黒陽暦257年 視点?
初投稿です。
欲張って、色々な要素を盛り込んでいます。
拙いですが、興味のある方はどうぞ。
暗示…相手が信じ込むように、それとなく仕向けること…辞書より
…私が見つけた“これ”は一体なんなのか。
決して意図してこれを見つけたわけではない。全くの偶然だ。
だが、“これ”はいつか世界を根底から変える。
そうすれば“これ”を利用しようという輩も現れるだろう。
それも数え切れないほどの、邪な心を持ったものたちが。
果たして“これ”で世界を幸福へ導くことが出来るのだろうか。
…恐らく可能だろう。
正しく使えば、きっとそれは簡単になすことが出来るはずだ。
…しかし、ゆめゆめ忘れてはいけない。“これ”が悪用されれば、世界を滅ぼしうるということを。そしてそれを望むものが現れれば、遠くない未来に終焉は訪れてしまうであろうことを。
…まだ隠すべきだろう。今の世界には“これ”は無用の長物だろうし、価値さえ誰も分かるまい。
だがこのまま『魔法科学』の研究が進めば、“これ”を理解するものが必ず現れる。
もって数十年といったところか。
その時“これ”が世界に無秩序に広がってしまうのは避けたい。何か方法を考えなければ。
そして“これ”を託す者も。
…さしあたっては“これ”に名前をつけるとしようか。
私とて魔法科学者のはしくれ。後世に残るような“これ”に名前をつけたい。
…私も欲の塊、所詮は一人の人ということだ。
他人より、世界より、未来より、今ある“これ”を優先してしまう。
幸福にもなりうる、という免罪符にすがって…
こんな私でもレベルⅡなのだから、真の人格者などこの世界にはいないに違いない。まぁ世界の誰もが分かり切っていることかもしれないが。
…少し無駄なことを長々と考えてしまった。
もう時間も随分遅い。
考えるのは明日でもよいか…
今日という日は良くも悪くも世界の転換点となっただろう。だが願わくば、
“これ”が世界を幸福へ導かんことを