場が乱れてきたのでオモイカネ様が修正を図る。


「取り敢えず、今回得た五つの祝福の内、上の四つは無視してくれて構わない。重要なのは五つ目じゃ。」


オモイカネ様の言葉にウカノミタマノカミ様が血相を変えて詰め寄る。


「はぁ!?無視って何ですか!?寧ろ最重要事項でしょ!?」


勿論、視線は狐娘さんにロックしたままだ。

・・・話が進まないから黙っていて欲しいな。


「アマテラス様の大神(オオカミ)、ツクヨミ様の猫神(びょうしん)、父、スサノオ様の白兎、そして私の稲荷(きつね)、最早我等の化身と言っても過言ではないですよ!!」


過言だよ。いや、スサノオ様以外はそうでもないのか?他の(かた)は神使だし。


「はい、どうしてスサノオ様はウサギ何ですか!?」


狐娘さんが挙手しウカノミタマノカミ様に質問する。

空気読めよ。・・・空気読んだからの発言か?


「いい質問だね。涼斗殿、因幡の白兎と言う話を知っているかい?」


俺に振るなよ。狐娘さんに返せよ。あとたまには狐娘さんから視線外せよ。


「・・・えぇと、(わに)に生皮剥がれた白兎をオオクニヌシ様が助ける話ですよね?」


「違う違う違う!!そんなどうでもいい所をクローズアップしないでくれ。」


ウカノミタマノカミ様がチッチッチッと指を振る。

視線はやっぱり狐娘さんにロックしたままだ。


「重要なのは後継者(うさみみずきのどうし)を探していた父が後継者(うさみみだいすきなどうし)たるオオクニヌシ様を見つけた話だよ。」


「私は稲荷神(きつねっこさいこう)故に後を継ぐ事ができなかったが、オオクニヌシ様は父の熱い思いを継承してくれたのだ。それゆ「話を戻すぞ?」


ナイス。オモイカネ様。


「お主の行く先は剣と魔法の幻想(ファンタジー)世界じゃが当然それに付き物の(ドラゴン)が居る。この(ドラゴン)に関する技能(スキル)の為に、四海竜王様方に祝福を戴いた。」


「この後にお主に与える神徳を選び、向こうに行く準備・・・所謂キャラクターメイキングをしてもらう。」


やっと話が進むよ。


「玄狐稲荷よ涼斗殿の案内を。」


「受けたわまりました。」


そう言って狐娘さん…玄狐稲荷さんは立ち上がった。


「では、此方の方へ。」


玄狐稲荷さんが襖を開けて俺を先導する。

因みにウカノミタマノカミ様はガン見したままだ。呆れを通り越してウッカリ尊敬しそうになるな。





玄狐稲荷さんの先導でまた長い廊下を歩く。暇をもて余して玄狐稲荷さんに声を掛ける。


「えぇと、玄狐稲荷さん・・・「狐娘さんで良いですよ。」


「それじゃあ…狐娘さんは黒狐なんですね。」


「えぇ、そうですよ。」


「やっぱり北方の出身ですか?」


「えぇ、そうですよ。北方の出身です。稲荷信仰の広がりで人手(きつね)が足らなくなって伏見稲荷大社に就職する事になったんですよ。

当時は兎に角、人手(きつね)が欲しくて誰彼構わず就職させていたんですよ。

お陰で質の悪い狐も入って来て・・・」


そこまで喋ると狐娘さんはくるりと俺の方へ向き直り深々と頭を下げた。


「私の仲間がご迷惑をおかけしました。」


「もう済んだことですよ。気にしないで下さい。」


「一応、謝っておこうと思ってまして。」


「済んだことですよ。この話はこれでお仕舞い。」


俺の言葉に狐娘さんはニコッと笑いまたくるりと前を向き直り・・・


「はい。此方になります。」


・・・目的地は目の前だった。


「此処から先はお一人でお進み下さい。この先の渡り廊下に酒を満たした酒杯が御座います。その中から五杯だけ選んで渡り廊下を抜ける前にお飲み下さい。」


「私は此処でお別れとなります。最後に謝る事ができて良かったです。」


狐娘さんが笑う。


「貴方の次の人生に幸多からんことを御祈り致します。

・・・誰に御祈りするかは秘密ですよ?」


「ありがとう。それじゃあ行ってきます。」


「行ってらっしゃい。」




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