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神々の事情と俺と騒動

神話と色々食い違いがありますが仕様です。

「東郷涼斗殿。全てをなかった事にしていただきたい。」


オモイカネ様が俺を見てこう言った。どういう事だ?水に流せ。と言うことか?


「・・・はい?自分はもう気にしてませんが?」


まあ神様がただの人にぺこぺこ謝っているのは外聞悪いだろうし。ウカノミタマノカミ様も自分からは言いづらいもんな。


「・・・違う。」


俺はその時絞り出すように呟いた大神様の声に気づかなかった。


「東郷涼斗殿。」


オモイカネ様は言葉を繰り返す。


「 全てを “ なかった事”  にしていただきたい。」


どういう・・・意味だ?俺が死んでしまった事実は変わらない。俺の死因は狐達の襲撃ではなく別の原因で死んだ事にするのか?


「自分の死因を変えると言うことでしょうか?自分は死にましたが狐達の襲撃ではないようにすると?」


「東郷涼斗殿。」


オモイカネ様は繰り返す。


「 全てを なかった事 にしていただきたい。」


何をなかった事にするんだ?狐云々の話しを “ なかった ” 事にするんじゃないのか?そうじゃないのか? “ 俺が死んでしまった ” 事実は変わらないぞ? ・・・俺はなかった事にはならないだろう?

死んでしまった事をなかった事に出来るのか?

だったら俺をこんな所に喚ばないで黙っていたらいいんじゃないか?

・・・あ。まさか・・・・・・


“ 俺をなかった事にしたいのか? ”


『そうだ。』


そんな声が俺の頭に響く。隣を見る。涙をいっぱいにためた眼で大神様が俺を見ていた。


オモイカネ様の方に向き直る。


「俺を・・・俺の全てを全存在を “ なかった ” 事にするんですか?」


顔を伏せたままのウカノミタマノカミ様の体が びくり と震える。

オモイカネ様は微笑んで言った。


「そのとうり。」






さて日本にはたくさんの神様が居る。八百万の神とか言うからまあ、いっぱいだ。

日本は神様人口は世界一だろう。なんせ日本の神様だけでなくいろんな国々の神様が居るのだから。


外来の神様の代表はやっぱり仏様だろう。なに?神様じゃあない?こまけえぇことはいいんだよ!

とにかく神道と同じか下手したらそれ以上に 信仰 されてる。

聖徳太子や上杉謙信が信仰した毘沙門天(多聞天)は四天王と言って天部のなかでも別格の扱いをされている仏教の神様だ。

こちらの方々は中国経由で日本に来られた。インドのヒンドゥー教にルーツをもつ方が多い。

なんせ仏教の開祖仏陀はヴィシュヌの化身(アバターラ)とも言われてる位だ

ぶっちゃけヒンドゥー教の有名処の神様から引っ張ってきたと言う説もあるからな。


閑話休題。


次は日本の神様だ。日本の神様は大きく分けて二種、いや三種に分けられる。


天津神。


国津神。


そして人神。


あぁ人神と言うのは人間から神と成った方だ。大別すると位人臣を極め歴史に不滅の名声と功績を残した方と能力はあるのに非業の死をつげたかただな。

前者は聖徳太子や安倍晴明。

後者は菅原道真や平将門なんかだ。

人神は実在の人物だからその人にあやかりたい!待って祀るから祟らないで!と言う感じで信仰されてる。


天津神は現在、天照大御神を頂点とした高天原の神だ。天孫を降臨させ日本を支配した。現在の皇統はアマテラス様の子孫だ。他にもツクヨミノミコト様とスサノオノミコト様があげられる。このお二方にアマテラス様を加え三貴人と言われている。現在、国津神達を降して日本の神の中心としてこの日本を治めている。


国津神は地上の神とスサノオノミコト様の子孫だ。因幡の白兎で有名なオオクニヌシ様やスサノオノミコト様の子供のウカノミタマノカミ様なんかが有名かな?

もともと地上の支配権を巡って天津神と争っていたが今はお互いの領域を許可なく侵さない事を条件に和解。現在とても仲良しだ。


いろいろ話が脱線したな。話を戻そう。


俺が死んでしまった直前に大神様は自分たちの領域に血が流れた事を知った。大神様達が駆けつけた時には俺は狐達に首をはねられていた所だった。

自分たちの領域を侵した狐達を制圧した所、狐達はこうのたもうたそうな。


“ 我々はウカノミタマノカミ様の宝を盗んだ賊をダキニテン様の命令で誅殺した。これはウカノミタマノカミ様も知っておられる。我々に逆らうか!! ”


もちろん嘘だ。


しかしこの嘘がいろいろややこしい誤解を招く。


人界の人間が高天原から物を盗む事はできない。と言うか不可能だ。

しかしウカノミタマノカミ様が狐達が大太刀を盗んだ事を知っていた。

知っていたが放置したこととダキニテン様の存在が要らぬ誤解と警戒を招いた。


ダキニテン様は仏教の天部衆の一人でウカノミタマノカミ様の相棒だ。


仏教の神様が何で日本の神様と一緒に居るかと言うと昔々日本に仏教が渡来したときに、神仏衆合と言う形で神徳が等しいあるいは似ている神仏の神々がお互い争わない様に、またお互い足りない所を補い合う様に手を組んだからだ。


この神仏衆合にて日本で独自に信仰を得られた仏教の神様もいて色々感謝されたらしい。


閑話休題(はなしがそれた)


農耕神にして商売の神様でもあるウカノミタマノカミ様は人気者だ。が、色々甘いらしい。

そんなウカノミタマノカミ様をサポートする形で豊穣の神様にして死神としての顔をもつダキニテン様が豊穣(アメ)死神(ムチ)を使い分けて二人三脚でやってきた。ウカノミタマノカミ様はただ加護をあたえるだけの神様だがダキニテン様は違う。

加護を受けながら祭祀を怠れば容赦なく罰を与えた。・・・勿論他の神様の加護を受ける者達もだ。


当然他の神様は面白くない。自分の領域は侵されたくない。しかしダキニテン様の職制にある以上、またアマテラス様が認めた以上文句は言わない。


だが繰り返すが面白くない。


そんな空気を読んでダキニテン様は裏方に徹している。職権を濫用しない。


しかし今回の事でそれが破られた。しかも、


お互いの領域を “許可なく” 侵さない。


この唯一にして絶対の約束が破られた。

ウカノミタマノカミは知っていた。この事を “黙認” した。

ダキニテンが動いている。言いがかりに近い・・・いや、言いがかりをつけて自分たちの領域を侵してくる。

何故か?

ダキニテンは仏教の、外来の神だ。

侵した領域に自分たちと同じ外来の神を据えるつもりだ。


・・・かつて天津神が国津神にしたように。


天津神と国津神は神格や神徳が被っている神様が多い。

それ故に争ったんだが最終的に和解した。そしてお互いの領域を許可なく侵さない事をを約束した。世界的にも神話的にも珍しい事だがこれには理由がある。


日本の神々には神殺しの概念がある。


それ故日本の神々は争わない。自分たちは決して不滅の存在ではない。


神々はその事を知っているからだ。


そして誤解は更なる誤解を産み、妄想が膨らむ。


ウカノミタマノカミとダキニテンは我々を殺そうとしている。日本に土着した連中も信用できない。

思えばあいつらも基は仏教の、外来の神だ。

自分たちの身を守らなければ。

いや、こちらから仕掛けるか?


これに慌てたのはウカノミタマノカミ様とダキニテン様、そして外来の土着の神々だ。

慌てて釈明に走るが相手にされない。酷いときは門前払いだ。

仲裁を仏様にお願いするが、この機に乗じてやらかす連中もいた。


梵天と取り巻き達だ。


梵天はとりあえず上の方の守護者と言う神格が祟ってかなり不遇な神様だ。

梵天が色々騒いで他の天部衆がなだめるのだが話しを聞かない。

まあそうだろ。他の天部衆は大なり小なり日本で信仰されてる。梵天は不遇。チャンスが目の前に転がっているのに黙っているはずがない。


「これは千載一遇のチャンスだ。日本で我々が更に躍進するチャンスなんだ!!」

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