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取り敢えず進展〜誤字に非ず〜

「そう、みんな大好き異世界転生じゃ。しかもチートつきで。」


オモイカネ様の言葉が俺の中で響く。


異世界転生。


皆一度はあこがれたのではないだろうか?生涯一度は発病する不治の病、厨二病。

己が全能の如く感じ振る舞うあの黒歴史。

現実と身の丈を知り沈静化しても自分の中でくすぶり続ける願望。

そんなときに夢想するものそれすなわち異世界転生。

現実では無理。しかし此処ではない何処かならばあるいは・・・

そんなことを想わせる言葉。


「勿論、転生先は剣と魔法の幻想(ファンタジー)世界じゃよ?」


オモイカネ様は続ける。


「お主を殺したのは五匹の狐じゃから、五種類、五つのチートをやろう。

まず武器適性が五つ。

魔法適性が五つ。

戦闘技能(スキル)が五つ。

生産技能(スキル)が五つ。

そしてユニーク技能(スキル)を五つの合計二十五個のチートを与えよう。」


「おぉすごい!!」


俺の言葉にオモイカネ様は笑顔を浮かべる。


「更にランダムで儂等の神徳を五つ授けよう。」


「次いで向こう側の神々と交渉して加護を与える様にしよう。」


「・・・・・・おぉ。」


「更にさらに「あのすいません…」なんじゃ?」


疑問に思いオモイカネ様の言葉を遮ってしまったがオモイカネ様は特に気を悪くするでもなく、俺の言葉を聞いてくれた。


「俺は向こうで何かやらされるんでしょうか?」


「と、言うと?」


「いえ、トンでもないチートを与えられると言うことは何か使命があってのことかな?と」


「いや?そんなことはないがの?まあ一つづつ説明していこうかのぅ。」


オモイカネ様が掌を広げる。


「まずひとつめ。お主の転生先の世界は百数十年前に異界の神々の侵略をうけている。

勿論撃退したのじゃがあちらの神々も力を消耗していてな、

こちらの霊力を贈ることで代わりにお主を受け入れて貰うことになった。

よってお主が向こうでしなければならない事は無い。」


オモイカネ様が指をおりながら言葉を続ける。


「二つ目。あちらは剣と魔法の幻想(ファンタジー)な世界故、魔物(モンスター)が蔓延る危険な世界じゃよ?

戦闘能力を高めるチートを付けんとアッサリ死んでまうでな。」


「三つ目。加えてあちらは半世紀ほど前に世界大戦が起きてな。敵は魔物(モンスター)だけではない。」


「四つ目。あちらは10世紀から16世紀位の文明度合いじゃ。魔法があるぶん歪に発展しとるが21世紀の時代に生きるお主には不便と思ってな?

無いものや不便に感じたものは自分で作るが良い。」


「五つ目。あちらの神々の加護じゃが先に言ったとうり異界の神々の侵略をうけている。

異物には神経質になってるでな。お主の存在を認めさせる為の後ろ楯になって貰う意味合いもあるんじゃよ。

それに産まれて直ぐに死亡とかは嫌じゃろう?

ある程度自衛ができるまで守護して貰う必要もあるでな。」


「最後に六つ目。好きに生きて良いと言ったので好きにできるようなユニーク技能(スキル)を付けただけじゃ。」


オモイカネ様はいたずらっ子のような笑みを浮かべる。


「お主は好きにいきれば良い。

一国の王になるもよし。

武を極めるもよし。

魔法を極めるもよし。

世界の統一国家の覇王となるもよし。

人々を守る救世主となるもよし。

逆に世界を害する魔王となるもよし。

もっとも最後の魔王はやり過ぎると向こうの神々に粛清されるがな。」


「ともかくこれだけのチートを付けたのは、極論すればお主と交わした “好きにいきれば良い ” と、いう約束を守る為のものじゃて。」


そう言ってオモイカネ様は指を一本立てる。


「さて、最後に一つだけ質問に答えるぞ。」


ふむ、質問は一つだけか。

使命云々は一つ目、武器魔法の類いは二つ目、

戦闘技能(スキル)は三つ目、生産技能(スキル)は四つ目、

ユニーク技能(スキル)は六つ目、神々の加護は五つ目で説明された。


残る疑問点は二つ。

日本の神々の神徳を貰える理由と俺が話を遮った時にオモイカネ様が言おうとした言葉だ。


前半は貰える神徳によってチートが増えるだけかな?

日本の神々の神徳は似たり寄ったりだし二十五個のチートで得られなかったチートを補填するためか?


後半は転生してから解るのか?それとも新たに説明して貰えるのか?

・・・説明して貰える可能性が高いな。


ならば俺の質問は・・・


オモイカネ様は笑顔で俺の質問を待っている。

ウカノミタマノカミ様と大神様は一言も喋ろうとしない。

狐娘さんは空気と化している。

そんな状態に違和感を感じた俺はよく考えずにこんな質問をしていた。




「オモイカネ様は俺を使って何をしようとしてるんです?」





俺の質問に大神様はうつむき、

ウカノミタマノカミ様は視線を反らし、

狐娘さんは面白そうに俺を見た。


オモイカネ様は満面の笑顔で俺の質問に答える。


「色々じゃよ?」


あぁつまり俺とゆう一石をあちらに投じてみる。と、言うことか。


それによって何が起こるかは大神様とウカノミタマノカミ様を見れば予想はつく。


・・・多分ろくでもないことだろう。


多分与えられるチートはそのろくでもないことに対処するためのものか。

好きにいきれば良いてっのは報酬の前渡しか?


「下手な考え休むに似たる。」


オモイカネ様は言葉を続ける。


「お主と交わした約束は本当じゃよ。何か起こるかも知れないし、何も起こらないかもしれない。

儂が言いたいのはなるようにしかならんのじゃから第二の人生楽しんだほうが良いぞ?

好きにいきればえぇ事には変わりが無いからな。もっとも・・・」


「異世界転生者を中心に騒動が起きるのはお約束じゃからな♪」


・・・・・・さいですか。


「どちらにせよお主に選択肢はないぞ?転生か消滅かじゃからな。他にも特典(チート)付けてやるから、快く逝って貰いたいの。」


ですよね。字が違う気がするけど気にしない。気にしないよ?


「では、そうゆう方向で。」


「うむ、宜しく。」


オモイカネ様が重々しくしかし笑顔でうなずきながら懐から五つの薬包を取り出す。


「先に言いかけてたものじゃ。三貴人とウカノミタマノカミ、そしてとある方の祝福じゃ。」


「神徳とは違うのですか?」


「違う。純粋に祝福じゃ。と、ゆうより神格の一部を分け与える。と、言ったほうが早いか。」


俺の質問に答えるとオモイカネ様は狐娘さんに差し出された杯に五つの薬包を入れ、液体…おそらく酒…を入れ混ぜ合わせる。


「さて、これを呑めば祝福が得られるぞ。心して呑め。」


俺は丁重に杯を持ち静かに酒を飲み干した。

なんだかんだ言っても俺は日本の神々の祭祀を祀る者だ。

死んでしまったが三貴人から祝福されるなんて普通の人生では考えられないな。

言ってしまえば狐に殺されなけるばこうやって神々に会う事なんてなかった理由だ。

色々不満もあるがこうやって俺の為にチートを授けてくれたりもしたんだし、

憧れの異世界転生も出来る。感謝するべきだな。


干した酒の余韻に浸りながらつらつらと考えていると俺の中に何かが宿るのがわかった。





アマテラス様の祝福(いぬみみだいすき)を得た。



ツクヨミ様の祝福(ねこみみだいすき)を得た。



スサノオ様の祝福(うさみみだいすき)を得た。



ウカノミタマノカミ様の祝福(きつねっこさいこう)を得た。



四海竜王の祝福を得た。



俺は絶叫する。


「なんじゃこりゃぁ?」


オモイカネ様と狐娘さんが頷く。


「「まあ、そうなるよね。」」




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